2026.6 ディーディーヂヂヂヂ

ディーディーヂヂヂヂ①

空を飛ぶためのムダのない骨格、
色鮮やかな羽根、
美しいさえずり…
何億年にもわたる
進化の積み重ねによって誕生した
多様な鳥たちの姿は
大人もこどもも夢中にさせる
魅力がいっぱい!

身近な札幌で見られる鳥から、
暖かな地域に暮らす鳥、
世界の希少な鳥たちまで。
こどもたちが大好きな鳥の姿を
立体で作るプログラムです。

プロセス

  • 鳥図鑑?!

    6月のトルネードは、まるで壁一面が鳥図鑑のよう!100種以上の鳥の資料をずらりと貼り出しました。こどもたちは教室に入ると「鳥!?やったぁ」「シマエナガいる?」「ウグイスは?」「え、ドードーもいるじゃん!?」など、推しの鳥がいる子もあちこちに。図鑑好きにはたまらない!スタートする前から、教室内が鳥の話題で持ちきりでした。

  • 鳥のことば、知ってる?

    朝早くから自分の家の周りで、鳥の鳴き声が聞こえるという子もたくさんいました。そういえば最近、鳥の言葉の大発見が話題になっていますね。「あー知ってる!すごい鳥語博士がいるよね」シジュウカラの鳴き声「ピーツピ」は警戒しろという注意喚起で、「ディー ディー」はあつまれ!の意など、鳥たちが言葉で会話していることが日本の若い学者さんによって証明されたらしい。

  • どの鳥を描きたい?

    ずらっと一覧で見比べると、それぞれの鳥の特徴がわかります。でも実際の大きさは、どのくらい?数字を見るだけでは今ひとつピンときませんね。そこで、鳥の体長を参考に、まずは実物大の絵を描いてみることに。大・中・小の鳥をピックアップして、グループ制作をしていきます。「はい、白鳥いきます!」「ハシビロコウ描きたい!」と熱意がすごい。

  • 鳥の体長とは?

    ところで。人間の場合は、立った姿勢の頭のてっぺんからかかとまでが「身長」とされていますよね。じゃあ鳥の体長ってどこからどこまでなんでしょう?「たしかに」「どこだ?」調べてみたところ、くちばしからしっぽの先までを計るのが一般的とのこと。「へーそうなんだ」「オッケー!」

  • 鳥研究、開始!

    この取り組みの肝心なところは「体長」ですから、各グループとも定規やメジャーを片手に、サイズを計りながらの絵画制作になりました。「私、算数が得意だからサイズを確認するね」「私は形を描くね」最近のジュニアコースでは共同制作する機会を増やしていることもあり、みんな協力して作ることに慣れています。メンバーの得意を活かして役割分担しながら進めていました。

  • 思ったより大きい!

    大型の鳥のチームは、実際描き始めてから、そのサイズ感を実感してびっくりの様子。「こんななの!?」「でっか!」まわりの子たちも「ええ−!すごい」と、その制作の様子を見てやっぱり驚いています。これ、描きききるのもなかなかの大仕事…でも「やるしかない!」と勢いをつけてがんばっていました。

  • ディー、ディー、集まれ!

    各グループの絵を切り抜いて、一箇所に集めてみました。おおお、図鑑ではわからなかったリアリティに「なんかおもしろい!」想像していたものと、目の前の様子がちがいすぎて「こんな感じだったのか」とこれまでのイメージが軽く覆されるような感覚に。「シマエナガが食べられちゃいそう」「ドードーでかすぎ!」「カラスが小さく見えるね」それぞれ気づきがあった様子。

  • リアルな鳥に挑戦!

    さて、ここからがこの月の本制作のはじまりです。ひとり1羽ずつ、立体でリアルな鳥を作ってみよう。もちろん実物サイズで!「えーどの子にしよう!?」「私はこれ!」「絶対この子!」 早くも目がキョロキョロ、こどもたちの鳥選びが始まりました。念を押しますが、立体制作は、さっき紙に描いた絵の制作の何倍も大変だと思いですよ。色や形だけではなく、サイズもよく見て選ぼう。

  • 実物大のスケッチ

    ワクワク感が止まらない鳥選び。それぞれ作りたい鳥が決まったら、自分の鳥の実寸大のスケッチをしておきました。サイズ感はもちろん、くちばしの形や羽根の特徴、目元や顔つきなど、このあとの制作のガイドにもなっていきます。

  • 芯づくり

    描いたものを参考に、紙を固く丸めて芯づくりをしていきました。芯がフワフワの状態だと、次回以降の作業が進めにくい。紙をしっかり押しつぶして、マスキングテープでぐるぐる巻いて、さらに麻ひもでギューっと締めていく。「締めながら巻く」って、こどもたちにとっては意外と大変な作業です。

  • 大きいのが好き

    「なぜか大きいものを選んじゃうんだよー」というこちらの子。選んだタンチョウは、なんと体長140cm、わー!「たいへんなのわかってるのにー」と言いながら、実にウキウキ楽しそうに作っていました。でもその気持ち、ちょっとわかる。挑戦してみたくなりますよね。

  • やっぱりむずかしい

    麻ひもをぐっぐっとひっぱりながらぐるぐると巻き、できるだけ中の隙間をなくしていきたい。はじめのうちは「巻いてるのに、紙がまだふわふわする」と言う子が多くいましたが、何度も繰り返すうちに、徐々に隙間が減っていきます。「よし、ここでひっぱる!」とだんだんコツをつかんでいました。

  • まだいける!

    ただ締めるだけではなく、それぞれ自分の鳥のスケッチの形に近づくように工夫しながら作っています。後半になると、固く締まる感覚が体ではっきりとわかるようになった様子。顔を真っ赤にしながら「もっと丈夫にするぞ!来週のために!」と言いながらがんばっていました。

  • 「もう1羽!」

    はちどりなど、小さな鳥はやっぱり作りやすかった様子です。早々と1羽めを作り終えると「もう1羽つくる!」と、どんどん家族を増やしている子もいました。

  • どんな鳥になるかな

    芯づくりの時点で、それぞれの手応えを感じていたこどもたち。中には「え…いい感じじゃない!?」と自分でびっくりしていた子も。鳥のふんわり丸いお腹もしっかり表現できて、うれしそうです。 早く温かい羽根をつけてあげたいですね。

ディーディーヂヂヂヂ②

大小さまざまな鳥を
「リアルサイズで作りこむ!」
流線型の体のカーブ、
しっぽやくちばしの形、
羽根の重なり…
こだわりポイントが満載です。

目にビー玉を埋め込んでみると、
「見て!この眠たそうな目!」
「かわいいなあ」
「おなかが丸くできた」
「名前つけたよ」
作れば作るほど、
こどもたちの愛情が増していきます。

プロセス

  • 注目!

    みんな楽しみにしていた鳥の制作の続きです。生き物の体の中でも、目は生命感たっぷりのパーツ。この制作でも、大きなポイントになりますよ。まずは鳥の目がどうなってるのか、みんなで映像で見てみました。「きゃあ」「目だけ見たら、こ…コワイ!」「あんなにかわいいのに?」「鳥もまばたきするんだ!」いろんな発見がありました。

  • 鳥の目をつくろう

    あの生命感を出したい…目がキラッとしていると、まるで魂が宿ったように生き物らしくなりそうですね。 目玉の素材に、透明のガラス玉を使ってみよう。「わあ〜!」「本物のガラスだ」「キラキラ!」 自分の鳥にピッタリなサイズの玉を選びました。さらにこのままだと、表面にペイントしても剥がれ落ちてしまいますから、ガラスプライマーという下地材を塗りました。

  • 次は粘土だ

    前回作った鳥のからだの芯材に、粘土で肉付けをしていきます。こどもたちからは「いえ〜い」「やった!」「粘土だ!」という声が。しかも今回使う粘土は、ちょっと本格的。紙粘土よりもキメが細かくて、適度な重みと硬さがある石粉粘土です。「どんな粘土なの?」実際に手で触れて、感触を確認しました。

  • か、かたい!

    使いはじめは、パン生地をこねるように練って、柔らかくしてから使います。 こねることで粘土の水分が均一になっていきますからしっかり体重をかけながら作業しましょう。 「固い!」「全体重をかけてるのに潰れないよ!」体の使い方をあれこれ工夫して「やっと柔らかくなってきたー」

  • 石粉粘土って

    手の中でコロコロ丸めてきれいな球を作ってみました。きれいに作るのは難しいと思いますが、石粉粘土は乾燥後に削ったり磨いたりすることもできる、本格的な彫刻に向いた素材です。でも「あれ?ヒビが入ってきたよ」「水分が減ってきた!」紙粘土などと同じように、水分調整がとても大切で、扱い方にコツがいります。ちょうどいい触り心地を覚えて、感覚的に水分補給ができるようになると、とっても使いやすい素材のはず。

  • 「ツルツルにできた」

    それでも小さなヒビができた時は、水で濡らした筆で表面をなでてみると、この通り。 繊維質が入ってない粘土なので、水分で溶けて、隙間になじんでいきます。さらに石粉粘土は水分が飛んで乾燥した後に、ほぼそのままの形で残るのも良いところ。紙粘土のように縮んでヒビが入る心配はありません。今回の制作のようなリアルな表現を目指す制作にはすごく向いています。

  • 肉付けをしよう!

    さて、粘土の扱いのポイントがわかったところで、お待ちかねの鳥の体の制作です。まずは目の位置を決めて、プライマーを塗ったガラス玉を埋め込んでいきます。鳥もまばたきをするということは、まぶたがあるということ。ガラス玉の上から薄い板状の粘土を乗せて、いったん覆い被せてしまいましょう。固いコロンとした手応えを確かめておきましょう。

  • 「目があいた!」

    そして細いヘラで、粘土に切り込みを入れていくと…「目があいた!」ガラスが見えると、もう完全に生き物の目!リアルな生き物感に、こどもたちが大興奮でした。「きゃー!かわいい!」「ねむそうー!」中には「これから手術しまーす!」と張り切って切ってみても、「あれ?目玉はどこだ?」なんて行方不明も多発。おもしろい体験でした。

  • 全体の肉付け

    頭まわりにも肉づけをしみたら「ちょっと怖いくらいリアルじゃない!?」ここからはもう、勢いに乗ったこどもたちが自分のペースで制作をぐんぐん進めていました。薄く伸ばした粘土で鳥の芯を包むように、全体に大まかな肉付けをしていきました。表面をていねいに撫でてツルツルにしながら「エステしまーす!」なんて子も。

  • 特徴が出てきた!

    全体に粘土がつき、姿形が見えてくると「鳥っぽい!」「か…かわいい」愛着が湧いて、名前をつけはじめる子も。「もっと似せたいな」という子たちも多く、羽根の厚みを凸凹で表現したり、尻尾の形を整えたりしながら、それぞれの鳥の特徴を作り込んでいきました。

  • 体にある凸凹を表現する

    細かな作業が得意な子は、ここから本領発揮!という集中力で、ディティールの作り込み。絵と違って、全て粘土の凸凹での表現になります。薄く伸ばした板に、筋をつけたり切り込みを入れたりしながら、翼の質感を作っています。すごくリアルになってきましたね!

  • リアルな質感

    粘土を水で溶かした「どべ」も、その手触りの良さから「これすごくいい。ずっと使っていたい」とすごく人気でした。こちらの子は「これでふわふわの毛ができる」と発見した様子。ドロドロのどべを表面につけて、わざと毛羽立った感じにすると、やわらかな鳥の羽根の質感が出てきたんですって。手つきがまるで職人のよう!

  • 道具探し

    その他、歯ブラシや目打ち、クシなどの道具を使って跡をつける工夫も。自分のしたい表現に合いそうな道具を見つけるのは、楽しいですね。「これ使える!」きれいな流線型の体に、羽根の重なりの凸凹、そしてほんの少しの筋をつけると、毛並みまでリアルな鳥になっていきました。

  • めっちゃインコだ

    実際に小鳥を飼っているというこちらの子、さすがのリアリティ!と感心してしまいました。毎日見ているだけあって、くちばしの独特の形や特徴がよくわかっている様子。制作のこだわり方も、すごく深い。自分で再現してみて「めっちゃインコになった!」

  • 超大型の鳥は…

    各クラスには小鳥だけではなく、ビッグサイズの鳥を選んだ子たちもいます。頭部だけは粘土で作り込んでみましたが、ボディは…どうする?! 小鳥たちと同じ制作ではたいへんだと判断した子は、各自で技法を工夫しながらがんばっています。例えば先月のガムテ彫刻で得た技術を生かしたり、張り子の技法にしてみたり。タンチョウヅルの細い首には、丈夫な紙の芯を選ぶなど、それぞれ実に良いチャレンジをしていますよ。

  • 大事にしたい

    前回同様、終盤になればなるほど、自分の作品に対する愛着がさらに増していく様子。「お腹が丸くできた」「かわいいなあ」「小顔ちゃん」 「ごはんもどうぞ」餌まで作ったえり、「この子重たいんですよ!」と言いながら、教室の中をずっと大事そうに持ち歩いている姿も。ペットを愛でるように仕上げていました。ではここからいったん乾燥させて、次回はペイントだ!

ディーディーヂヂヂヂ③

観察すればするほど見えてくる
鳥たちの不思議な魅力。
体の丸みは…
羽根の色は…
目元の表情は…

大きな鳥の、堂々とした存在感。
手のひらに乗せた小鳥たちの愛らしさ。
教室中のこどもたちが
それぞれの鳥を抱いて、
せっせとお世話をするように
最後の仕上げに取り組みました。

プロセス

  • 全体の仕上げだ!

    すっかりカラカラに乾いている鳥たち。いよいよこの回で仕上げとなります。石粉粘土は、この状態からでも、削ったり付け加えたりできるのが良いところ。みんな「もっとリアルな質感に近づけたい」とやる気満々です。ここからの制作におすすめのどうぐを紹介していきました。

  • いろんなやすり

    鳥といえば羽根のふわふわした質感に目がいきがちですが、くちばしや顔まわりの短い毛などつるりとした見た目のところも大事なワンポイントになります。スポンジ状のやすりで凹面を整えたり、棒状の細工やすりで段差をつけたり、大きく削りたいところには網やすりもおすすめです。

  • めうちも使える

    普段は手芸や裁縫で使う「めうち」も、細かな部分を彫り込むために使えそう。掘るように線を描くと、小さな羽根の重なりが表現できました。毛並み感も作りやすいようで「これ、いいね!」

  • 粘土・どべを付け足し

    「まだ凸凹が全然足りない!」という時は、石粉粘土を付け足すことも。特にたっぷりの水で溶いた「どべ」は、ヒビ埋めや段差の修正に使いやすい様子。でもたっぷり使いすぎると、これから塗る絵の具と混ざって色が白っぽくなります。強い色が欲しい人は使う量に注意が必要です。

  • 凸凹があっても

    途中、「がんばって凸凹をつけても、色を塗る時に大変になるのでは?」という声が。先の制作が見えていてさすが!の質問です。でも今回はそんなみんなにぴったりの秘策があるんです。ポイントは絵の具の水の量。粘土に「染み込む/染み込まない」をコントロールしていきます。

  • これ、いいかも!

    実際に試してみると…水を多めにして薄めた絵の具は、凹みにもじわあ〜と染み込んでいきました。さらに凹みにたまった色と、表面の色に差ができるため、1色の絵の具でも凸凹感を引き立たせてくれています。ついでに「絵の具の水が多いと、他の色とグラデーションもつくりやすい!」なんて発見も。

  • 部分によって色を調整

    逆に水分をうんと減らして、敢えて乾いたブラシを使う「ドライブラシ」という技法もおすすめです。こちらもちょっとしたコツをつかめば、色と色の境目を自然な感じに馴染ませることができます。特に今回のような鳥の毛並みを表現するのに、筆跡はぴったりかもしれません。もちろん「染み込む/染み込まない」のハイブリッド技法もOK!

  • だんだん見えてくる

    大きな作品の子は特に、まずは下地になる大まかな色を塗り分けてから、細部の色をつけ足していました。鳥の資料を改めてよく見てみると「全部同じ色かと思ったらちがう…」部位によって色の移り変わりがたくさんありました。「これって何色?」体のあちこちにグラデーションやなんとも言えない色味が隠されていたようです。

  • 色の明暗でも

    こどもたちの色作りのこだわりは、グラデーションだけではありません。青い体の鳥でも「1色だけじゃない。なんか凸凹してるように見える」と、明暗のある青を塗り重ねていき、羽根が重なっているような表現をしていました。羽根の重なりのような奥行きが出てきて、大発見!

  • がんばりどころ

    多くの子たちが最後まで手をつけずにいた箇所は、「目」でした。終盤になって「よし、やるか。」「きんちょうするな…」など、制作疲れが出る時間のはずですが、改めて気合を入れ直して挑んでいました。「ハイライトを入れたい!」「小筆にしないと…」すごく小さな部分ですが、ここは大きなポイントです。

  • 「目が光った!」

    「失敗した〜」なんて声もありましたが、白絵の具で上塗りしたり、粘土を削ったりして、納得がいくまでやり直すほどのこだわりよう。さらにぷっくりと膨らんだ目を引き立てるためにニスを塗り重ねて「キラっとした!」生き生きとした姿に大満足。目の周りのちょっとした段差や質感の違いが、リアリティを高めていました。

  • もっともっと!

    どんなに小さな鳥でも、作れば作るほど、細かな羽根の色の違いや、くちばしの質感などが気になってくる様子。「ここも作りたい」「あそこもペイントしたい…」「形ももう少し付けたそうかな?」と、まるで沼にはまっていくような制作でした。特に高学年の子たちは、延々作り続けられそうな粘り強さ。

  • それぞれの存在感

    大きな鳥は「我、ここにあり!」といわんばかりの堂々とした存在感。その一方で小さな鳥たちは「手のひらに乗せたい!」と、ちんまりとした愛らしさがたっぷりです。リアルサイズの鳥が完成してくると、教室中のこどもたちがそれぞれの鳥を抱いて、せっせとお世話してるような不思議な様子でした。

  • 愛情たっぷり!

    鳥がとまっている木の実を再現する子もいました。木の実を咥えさせて「おいしいよね?」と声をかけたり、よしよしと抱いたり、それぞれ自分が作った鳥が、もうかわいくてたまらない!すぐにでもお家に連れて帰りたいところですが…訳あって鳥たちはしばらくトルネードホテルにお泊まりになります。次会える時をお楽しみに!

さくひん

アートスクール・トルネード

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