2026.7 うんみゃまそーら

うんみゃまそーら①

北海道から遠く離れた南国・沖縄に伝わる
伝統工芸、紅型(びんがた)染め。
鮮やかな色彩や
多彩な文様を特徴とする染色技法です。

海や花、動物など、
沖縄の豊かな自然とともに、
さまざまな文化が混ざり合い、
異国情緒あふれる紅型の世界に
キッズのこどもたちは興味津々!

この夏、自分が着たいTシャツを
紅型の技法で彩る体験に挑戦しました。

プロセス

  • このTシャツに注目!

    このTシャツ、夏っぽくてステキでしょ? 自分で染めた絵柄です。「ええー!」「すごい」「かわいい!」 普通に染めてもこうはできません。沖縄の伝統工芸の「紅型(びんがた)染め」という方法で作りました。沖縄に行ったことがある人もちらほらと。「はい!行ったことある!」「あったかいよ」 「ホテルにシーサーいた!」「ぼくもシーサー持ってる!」

  • 南国っていいねえ

    札幌もどんどん暑くなってきたので、今月は自分のTシャツをデザインしよう!沖縄といえば。南国特有の植物が生えてたり、北海道にはない動物たちも住んでいるね。「こんな赤い花あった!」「夏っぽいね」「ヤシの木、知ってる!」こどもたちが興味津々で、自由に発言していました。

  • どんな絵だろう?

    紅型染めの絵柄をよく見ると、南国の自然を描いた写実的な柄の他にも、本州や中国から伝わった古典柄なども混ざり「こんなにあるの!」「あ!これかわいい!」そういえば沖縄の方言で、まぜこぜのことを「チャンプルー」って言いますね。動物、植物、柄、魔除けのアイコン...紅型ではチャンプルー!好きなモチーフをひとつ選んで描いてみよう。

  • でも…描けないよ!?

    「かっこいい!」「すごくきれい!」と選んでみたものの、ふと「これ見て描けるかな!?」こどもたちの中では「そっくりに描きたい」という希望が多数でした。じゃあ今回は、トレースの技法を使ってみよう。透けるトレーシングペーパーを、絵柄の上に重ねると「よし!これなら描けるぞ!」

  • 絶対これ!

    「もうこれ以外は絶対ない!」と熱狂的に選ばれていたのが、龍の柄。男子たちを中心に大人気!さらに伝説の鳥、鳳凰(ほうおう)や、シーサーの絵も多くの子たちに選ばれていました。伝説の動物たちの姿って、すごくかっこいいよね!

  • お好みのお花はどれ?

    南国らしい植物のモチーフは、バリエーションも豊富でした。異国な雰囲気に「どれもいい♡」と、いろんな花の柄にチャレンジする子が多かった様子。自分で色まで塗って、Tシャツにしたいお気に入りのモチーフがもう見つかったよ!なんて子も。

  • トレースおもしろい!

    スタッフが予想していた以上にも、キッズのみんながトレース制作に没頭していました。小さな手でペンを持ち、なぞることに集中する4歳の子も汗びっしょり!その様子を見ていたお母さんが「集中すると汗がたくさん出るんです」と、すごい熱中ぶりでした。くねくね曲がる細かな線もたくさんありましたが、「いい柄いっぱいあるね!」

  • デザインを考えよう

    実際にいろんな絵柄を描いてみたところで、そろそろTシャツのデザインの話を。今回は紅型色や輪郭線の魅力がよく伝わるように、外枠の形と、中のモチーフの絵柄を組み合わせてデザインを考えてみます。「中の絵も組み合わせたいな」好きなモチーフをチャンプルーしよう!

  • 外枠選び

    直線、曲線、凸凹したかたちなど、額縁みたいないろんな外枠の形。「どれがいいか迷っちゃう!」中にどんな絵を描こうかなあ、と想像しながら、あっちの形こっちの形を見ていました。

  • 中のデザイン

    選んだ形の上に、オリジナルのデザインを考えていこう。「いえ〜い!」使ってみたいお気に入りモチーフを切り貼りしながら、レイアウトしていきました。「この形はこの辺に」「下にはあの形を入れたいから…」あれもしたい、これもしたいと考えるのは楽しい時間です。

  • 魔法の紙みたい!

    デザインが決まったら、切り貼りしたモチーフをなぞっていきます。ここではカーボンペーパーの登場です。外枠の紙と、切り貼りしたモチーフ紙の間にカーボン紙を挟み、鉛筆でなぞってみると…「なんで???」「写ってる!」「すごすぎ!」枠の中に黒い線が描けるのが、現代っ子のキッズたちにはまるで魔法のように見えるようです。

  • 細かい模様も

    「おもしろい!」「やるやる!」とノリノリで細かい絵柄も描いていきました。龍を選んでいた子は、龍の体にあるウロコまで、ていねいに描き始めました。お母さんも「こんなに描けるの?」とびっくりするほどの細かさです。自分の中の「かっこいい」像を描きたくて、夢中で描き進めていました。

  • 僕は自分で描くよ

    ”数字”と”ピンク”が大好き!というこちらの子。ピンクのペンで「100までがんばって書く」という5才さん。とにかく数字を書いて書いて、書きまくる!こんな紅型デザイン、かっこいい!新世代のネオ紅型Tシャツになりそうですね。

  • 配色計画

    キッズのみんなは想像力が豊かで、色までこだわりの表現をしたい子が多いようです。デザインができたら、もう配色の計画を立てはじめました。「どんな色にしよう?」大胆な色使いの子、色の組み合わせを悩みながらもじっくり考えていた子。どれもステキです!

  • 下絵完成!

    キッズのみんな、興奮状態で終了したこの回の制作。すごくおもしろい紅型染めになりそうですね!「来週持ってくるTシャツ、忘れないようにしないと!」とはりきっていました。

うんみゃまそーら②

紅型に伝わるいくつかの技法の中で、
キッズのみんなが体験したのは
「絞り出し」で描く技法。

材料をこねてのりをつくる工程から、
のりを絞り出して描くところまで、
一つひとつの工程を体験しました。
手に伝わる感触や、
素材の匂いもなんだか新鮮。

既製品を着るだけではわからない、
伝統工芸の技と素材のおもしろさを
五感で感じていきました。

プロセス

  • 「型のり」を作る

    紅型染めで目を引く、色のまわりにある白い輪郭線。これがあることで、染める時に隣り合う色が混ざらず、くっきりとした印象の絵柄になります。この白い線の部分は、染めている最中は、"型のり"と呼ばれる専用ののりで生地がマスキングされています。ほとんどの用具を手作りする沖縄の紅型染め。もちろんこの型のりも自分たちで作るすることができます。

  • のりの材料

    主な素材は、もち粉と、米ぬか。こどもたちは材料を紹介したとたん、もう興味津々。「お米の粉ってこと?」「お料理するの!?」「ぬかってなに?」「お米なのになんで茶色いの?」「きな粉じゃない?」「ぬかって言葉聞いたことある!」使われている材料が全て食べられる材料ということに驚きです。匂いも何だかおいしそうで、スタートからわいわい盛り上がりました。

  • 「のり」のもと

    もち粉と米ぬかを混ぜてじっくり蒸したら、粘り気が出てきます。すごく熱い作業なので、ここだけは事前にスタッフが仕込んでおき、蒸しあがってまだ温かい状態のものを、キッズのみんなでこねていきました。蒸したてホカホカの湯気に、ふっくらドーナツのような形。思わず「おいしそう!」「いいにおい!」の声が上がります。

  • 「うっきゃ〜!」

    冷めてしまうと固くなるので、こねやすい状態のうちに急いでボウルに移しました。ここに少しずつ水分を足しながらこねていきます。おいしそうな匂いがするし、まるで料理をしてる気分。数名で協力しながら、順番にこね作業を体験していきました。「わあ〜」「おもしろい!」だんだんのりの感触が変わっていくのがわかりました。

  • こねて、こねて

    実はこれ、30分くらいこね続けないと、良いのりにはなりません。すごく手がかかかる!次の制作もしたいので、それぞれの制作の合間に「じゃあこねてくるね!」「いってきます!」などと、できる子がこね作業を続けていました。はじめは硬いけど、だんだん柔らかくなっていくのがおもしろくて、やりごたえ満点なお仕事でした。これは明日のクラスのみんなが使うのりにしよう。

  • "型のり"を仕上げる

    ここからは、前日に作って寝かせておいた"型のりの素"を使って、それぞれ自分が使うのりを仕上げていきました。キッチンスケールで計量しながら、防染剤やグリセリン、水などを足して、のりの質を安定させます。「じゃ、計るね!」「やろう!」

  • まかせて!

    キッズコースの小さな子たちも、計量は「自分でできる」と頼もしい。キッチンスケールで量を計ることも、ビーカーで液体をはかることも、別の制作で何度も経験している子がたくさんいます。計ることは、こどもたちにとって楽しいお仕事のひとつ。

  • そして"もみもみ"

    全ての素材を入れたら、袋の口を閉じて、もみもみ。感触がおもしろいようで、みんな手を動かし続けて、すっかりきれいに中身が混ざりました。みんな、すごくお上手!これでやっと、紅型の「型のり」が完成です。

  • 紅型の絞り出し技法

    紅型の型のりの使い方にはいくつかの技法がありますが、今回キッズコースでは「絞り出し」の伝統技法を体験していくことに。ケーキのクリームのように、袋の先端からのりを生地へ直接絞り出し、Tシャツに模様を描きます。自由にのびのびとした線が描けるので、キッズのみんなにはきっとぴったりな技法です。

  • 線を描いてみよう

    うまく線が描けるかな?試しに型のりの絞り出しで、いろんな線を描いてみました。ゆっくり少量ずつのりを出しながら、直線を引いてみる。途中で曲がって、四角にする。さらに丸やうずまきなど、長く続く線を描いてみたり、隙間を均一にすることを体験。ぎゅっと絞り出しながら、思った通りの線を描くのはなかなかむずかしいものです。力加減や角度など、コツをつかんでいきました。

  • Tシャツに描く!

    型のりの扱いに慣れてきたところで、いよいよ本番。自分のTシャツに絵柄を描いていきました。 持参したTシャツはそれぞれ1枚だけなので、ワンチャンスのみ?! 「ちょっと緊張する…」「でも練習もしたし」「やってみる!」ドキドキの様子でTシャツにのりを置き始めました。

  • みんな真剣!

    型のりでの模様描きの最中は教室が静まり、心地よい緊張感に包まれる時間でした。それぞれ自分が描いた下絵に忠実に、手先に集中して描き進めていました。だんだん手付きも変わってきています。

  • いけてる!

    「みてみて〜!」と時折、うれしそうな声が。「最初はうまくできなかったけど、だんだん慣れて、花の形も上手にかけたよ!」うわあ、ほんとだ、すごくていねいに描いていますね!

  • 模様が細かい!

    絵柄が細かい子は、のりの線もたくさん描くことになりました。「ひえ〜!」と言いながらも、絵を減らしたくない!と最後までがんばっていました。

  • 次は色つけだ!

    制作の様子を見ていたお母さんたちから「おもしろそう」「いいな」という声もあるほど、のりで描く絵を楽しんでいたこどもたち。このまましっかりとのりを乾燥させて、次回はいよいよそれぞれの絵に色をつけていきます。「Tシャツ着るのたのしみだな〜」完成が待ち遠しい様子です。

うんみゃまそーら③

大豆からつくる呉汁、
もち粉と米ぬかを用いた型のり、
鹿の夏毛の筆など、
染めに用いる素材にも
自然の恵みが生かされています。

自然を描き、
自然から生まれた素材で染める。

紅型染めを通して、
沖縄の自然と伝統の知恵に触れ、
ものづくりの背景にある
豊かな世界を体験しました。

プロセス

  • こんどは豆?!

    自然素材をたくさん使う紅型の制作。次に登場したのは「お豆!?」「大豆じゃない?」大当たり。「豆好きだよ!」「食べていいの?」いえいえ、今回は色をTシャツにしっかり定着させるために、大豆のタンパク質を利用していきます。まずは一晩水につけてやわらかくした大豆を、すりつぶすしていこう。「やるやる!」

  • プチプチ、ごりごり

    大きめのすり鉢に入れて、少しずつ水を足しながら、大豆をすりつぶしていきました。はじめはすりこぎをぎゅっと押し付ける。たまにポロッと飛び出して「大豆が逃げた!」と大笑い。ゴリゴリとすったら、次の子にバトンタッチ。トロリとしたポタージュ状になるまで、けっこう手間がかかります。鉢を押さえたり順番に協力しながら、どんどん上手になっていきました。

  • ぎゅっとしぼって

    最後の仕上げは、ネットを使ってぎゅっと絞って漉して、出てきた液体だけを使います。これは「呉汁(ごじる)」と呼ばれるもの。のこりの搾りかすは「おから」です。 こどもたちは「これもおやつに使えるね!」などと料理に詳しい子が多いです。

  • 呉汁を計量

    この作りたての呉汁を、小さなカップに入れて、まずは10gずつ測ります。液体を量るのみなさん上手。

  • 顔料も計る

    そこに入れるのは、クレヨンや色鉛筆、絵の具などにも使われる色の素、「顔料」です。まずは絵柄の外側の部分に使う色をブレンドしてみましょう。「あか!」「みずいろ!」「かわいいピンク!」「絶対むらさき!明るめで」色にこだわりがあるみんな。これもカップにしっかり計量します。

  • 顔料と呉汁で作る絵の具

    計った顔料と呉汁を混ぜ合わせたら、紅型染めに使う絵の具が完成。「くんくん」ちょっとおいしそうなにおいも。大豆のタンパク質が顔料と結びついて、Tシャツの綿にしっかりくっつく「のり成分(バインダー)」になるんですって。シンプルだけど、自然の力を生かした紅型染め、おもしろい!

  • この筆、何の毛?

    さらに紅型染めには、ちょっと特別な筆も使います。短い毛が、2本の木にぎゅっと挟まれた形のこの筆。いつもこどもたちが使ってる筆は「馬」や「豚」の毛ですが、今回の動物は…鹿!しかも硬くて適度なコシのある夏の毛を集めたものとのこと。こんなに小さいけど、顔料を生地にしっかりこすり込めてすごく便利。生地の上をくるくると擦り付けるように使います。

  • 地塗り

    みんな鹿毛筆がお気に入りのようでした。デザインの中でもまずは一番目立つ、広い面の色からつけていきます。のりがついた部分の縁は、毛が短い鹿筆でぐるりと1色塗ると良いです。のりの部分が囲めたら、あとは少し大きな平筆やハケなどで塗ってもOKですよ。

  • コツコツ、丁寧に…

    ここは紅型染めの工房でも気が抜けない工程のひとつで、職人の腕の見せどころです。それがこどもたちにも伝わってるのか、いつも以上にていねいな仕事をしていました。絵の中にはみださないように…

  • 絵を塗り分ける

    引き続き鹿毛の筆を使って、絵の内側をそれぞれの色で塗り分けていきます。お好みの色を選びながら、色を変えるごとに筆をきれいに洗い、着々と鮮やかな色がついていきました。発色のいい樹脂顔料も用意しましたが、「すごい匂いがするー!」と苦手そうな子も。呉汁で作る昔ながらの絵の具と好みで使い分けながら、制作を進めました。

  • 早く着たい!

    全体に色がついたら、絵の具をしっかり乾かします。そしてそれぞれ家に持ち帰って、型のりを落としたら、きれいな白い線が見えてくるはず…なのですが、待ちきれず教室でもう試着してる子も!のりを落として完成したTシャツはこちらです。下の段をご覧ください。(画像をお送りくださったみなさんありがとうございます!)

さくひん

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