
11月の札幌は、もうすっかり冬支度。これから暖かいコートの出番です。中高生たちは、ファッションにも興味が広がるお年頃。教室では日常的に「それかわいいね!」「どこで見つけたの?」などの会話も。この月は「大人になったら着たいコート」をテーマに制作していきます。

コートは、冬の装いの中でもコーディネートの要。一番外側に羽織ることから、人の目につきやすいアイテムです。道行く人たちの姿を見ながら「OLさんだな」「バリバリお仕事していそう」「おもしろそうな人だな」と感じたり。コートは個性やライフスタイルを映し出す「着ぐるみ」のような役割も果たします。

みんなは、大人になったらどんなコートを羽織りたい?数年後の自分の姿を想像しながら、実物大で「紙のコート」を制作していきます。「楽しそう」「え〜どうしよう?」「私エプロンしか作ったことないよ!」など、いろんな声がザワザワと。紙で作るので、自分のこだわりを細部まで作り込みしやすいと思いますよ!

服を作ったことがある人は少ないと思います。そこで基本的な構造を理解するため、トルネードオリジナルのミニミニサイズの工作キットが登場!紙製のYシャツを作ってみれば、パーツの大まかな形や縫い代、つなぎ方が把握できるはず。まずはパーツを切り抜いていきましょう。

「みごろ」という聞きなれない単語が登場。おなかとせなかに当たる部分の主要パーツで「まえみごろ」と「うしろみごろ」に分かれています。上着系の服にはこのパーツが必ずあります。肩の部分をつないで、組み立てしていきます。

紙製のシャツなので、ミシンは不要。代わりに、ホチキスでパチンパチンと連続留め!パーツを少しずつ繋いでいきます。もし、ずれたりしわになっても、ていねいに針をはずせば元に戻せます。

次に、袖付けです。このちょうど肩が当たる山の形の部分が、上着の中でも最も立体感のあるところ。付け方が難しいポイントです。3枚の紙が合うことで、人の体を包み込む形になっていきます。紙の端を少しずつつまみながら、カーブの形を作っていきます。

服作りは平面から立体を作る作業。平らにつける部分もあれば、もう片方を引っ張って強制的に膨らませながら合わせる部分も。「これで大丈夫なの?」「合ってる?」とひとつひとつ確認しながら進めていても、「あ、ちがうところとつけちゃった!」慣れないうちはけっこう頭を使います。

肩をどうにか留めて、袖下や脇も合わせていくと、一気にシャツらしい形に。「うわあ!シャツの形になった!」「あー、なるほど」初めは立体がイメージできなかった人たちも、ここまで進められるとやっと理解できてスッキリ顔。まずはこれでシャツの大まかなボディが完成。

シャツの裏面を表にして作ってきたので、ここから全体を裏返し、縫い代を内側に隠します。今回は紙製なので、破れやすい。全体をくしゃくしゃに丸めて紙をやわらかくしてから...ゆっくりゆっくり、ていねいに。ホチキスで留めた部分がビリッとしそうになって「わあ、むずかしい!」

最後に襟をつけたらシャツの完成。ものすごくシンプルな形ですが、なかなかの手応えがありました。実際の服作りと同じような制作のプロセスでしたので、これで大まかな工程は理解できたはず。さて、ここからはみなさんの憧れのコートを考えていきましょう。

どんな感じが良い?と何気なく聞いてみると、それぞれけっこう具体的なイメージがある様子。「このコートにタートルネックを合わせるのが、大人っぽくていいですよねえ」「おおきめの襟がいい」「袖なしってありかな?」絵に描きながら想像をふくらませていました。

いろんなディティールの違いはあると思いますが、まずは大まかにテーラード、ショート、チェスターなど、タイプごとに必要なコートの型を用意しました。自分の作りたい形に近いものを選んで、ここからはグループ制作。協力して作業を分担しながら、人数分のパーツを作ります。

ベースの生地は、クラフト紙。それぞれの型をクラフト紙になぞって、裁断していきます。実物大なので、パーツがすごく大きくなりました。「これってなんのパーツだろ?」型紙を見ながら、頭の中で完成時のコートを組み立てて、どこにつけるパーツか理解しておくと良いですね。

型紙には「わ」と印がついたものがあり、その場合は左右対称のパーツなので、折り畳んだクラフト紙に半分の形の型を置いてカットします。「じゃあ、どう作る?」中高生混合のグループ制作ですから、得意な人がいると「頼もしい!」

同じ形のベースの形を、各グループの人数分カットしていきます。一人分ずつ作っていると時間がかかりそう...「重ねてカット」「形を正確にする工夫」など、グループごとに相談しながら進めていました。パーツ数の管理方法も、工夫がいりますね。

終盤になって、やっとそれぞれのパーツが揃ってきました。立体構造や数・形など、絵を描くのとは違う頭の使い方をしたり、作品が大きいので、意外と体力も必要でした。くたくたな様子でしたが「次回も楽しみ!」とのこと。各自の好みがどんどん反映されていく予定です。

自分の理想とする「おとな像」。どんな服装で、どんな雰囲気を醸し出しているのだろう?そのイメージをもとに、アウターを作っていこう。色やディテール、こだわりたいポイントなどが、うまく形になるといいですね。

作り込んでいく際のガイドになるよう、まずはスケッチに描き起こし中。こちらは生地やポケットやボタン、タグまで描き込まれたラフスケッチ。「襟だけボアにしたい」とのこと。

イメージする理想の素材感は?フェルト地、キルト、皮、ファー…紙製のコートですが、生地の雰囲気はできるだけそれっぽく出していきたいですね。それにあわせた画材・技法を研究しよう。

ステンシルや、スタンピング、フロッタージュ(擦り出し)、ローラーなど、いろんな技法が使えます。問題は、サイズが大きいので広い範囲にうまく質感をつけられるかどうか?! 自分に合う方法を見つけたら、制作工程も考えます。

こちらの「赤いジャケットがいい」という人。でも一口に赤と言っても「いろんな赤があるから迷い中」とのこと。ちょっと変わった生地感が良いらしく、リアルに想像している様子に感心!色えんぴつ、パステル、絵の具など、いろんな画材でお試し中。

こちらは、ふんわりした質感で、あったかそうなチェック柄。元の紙の色味も生かされています。こんなコートがあったら、素敵ですねえ。「よし!これでいこう」と決めて、アウターのパーツに塗り始めました。

パステルのふわふわ、ざっくり感を生かし、風合いをつけている人が何名か。最近の寒さを身にしみて感じているから、暖かい感じが欲しくなりますよね。色のバリエーションも様々です。

表面にしっかりとした風合いをつけるために、立体にする前、平らな状態で色や質感をつけていきました。でも....バラバラな状態だと、パーツの表と裏がわかりにくい。要注意ポイント!

「これは何のパーツだっけ?」「同じ形があるから袖か」「身頃はこれでしょ、えーと...どっちが合わせ目?」前回組み立てをして確認しましたが、今日も大混乱。パーツごとに色を変えたい人もいる様子。さらにふわっとゆるめの形のアウターが良い人は、後で形を付け足せるように予備の素材も作っておくと良さそうですよ。

やっと1枚目のパーツが完成!「でもこれに30分は使ってるかも…このままだと完成しないかも!?」と作戦を立て始める様子も。ハケやローラー、場合によってには軍手を両手にはめて筆がわりにするなど、いろんな工夫が出てきました。

「理想の大人像は、普通がいいんです」と、赤&黒の太めのボーダーを突然塗り始めた人が。「おー、かっこいい!」自分の普通は、他人の普通じゃないかもしれません。

こちらの方は、スカジャンタイプのジャケットを制作中。「この間いたんですよ。こんなジャケットを着ている人が!」背中にどうぶつの姿が刺繍されていたらしく、街で見かけて憧れていたそう。いいですねえ、普段の観察が作品につながっています。

「私、孔雀みたいになりたいんです」というこちらの方の生地は、中間色の緑地に、イエロー、ブルーがランダムに配置されていました。発想が実にユニークですね。ポップだけど、すごくゴージャス!

「落ち着いた色味で、自然な感じがいい。」というナチュラル派も。ローラーで塗っていたら、たまたま出てきた色味らしいのですが、すごくイメージに合った質感ですね。シックな大人な雰囲気です。

制作の後半になると「大変」「手がつりそう」なんて声が続出!とにかくパーツが多くて、塗る面積が大きいのです。でも「あともう少しだから!」と誰も止まらず、気力と体力をふり絞っていました。すごい熱意です。

素早く塗り終えて「いえ〜い!」細部にこだわりたい人は、もう組み立てがしたくてたまらない様子で、一足早くホチキスでの組み立てをスタートさせていました。

みんな身頃の組み立てはすっかりマスターしたようで、スムーズに組み立てはじめていました。広い作業場が必要なので...いつもの制作スペース以外にも、空いてるスペースを探して、パーツを広げて作っています。

袖のパーツは、コートの形によってさまざまでした。でも基本は前回のミニシャツの制作と同じ構造です。どうにか組み立てることができていました。「わー、形になってる!」

裏を表にしながら組み立てていましたから、ここから表に返さなければ。でも絶対に破きたくないところでしょう、気をつけて!こんな感じで、早い人がひっくり返しはじめたところでこの回は終了。みんな次回のカスタムに燃えています!

この回はコートの組み立てがメイン。1回目のプログラムで、ミニサイズの紙シャツを作った行程を思い出しながら...パーツを合わせる部分の確認です。ただ、選んだコートによっては後ろ見頃が半分に分かれていたり、袖山の位置がちがったり。それぞれ少しずつ違いますが、基本は同じですよ!

「自分が好きなものを、好きだとはっきり言える大人になりたい」と、配色にもこだわったかわいい柄のコートを作っています。が、とにかく...作業の工程数が多い!途中になっちゃうのだけは絶対にイヤ、と制作スピードが加速していました。

この時点で「袖がない!」「2枚必要なのに、1枚しかない」などの、パーツ不足が発覚!という人もちらほらと。これはショック!パーツの形がなんとなく似ているものが多くて、さすがのラボでも混乱するようです。急いで作ろう!

ミニサイズの紙シャツは、単純化したかなり作りやすい形。でも実際の洋服の型を使ったこの組み立てでは、「これ一体どこの部分?」という謎のパーツがあったり、袖や身ごろが分かれているデザインもあり、とにかく頭を使う!留める前に、確認のための質問が多くありました。

実物大の服サイズなのに、留めるのは小さなホチキス。教室中のみんなが、ひたすらパチンパチン、パチンパチン...「芯が足りなくなりました!」なんて声も。でも、大きくずれたり、まちがえたところにつけてしまうと...外す手間が増える!みんな真剣そのものです。

組み立ててみて、はじめて「こういう立体にするためのパーツだったんだ!」と理解していました。服作りの立体裁断って、ものすごい技術です。手も頭もフル回転でしたが、すっごく楽しそう。「すご〜い」「これ、本当の布でも作ってみたい」という声もありました。

リアルサイズで作っていると、形になった時の喜びもひとしお。大きなパーツをつけ終わったあたりで「ひっくり返しやすい!」「やぶらずにできた!」という感動の声が。でもここで完成ではありません。ここから先が、それぞれのカスタマイズをよりいっそう楽しめるところです。

ボタンやポケット、袖や裾などは、どんな感じにする?みんなかなりはっきりと好みがあり、いろいろなパーツの素材を前にしてそれほど迷いなく制作を進めていたのが印象的でした。リブやレース、パイピングなどの服飾素材のほか、プラ板を焼き縮めて作るオリジナルのボタンも人気でした。

紙のコートですから、工作素材もさまざまに組み合わせが可能です。紙テープや毛糸・羊毛などのほか、色鉛筆でフロッタージュして質感を表現したり、刺繍風の描き込みをしてみたり。これらをうまく組み合わせて、それぞれのイメージする感じを探っていました。

こちらはファーを選んで、裾や袖口につけていました。あったかそう!そしてなんだかゴージャスですね。ちなみにどんな大人像を想像して作っているのかを聞いてみると「カフェで優雅に過ごすような人で、パソコン仕事をしてるイメージ」とのこと。

こちらの方は「うわ!これ使いたい」と、レース素材を見つけたとたん、さっそくポケットや袖に貼っていました。「かわいい感じがいい。」作っているうちにだんだんと熱が入り…素材を使い切り、さらに「もっと付けたい!」と自分でレース模様を描きはじめました。

こちらはポケットのフチに、同系色の厚手の紙テープをパチン、パチンと留めています。こういった仕上げのこだわりで、好みが表現できるようです。さりげない加工ですが、全体の印象がちょっとポップな感じに仕上がっていました。

こちらは、背中にすごい存在感!いろんな布素材を組み合わせて、表面の凸凹感を再現。ちゃんとしっかり刺繍風に見える力作です。すごいこだわりでした。

こちらはなんと大胆に、丈を大幅にカット!かなり潔くスパッと切り落として、ショート丈のジャケットに変身させていました。「これがやりたかったんだ」と全く迷いなし!たしかに、似合いそうですね〜

「ニスはありますか?」と独自の発想で質感にこだわりをみせていたのはこちら。「皮の感じが良い」とのことで、光沢感を出すための工夫で、異彩を放っていました。思いがけないほど効果が出て、理想に近づいたようです。もこもこのファーとの対比も、すごくリアル!

プラ板を大きな丸に切り抜き、ペンで色や模様を描いたものを、トースターで「チン!」程よく縮み、厚みも増して、まるで本物みたいなボタンができます。「プラ板久しぶりだなあ」と言いながら、楽しそう。自分の理想のコートにぴったりなボタンに仕上げていました。

焼く前にポンチで穴を開けておけば、ボタンの小さな穴まで本物と同じように作れます。そこで裁縫が好きなこちらの方は、針と糸を使って、四つ穴ボタンを十字のクロスでしっかり縫い付け。向かい側にはカッターでボタンホールも空けて、ボタンで前を閉じられるコートに仕立てていました。

先週からイラストを描いていたこちらの方は、完成したアウターの背中に、別紙に描いた絵を大胆にコラージュ!「これが着こなせるかっこいい大人になりたい」とのこと。エネルギーに溢れてる!

型紙から生地のペイント、組み立て、パーツの加工など、ものすごい数の工程を経て1枚の服が完成。中には自分の作品を試着する人も!本物さながらの仕上がりです。