
このプログラムのテーマは目。これって誰の目?アップで撮影して、お互いの目を見てみました。「うわ〜」「自分はどれだろう?」次々に見てみると、まずまぶたの形がいろいろ。さらに瞳の色やまつ毛の生え方、量も長さもずいぶんちがいます。

目を細部まで観察して、どんな表現要素があるのかを研究していきます。鏡を覗き込んで、自分の目をまるで他人のもののように見てみると…えっこんな感じだったっけ?と発見が。特に高校生がまじまじと見て「おもしろい!」

さっそく鉛筆で下絵制作。細部をしっかり描くため、画面の中に、どーんと置いていきましょう。どんな特徴?と聞いてみると、「寝不足だから片方が二重なんだよな」「まつげがなぜかストレートで」など、自分の目についてあれこれ言いながら、興味たっぷりな様子。

大まかな構図が決まったら、透明水彩の登場。少しずつ色を重ねながら、全体に色をふんわりとのせていこう。明るい色から重ねて、徐々に深い色味も足していくのがコツ。透明水彩はどんどん暗くすることはできるけど、明るくすることはできないので気をつけて。

白目といっても、実際には白いわけではない。「白い」と思い込んでいるとなかなか勇気がいりますが、実際に色をおいてみると「このくらい色を入れていいんだ!」とはじめて実感がもてる様子。

そもそもみんなの”眼球”は、球体ですね。丸いものが、まぶたで包まれているのが私たちの「目」です。球体は陰影で表現しやすいので、それを意識しながら色味を工夫していくと…瞼の中に、丸いものがおさまっているようにちゃんと見えてくる。

黒目を描くのには、なかなか手こずっていました。まわりのものをよく反射する部分なので「目が迷う〜」「その下に何があるかよく見えない!」でも実は、むしろそこが描きどころ。よく見えないものは、よく見えない通りに描くのがコツ。見えたり見えなかったりする通り、そのままの色や形を画面にのせてみると、光沢や何かが映った瞳ができてきました。

目の中の色も、肌の色も、絵の具のチューブそのままの色はありません。複数の色が何層にも重なっているような不可思議な色合い。緑や青などの意外そうな色も、「使ってみたいけど、どうしよう!?」うっすら重ねて入れることで深みが出てくるので、実験を重ねながら試していきました。

まつ毛もよくよくみると、生え際と先端の太さがちがいます。細かい作業になりますが、ここはがんばりどころ。ペンを使って、1本ずつシュッとはらうように描いたり、柔らかい鉛筆をぎゅっと強く使って描くなど、いろんな工夫がありました。

色の幅が広がり、深みが増すと、生々しいリアリティが出てきます。眼球の透明感や、濡れている質感の表現にもチャレンジして、手応えが大きかった様子。いろいろと工夫しながら描く中で、粘膜のハイライトがとても効果的だったり、コントラストを強めることが効果的だった、という発見も。

出来上がった作品を並べてみると…お互いの作品を見ながら「ここすごい!」「なるほど」と発見がたくさんあった様子。中には「ここが必要だったのか!」と、最後にワンポイント描き足す姿も。体の中のほんの小さなひとつのパーツなのに、見どころ・描きどころがいっぱいの、魅力的な「目」の制作でした。

前回は自分の目を詳細に描画して、いろんな表現ポイントがあることを発見をしていきました。今回はその真逆で、できるだけシンプルなところから表現を組み立てていきます。丸、三角、四角の形を使って「目」を表現すると…人はどの時点で目だと認識するんだろう?

切り抜いたパーツで、即興的にコラージュしながら、いくつものパターンを作ってみます。何気なく手に取ったパーツをヒントに、他の形を組み合わせて…さっそくみんな手を動かしはじめました。

自分の使いたいサイズに切って、必要数作っていきます。中には「こっちの面も使えるね」と、黒い紙の裏側の白も組み合わせはじめた人が。白が入ると、バリエーションが一気に広がっていきました。

はじめのうちは、いわゆる記号的で、誰もが「目」だと認識しやすい形が多く出ていましたが、たくさん作っていくうちに、みんなあれこれ表現を工夫しはじめました。「これは…目だろうか?」と思うようなギリギリのものまで、表現を拡張していきました。

できたものは1点ずつデバイスでデータを残していきました。自分の好みのバランスを見つけたり、意外な発見も多々あった様子。数をこなしていくと「これもとりあえず撮っておこう」と、手も頭もどんどん柔らかくなったようです。

テーブルの上に、たまたま集まっていたパーツのパーツ。ふと見ると瞳のように見えてきて 「これでも目なんじゃない?!」もうみんなの脳が完全に「目」を探すモードになっていますね。いい感じ!

ここまでに作った「目」を、いったん集めてみることに。みんなで並べて見てみると、あの手この手でいろんな目が表現されている。「ああ、こんなアイデアもあった」「すごい目があるねえ」「あれ、おもしろい」など自分にはなかった切り口を発見できました。

ここまでは白黒の面の表現だけでしたが、「まぶた」「瞳」「大きさ」などで、視線や印象がコントロールできることがわかりました。さらにここからは、針金やひも素材も追加して、目の表現の可能性を広げていきます。線を表現できる素材が加わると、どうなるかな?

面や線を使っているうちに「昨日歴史の勉強でシュメール人について調べてたら、こんな目の人物像を作ってたよ」と、円の周囲に、針金で丸い線をぐるり。おおお、確かに!何千年も前の人間は、すごく大胆。どこか愛らしい印象なのは、瞳の大きさでしょうか。

こちらの人は「目といえば、この作家が大好き!」とスマホで検索。見せてくれたのは、フランスの画家・ルドン。ルドンの作品には、目がシンボルとして頻繁に登場します。ちょっと不気味な不思議さがあり、一度見ると忘れられないですよね...

素材が増えて自由度が高まったことで、いろんな目の表現が思い起こされた様子。バリエーションが増えてきたので、みんなの作品を再度集めてみることに。かなり具象的な目から、抽象度の高いものまでさまざま!中には、目だけで「感情」が伝わってくるものもあります。

実にたくさんのアイディアや着目点があって、見ているうちに「この目、好き」「これは生々しい」「人じゃない感じがする」など、いろんな声がありました。形の配置や太さ、大きさを少し変えるだけでも、印象を自在にコントロールできることがわかった様子。

さて、ここからが本制作。「目」は古くから、世界各地で特別な意味を持つ象徴として表現されてきました。「ホルスの目」や「プロヴィデンスの目」のような、自分の身を守る、または幸運を招くなど、不思議な力を持つ目を作ってみよう。

さっそくラフの制作で「これは楽しい」と手を動かし始める人、「どれにしようかな!?」と迷い始める人。ここまで、たくさんの「目」の表現で方向性が広がったので、今度は絞るのが大変!?作品を複数作るのも良いですね。

こちらの方は「とにかくこういう目が好きなんです」と、目に対する強い理想がある様子。めちゃくちゃうまい!見る人を夢中にさせるくらい、魅力たっぷりの目に仕上げてくれそうです。

「テレビのカラーノイズから目が出てきたらちょっと特殊だよね」と、まわりの環境から、不可思議な力を感じさせる目を描き始める人も。現代っ子たちが素で自由に発想しはじめると、すごくおもしろい!

こちらも「ゲーム画面みたいなモザイクの方法で、リアルな目ってできるかな?」と挑戦中。白の入れ方が工夫されていて、キラリと光る、うるんだ目。すごい!

この回はずっと”目”の制作をしていたせいか「あれも目にみえる」とスマホのカメラを指さしたり、「これも!」「こっちにも!」もはや身の回りのあちこちに目があるように見えてきてしまう様子。次回は「魔力をもった目」を仕上げていこう!

プロビデンスの目、ホルスの目、弥勒菩薩の目…古くから世界各地で「心の窓」や「真実を見抜くもの」などの象徴になっていた「目」。ラボのみんなも、だんだんそれぞれ好みの目がはっきりしてきたようです。どんなミラクルな目に仕上がっていくのか、楽しみですね!

絵の中で使う色は、特別な印象を作ることができます。普通の絵の具セットに入っていない金・銀などのメタリックカラーや、蛍光色なども使って、質感をプラスしたり、目に飛び込んでくる効果を加えてみたりもいいですね。

直線・曲線を描く際に便利な、定規やテンプレートをいろいろと揃えてみました。これがあると、迷いのないまっすぐな線が描けます。あえて手描き感を残すのも良いですが、キリッと整った印象や人間ばなれした目の表現には、これらの道具が活躍する場面もあるかもしれません。

「文字」と「目」を組み合わせるというアイデアで進めているこちらの方。使っている文字は「魔力」の旧字体だそうです。言葉とビジュアルがだんだんと交わっていくのが「楽しい〜」と、どんどん手が動きます。やる気!

こちらは、目の「印象」を熱心に研究していました。瞳の色、まぶたの開き具合、それぞれに候補を書き出して、選択したものの組み合わせでさまざまな目を試していました。一気にいろいろと試せて、シリーズ化もできそうな勢いです。

さらに制作が進んでからも、紙で切った丸を置いて、ハイライトの位置も念入りに検証。白い丸が置かれる位置によっても、印象がかなり変わることに気がついたようです。そして「瞳の中に映るもの」の検討も行なっていました。研究者気質。

こちらの方からは前回「これで描きたい!」とデジタルツールでの制作の相談が。今回、画材の代わりにデバイスを持参していました。目の形にこだわって線を修正したり、色や効果を何度も試せるのがいいようです。使い慣れているようでサクサクと進みます。

「これどうやって描いたの?」と、教室内で感嘆の声が。作品をまじまじと見る人が多数。色鉛筆で丁寧に色を重ね、ポスカで部分的に重ね描きして仕上げた目…線、色、強弱、全てにおいてかなりのこだわりが感じられます。魂がこもっている…

できたものから壁に展示していくと、障子じゃなくて「壁に目あり」の状態。ひとつひとつが工夫されているのがおもしろくて、こちらの目もロックオン!ついつい見つめてしまうほど、刺激がたっぷりです。

1作品ができたら、すかさず「次はちがうタイプを描いてみる!」と2枚目の制作をする人も。「目」というテーマで、いろんな表現ができることを楽しんでいる様子でした。

左の瑞々しい瞳の作品をあっという間に描き終えたと思ったら、2枚目は全然違う不気味な目!今年中1でラボになったみんなも、もうすぐ一年が経とうとしています。表現することにてらいがなく、ずいぶん幅も広がったなあと感心。

「いい感じに描けた」「まだ描きたいものがあるけど…」「時間がない!」教室のあちこちでいろんな声があがりつつ、壁にはどんどん作品が増えていきました。各自の好みや画力が注ぎ込まれ、感情やメッセージ、時には魔力のようなものまで感じる、まさに「目力」のある作品だらけ。

他の人の作品を見るのもすごく楽しい様子ですが、実はできた作品からどんどんスキャンしてデータ化する作業も進められていました。Mac上で丸いテンプレートに画像を重ねている理由は…

大きめの缶バッジにするためでした。絵の状態ではあまり人に見てもらう機会がありませんが、こうやって缶バッジになってバッグや服につけて歩けば、お友達にも、道行く人たちの目にも止まるかも!? 早い子はバッジメーカーを使って自分で製造。機械があっても、ひとつずつ手作りです。

ぐるぐる、チカチカ、にゅる〜ん、ピカッ!目だけの缶バッジがたくさんできました。すぐに持ち帰りができた人もいますが、ひとつひとつに時間がかかるため、次回のプログラムで持ち帰りになる人も多いです。お楽しみに!

こちらは緑のバッグにつけてみた、赤い目。補色効果でさらにインパクト大!これは遠目でも「見てるよ」感がありますね…目立つことまちがいなし。ぜひこの目力を道行く人たちに見せつけてください。