
トルネードの教室に、小さなコック帽やスカーフがたくさん。「パンをつくるの?」「コックさん?」「お菓子を作るんだ!」あれこれ想像が膨らんで、さっそくワクワク、そわそわするこどもたち。キッズコースは、おしごと好きな子が多いです。

今月は、みんなで「食べられないケーキ」を作ります。「ええ〜?!」「それってどんなの?」食べられないのはちょっと残念そうですが、やっぱりみんな興味が勝る様子。みんなが知ってるケーキを聞いてみると「はい!チョコケーキ!」「ショートケーキ」「シフォンケーキ!」「チーズケーキ!」

例えば、ガトーショコラやシフォンケーキは生地が1種類で、型に入れて焼くだけで完成するシンプルなケーキです。でもショートケーキやミルフィーユなどは、生地やクリームが層になって積み重ねられていますね。ロールケーキは、生地にクリームを乗せて、くるくると巻いて作ります。

そして今回みんなで挑戦するのは、タルト。お皿のような固い生地の中に、たっぷりクリーム(アパレイユ)が詰まっていて、その上に飾り(デコレーション)という3つの要素でできています。その味や見た目の組み合わせによって、バリーションが無限に広げられて、考えるのも作るのもとても楽しいケーキです。

今回は、絵の具や粘土など普段からよく使う工作の材料のほか、小麦粉や油など、お料理に使う材料も使います。さらにめん棒やお菓子作りの型など、めずらしい道具もたくさん登場しますよ!ではさっそく、土台の生地づくりからチャレンジしてみよう。

小麦粉に水を混ぜて作る「小麦粉ねんど」を作ったことがある子もいるかな?今回はタルト用に少し材料や配分を工夫して、タルト型に敷いていきます。「え!本物の小麦粉!?」食べられないとはいえ、まるでお料理のレシピのよう。

まずは材料の計量から。キッチンスケールや計量カップを使って、自分で分量を計ることにチャレンジ。まだ数字に慣れていない小さな子たちは、計量カップの線を手がかりに体験しました。料理のどうぐの登場で、みんなとたんに真剣に!

お菓子作りは、正確に材料を計ることがとても大事です。小麦粉や塩のグラム数を確認しながら、ぴったりに計ると「気持ちいい!」。お料理に慣れている子は、小麦粉をこぼさないために「こうするといいんだよ!」と"すりきり"を教えてくれる子も。「OK、できたよ!」次々に進みます。

タルト生地にはたまごが使われます。が、今回は絵の具とボンドを混ぜた水で代用。色はもちろん、トロッとした質感も本物のたまごそっくり!ぴったりの量を、先に計った小麦粉や塩の袋に入れていきます。液体を注ぐ作業に、ちょっとドキドキな様子…

粉や液体を入れたら、袋の口をしっかり閉じて「よし、できた!」準備万端です。「あ!あれをするんでしょ!」いつもママのお料理を見ているこどもたちは、次の動作の想像がつくようです。「こねる!」「もみたい!」

中に入れた材料がひとまとまりになるまで、袋の上からしっかり混ぜていきます。「気持ちいい!」「うわー!」と感触を楽しみながら、手のひらで生地を混ぜ始めました。タルト生地はクッキーのような硬さなので、スポンジケーキやパンケーキ生地よりも水分が少なめです。白い粉のかたまりが見えなくなるようにしてみよう。

キッズのまだ体が小さなこどもたちは、全身の体重をかけるように一生懸命!想像以上に大変だったようで、ニコニコしながらも「もうだめだ」「手がつかれてきたよ!」なんて声も。ひじやひざなどを使ってぐりぐり!自分なりの練り方法を編み出していました。

粉っぽさがなくなってひとまとまりになったら、袋から取り出して手で直接こねていきます。「いいにおいがする!」さらに生地をまとめやすくするための油をいれると「気持ち悪い!」「いや、なめらかになったぞ?」など感触を確かめながらこねていました。しっかりこね続けて、だんだんと手にくっつかなくなったら良い感じ!

作業台の上に生地をのせて、めん棒でよく伸ばします。これはみんな粘土でよくしているので、すごく上手!なのですが、一定の大きさ以上に広げようとすると「生地がちぢんじゃうよ!?」実は今回、作品が割れにくいように強力粉を使いました。薄力粉よりもグルテンが多く、生地に弾力があるのです。ここも「えい!」体重をかけて作業していました。

タルト型の大きさより一回り大きめに広げられたら、型の内側に敷き詰めていきます。生地を持ち上げて型の上に乗せ、指でやさしく押し付けながら、型のふちの高さに沿って形を整えていきました。凸凹しているので、1箇所ずつていねいに。縁からはみ出した余分な生地をはさみで切り落とすと「うわあ!本物だ!」

切り落とした部分の生地も、丸めて再利用。好みの厚みに伸ばして、いろんな形の型で抜いたらクッキーに!これはタルトのデコレーションにも使えそう。これもまた楽しく、みんなどんどん作っていました。

あっという間に片付けの時間に。でもまだやりたい〜という空気の中、こどもたちの間では「パティシエは時間にもきびしいんだよ!」なんて声もあり。ユニフォームや料理道具の登場で、こどもたちの気分まですっかりお菓子職人です。タルトを見ながら「次来たらどうなってるかな?」おいしそうな作品に仕上げたいですね!

前回作ったタルトの土台。乾燥させてしっかり固まり、本当にお皿のようになっていました。少しヒビが入っていてもなんだかリアルな質感に、みんな嬉しそう。「今日は中身づくりね!」テーブルにどうぐを出し、パティシエの帽子をかぶったら、おしごと開始。

これから作るタルトの中身は、大きく分けると「ダマンドクリーム」と「トッピング」の2つ。こどもたちはフレッシュな果物たっぷりのタルトを作りたい子が多い様子です。そこで、カットされたフルーツの例を紹介してみると「うわ〜お!」と歓声が。早く作りたくて、気持ちが大盛り上がり。

「ダマンド」は、フランス語でアーモンドという意味。タルトには粉末のアーモンドをベースに作られたクリームが、たっぷり入っているんです。トルネードではそのシンプルなクリームに、それぞれ好きなフレーバー(味)を足してもOK!「おいしそう!」「わたしはチョコ味がいい」「絶対バニラでしょ」さっそく作りたいイメージがむくむく。

前回も使用したキッチンスケールで、ボンド(たまごの代わり)、砂(アーモンドパウダーの代わり)、絵の具(フレーバーの代わり)という3つの素材を計りました。特に小学生たちは、スケールの使い方をしっかりマスターして、実に手際よく次々と進めていました。

袋に入れて混ぜると、前回のタルト生地とはちがう、すごくやわらかい感触。砂のザラザラした感触も、ちょっと新鮮な様子です。「これも気持ちいい」と楽しさや感触のおもしろさに、みんなの顔がにんまり。「混ぜやすい」「もうできたよ!」自信たっぷりの声がたくさん聞こえました。

袋の角を切り落として、タルトの中にむぎゅ〜っと絞り出し。袋から出てきたクリームは、ものすごくリアル!自分の想像した通りのクリームができて、何だかいい香りまで漂いそう。「ひゃー、おいしそう!」「これ楽しい!」「しっかりしぼり切るぞ!」どの子も真剣そのもの。

ママもよく料理で使っているゴムベラを手に、クリームの表面を平らにして、タルトの端までクリームを広げています。タルトをくるっくるっと手早く回し、プロっぽい手つきで表面を整える子も。「うまいでしょ」と得意顔。どこかで見て覚えていたんですね、すごいぞ!

クリームを入れ終わったら、次のお楽しみ。トッピングフルーツ作りでは、サンプルとして本物のカットフルーツも登場!「わ〜」「食べたい」「いいにおい!」おいしそうなフルーツを目指して、絵の具の色づくりからスタートです。

「これはオレンジ」「ぶどうだよ」「シャインマスカット!」色を見るだけで、何のフルーツか当てられそうなくらい、おいしそうな色ができている!それぞれのフルーツがいかに大好きか、その気持ちがよく伝わってきます。

果物の色ができたところで、木や発泡素材のいろんな形のブロックが登場しました。「色を塗ったらキウイになりそう!」「これはイチゴになりそう!」制作の勢いが止まりません。「早く塗りたい!」「10個くらい作らないと!」

はじめの1色を塗るだけで「うわあ、本物みたい!」。色の効果はすごいですね。まずは大きな色面をペイントして乾燥させておくと、次回は細かい線や色を描き足すこともできますよ。塗り残しがあると残念だから…とここは集中して慎重に進めていました。

「リアルにしたいから、裏までちゃんと塗る」という子もいれば、「たくさん作りたいから、見える面だけ塗っておこう」という子も。完成形をしっかりイメージできている!より本物らしい複雑な色味を自分で工夫して描き足す子も。それぞれのこだわりポイントがあります。

「シャインマスカットをたくさん作りたい!」と粘土を丸めていたこちらの子は、緑を塗っているうちに「ヨッシーの卵」風なものが誕生。「実際食べてみたい!」とワクワクしていました。

前回のクッキー作りがとても楽しかったというこちらの子は、「持ってきたよ」と、おもしろいクッキー型を見せてくれました。え、花札のクッキー型?!粘土で花札クッキーを量産。

「タルトの土台は、焼いたらきっとこんがりしてるよね?」「それも作りたい!」と、絵の具とスポンジを使って、タルトにこんがり焼き色をプラスしているこちらの子。リアルなイメージがどんどん膨らんでいる様子。もう、本当に、おいしそう…

作りたいものをとことん作り、「来週はトッピングできるんだ」とニコニコで帰っていったこどもたち。理想のタルトができるといいですね!

こどもたちのすごい盛り上がりに便乗するように、スタッフも張り切ってタルト屋さんのカウンターを作りました。到着するなり「うわあ!」「ここでお店ができるんだ」と、みんなウキウキの様子。「もう、早くやろう!」オッケー、おいしそうなタルトに仕上げよう!

制作は、前回の続きからスタート。それぞれが色を塗ったフルーツの絵の具が、すっかり乾いています。そこにペンなどの細い描画剤を使って、細部の描き込みをしていきました。「本物にまちがえちゃうくらい似せたい」とみんな真剣です。

小学生はもちろん、小さい子どもたちも自信たっぷりに作り込んでいました。「種をびっしり」「バナナの真ん中はこんな色」いつも食べている果物の様子を思い出して、ひとつひとつしっかり作り込むこだわりよう。

それぞれの果物の描き込みが終わったら、さらにニス塗りを。ぷっくり、ツヤツヤな表面になると、一気にジューシーさや新鮮そうな雰囲気がアップ!こどもたちは「すごくおいしそう〜」とますます盛り上がり、気持ちが前のめりに。

表面の飾りに使うためのクリームも、自分たちの手で作りました。混ぜたのは紙粘土と水、そして木工用ボンド。キッチンスケールの登場に「計りはもうまかせて!」というくらい、みんなすっかり使い慣れた様子で自信満々です。絵の具をチョイ足しして、好みのフレーバークリームにする子も。袋の口を結んだら…

お楽しみの「もみもみ!」このタルト作りのプログラムでは、毎回何かを混ぜて材料を作りました。それぞれちがう感触なのが新鮮なようで、こどもたちも「次はどんな感触かな」とワクワクな様子。「机にぎゅっと押すといい」「振ると混ざるよ!」自発的にいろんな混ぜ方を発見していました。

ツヤツヤになったフルーツに、好みのクリームなど、タルトの上に載せる素材が全てそろいました。「とうとうデコレーションだ!」「どう並べようかな?!」自分で作った材料を前に、こどもたちのモチベーションがマックスに。

まずはフルーツをタルトの上に並べてみながら、配置の検討。かっこいい、おいしそう、リアル…自分のイメージとぴったりな並べ方を研究しました。「これだ!」という配置が決まったら、クリームと一緒に並べていこう!紙粘土にボンドも混ぜてあるので、クリームがちょうど良い接着剤になるはずです。

「スライスしたオレンジをここに並べて…」「2色のブドウをしましまに配置して…」ニコニコしながら、みんなすごい集中力で最後の作り込み。それぞれの「こうしたい!」がはっきりと感じられる取り組みでした。デコレーション兼接着剤にもなるクリームの塗り方や絞り方にも、工夫が感じられます。

うわあ〜、すごいボリュームのタルトが完成!タルト型からはみ出すほどの勢いです。フルーツをふんだんにのせて「21個も作ったよ!」と、うれしそう。さらにピンクのソースもたっぷりかけて、満足度いっぱいのぜいたくタルト。

何か動物の顔を作っているのかな?と思って見ていたら、なんと「カニ」でした!独自のおもしろすぎるセンスに、スタッフが大ウケ!オレンジと赤の色合いがとにかく新鮮で、おいしそうです!

出来上がりが近づくにつれて、作った本人たちも「これ、本当に食べられないんだよね?」「食べたい〜」という声が出てしまうほどの没入感。味も想像しながら、よりリアルに仕上げようとこだわりの作り込みに。

完成したタルトをお店に並べる前に、商品名やお値段を考えました。「はっぱタルト」「オレンジ王タルト」「おいしくてかわいいタルト」本当にこんなお店があったら楽しいなと思うネーミングがずらり。「誰か買ってくれるかなあ」「待って待って!買ってくれたらうれしいけど...買ってほしくないくらい!」開店準備中もにぎやかでした。

自分の作品に商品タグをつけて、ひとつひとつ棚にきれいに並べていきました。これはもうすっかり、リアルなお店屋さんの雰囲気!さっそく「いらっしゃいませ」「これをください」小さなこどもたちが一生懸命作った、タルト専門店がオープン!

おや、1回目からコッソリ進めていたという、ミニサイズのタルトも並んでいます!トルネードに来てメインの作品を作る傍らで、この3つも毎回地道に作り続けていたそうです。しかもひとつひとつ味がちがうというこだわりよう!どれにしようか迷っちゃう。

お迎えの保護者の方のほか、兄妹姉妹のこどもたちが来てくれることも。「お兄ちゃん、僕のを買って!」「うわあ、すごい!おいしそうにできてるね」ママもこどもたちもうれしそう。

「はい、気をつけてお持ち帰りください」ひとつひとつケーキ箱に入れる手つきも、まるでほんとのケーキ屋さんのようにとてもていねいでした。今度ケーキ屋さんに行ったら、パティシエさんたちのすごい仕事を、いつも以上によく味わってみよう!