
年明け1月の制作では、縁起物の"午"にちなみ、「馬」をテーマに制作していきます。5〜6年生の子たちからは「わたし午年!」の声が。年女さん・年男くんたちが、たくさんいました。そしてさすが北海道、実際に乗ったり触ったことがある子が多く、馬は「かわいい」「優しい」と、こどもたちに大人気。

馬は、人間社会で昔からとても大切な仕事をしてきました。人々の暮らしの身近にいたこともあり、古くから馬のおもちゃや工芸品もたくさん作られています。奈良の埴輪馬、青森の八幡馬、高知の出世馬などなど、各地の馬の姿を見比べるのもおもしろい。

外国にも目を向けてみると、馬にまつわるいろんなラッキーアイテムが。中でも北欧の「ダーラナホース」は素朴な木彫りのボディに、なんとも愛らしい鮮やかなペイントで、今ではあちこちで目にする機会があります。スウェーデンのダーラナ地方発祥で、もともとは木こりたちが冬の間に余った木材でこどものおもちゃのために作ったのがはじまりとか。

このプログラムでは、木を切ったり削ったりしながらダーラナホースを自分の手で作っていきます。とはいっても木こりさんのように木の塊から作るのは大人でも大変なので、複数の板を重ねて積層構造で作っていくことに。まずは側面から見た馬の全体像をスケッチ。馬をリアルに知っている子は、躍動感のあるポーズもすんなり描けていて、すごい!

馬の形はのこぎりでカットするので、なるべく直線の方が切りやすい。自分で描いた馬の形も、できるだけ直線に置き換えていきました。線の数だけ自分でカットしていくことになりますが…高学年の子ほど、のこぎりで切れるかどうかをリアルに想像しているようで、無理なくシンプルな形に落とし込まれていました。

今回、板はこどもたちが切りやすい厚みのものを用意しました。これを3枚重ね合わせることで、馬のボディにちょうど良いくらいの厚みになります。今度は馬の体を真横からだけではなく、正面や後ろから見たところを想像して、それぞれの板をカットする形を考えます。

少しややこしいので、いったん型紙を起こしてみることに。まず左右の2枚の板は、はじめに描いた真横からの形と同じでOK。間に挟まる板は、耳や足がなくなって、代わりに尻尾を生やして…おやや、頭が混乱する?!型紙を切り抜いて重ねながら、構造を理解していきました。

さらに木材と同じ厚みのスタイロフォームに、切り抜いた型紙を当てて、立体の模型を作ってみます。計画したものが立体で見えてくると、完成像に近づいて、かなりリアルな調整ができるはず。型紙を写したら、のこぎりで形を切り抜きます。

スタイロフォームは軽くてやわらかいので、のこぎりもスイスイ。ただし刃の角度によっては、断面が思うような形に仕上がらないので注意が必要。ジュニアはのこぎりの扱いにも慣れている子が多いですが、今一度セッティングや姿勢など基本的な使い方をおさらい。

切り抜いた形を合わせてみると、馬の立体の形がはっきりと見えてきました。「やったー!」いろんな馬の姿が。まだ模型の段階ですが、早くもなかなかの手応えがあったよう。自分の想定通りの形にできたかな?

立体にしてみて「あ、そっか!」と気づくことも多い様子です。「あれ?耳がおかしいな」「足が8本になってる!」「なんだかバランスが...」実際に見て触って確認しながら、それぞれ模型の修正をしていきました。

今度は断熱材が型紙になります。修正した形を板になぞって、カットする線を決めていきました。今回はここまで!と思っていましたが、スムーズに制作が進んだ子は、木の板のカットまで進められていました。

断熱材をカットした後だとなおさら、木がとても固く感じる様子。切る前にしっかりと台に固定する必要がありそうですね。のこぎりを動かす時はできるだけ力を入れず、軽く当てて動かすことも大事。次回、じっくり続きをしよう!

木の板に写し取った、みんなのこだわりの馬の形。のこぎりで切って、立体の馬にしていきます。凸凹した形を1枚1枚切るのはたいへんですが、3枚合わせて、最後にどんな形にしたいのかを想像しながら切っていこう。

それぞれの作品には、多少ずれてもそれほど気にならない部分と、できればぴったり合わせたい部分があるはず。直線、曲線が入り混じり、切りやすい部分と、見るからにむずかしそうな部分がある様子。道具の使い方を再確認して始めよう!

「押さえはしっかり。でも力まずに切る。」トルネードの木工では、繰り返し伝えるフレーズです。これがしっかり身につくと、スイスイ楽に切ることができるようになります。たまに自分の体の状態を確認しながら進めよう。

つい刃物に意識がいきがちですが、まずは板をしっかりと押さえておくのがとても重要。これは経験してはじめて理解できるようです。しっかり固定せずにグラグラした状態で切っていた子も、クランプで固定してみると…「こんなに違うの!?」と切りやすさに驚きます。

無理な力が入ると、だんだん体がななめになってきます。すると刃の当たり方が変わり、切り口も思う通りには進みません。基本は、切りたい線に対して自分もまっすぐに構えること。その姿勢が安定している人は、やっぱり早くてうまい!

トルネードではキッズコースからのこぎりを使い始めるので、ジュニアの高学年になると、もう何度ものこぎり制作を経験しています。自分の判断で進め、計画的に切り終えることができる子もたくさんいます。頼もしい!

細かい部分がある人は糸のこも使い、みんなどうにか切り終えることができました。おつかれさま!全てのパーツが揃ったら、重ねて形をチェック。これから金やすりやパテなどで修正ができますので、それぞれ自分の作品の状態を細かく確認しました。

板の張り合わせには、木工用ボンド。いろんな場面で登場しますが、扱い方のコツをおさえると、ものすごい強力な接着力があるんです。まずはサンドイッチのパンに塗るバターのように、まんべんなく接着面に薄く塗り広げます。

位置を合わせた3枚の板を重ねたら、まとめてぎゅっとクランプで圧着。これがプロも御用達の木工用ボンドの使い方。多少板が反っていたとしても、この方法なら隙間もなくなるので全く問題ありません。

3枚合わせた状態で、全体の形をみながら形を整えていきます。金やすりを使うと、切り口の多少のズレはすぐに修正できます。お好みで、角を丸めたりもできますよ。でももし、どうしても修正できない凹みが見つかったら…

穴を埋めるための”パテ”を使います。今回は壁の下地用のパテで、クリームみたいな質感。これをヘラで気になる隙間に埋め込み、乾燥させます。柔らかく滑らかなペースト状なので、扱いやすい様子。

本当に、形もさまざまな、みんなの馬!やっと立体になりました。この時点で、何とも愛らしい佇まい。次回はいよいよ全体のペイントが待っています。色や模様がどうなるか、楽しみですね。

前回制作した馬は、ボンドがしっかり固まっていい感じ!この回はいよいよペイントが始まります。その前に少しだけ下ごしらえを。全体にやすりがけをして表面を滑らかに整えていきます。この一手間をかけておくことで、ペイントがすごくスムーズになります。

紙やすりは、角材などブロック状のものに巻いて使うと、使いやすくなります。平らな面でこすることで、作品の出っぱっている部分を特に削ってくれます。ガサガサしていた表面も「けっこうスベスベ!」とこどもたちのテンションがあがっていました。

まずはベースの色選び。ダーラナホースでひときわ目を引くのは「赤」ですが、もともとこの地域でたくさん採掘できた顔料が、銅からできた赤だったそうです。赤には”幸福・情熱・愛"などの意味が込められていました。そこから白=平和、青=冷静、黒=強さなど、色ごとの願いが増えたのだとか。

みんなの馬はどんな色にする?ペイントしやすい表面になった子から、さっそくぐるりと全体を塗っていきました。立体物なので、ちょっと塗りにくい部分もありましたが、ここはできるだけ薄く、均一に。塗り残しや、すきまに絵の具のかたまりができないようにチェックしながら進めていました。

ダーナラホースといえば、クルビッツ模様!一見、どうやって描いてるのかな?と不思議に感じる模様ですが、こんなふうに1本の筆に複数の色をつけて、グラデーションを描いています。「すごい!」「きれい!」

「あんなにきれいにできるかなあ?」と半信半疑のこどもたちですが、まずは紙に描いてみることに。筆に好きな2色をつけて、かるく穂先を整えて。ドキドキしながら描いてみると...「おおお、できた!」「意外にいい感じ!」と楽しそうな声が。「もう作品に描きたい!」「できそう!」

下地の色が乾いていることを確認して、馬のボディに模様を描きこみはじめました。みんな感覚的に、すいっすいっと即興的に筆を走らせて、その滑らかさを楽しんでいる様子。トルネードの子たちは、絵の具の扱いに慣れていることも大きいですね。

思い切って大きな花を描いたり、大胆な補色を使ってみたり。一発勝負ですが、ほとんどの子にてらいがありません。のびのびとした自由な模様が展開され、一気に華やかな雰囲気に!

教室の一角で「なんかすごくかっこいい!」とざわめきが。のびやかな線が、さまざまなカーブで描かれています。このカラーリングと模様は、どこかエキゾチックな雰囲気があって目を引いていました。グラデーションに、自然と深みや立体感が出る色を選んで大成功ですね。

ごく細かい模様を描きたい部分は、耐水性のペンなども使って描き込みを。それぞれ自分好みのダーラナホースに仕上げていきました。植物モチーフ、抽象模様、不思議な民族性を感じる配色...ペイントをすることで、よりいっそうこどもたちの個性が出てきました。

「剣道を習い始めた」というこちらの子。なんだか変わった模様だなと思ったら、自分の馬にも道着を着せていました。意外すぎる発想ですが、馬と剣道ってすごくかっこいい組み合わせですね!

しっぽやたてがみをつけたいという子も!馬のボディに開けた穴に、毛糸を1本ずつ埋め込んでいきました。細かく手間のかかる作業ですが、繰り返しているうちにだんだん上達していた様子。

さらに、作品の表面にツルッとした光沢が欲しいという子は、仕上げに艶出しニスを塗っていました。これは作品の保護にもなって良いですね。

「馬を立たせたい」というこちらの子。前足をあげて「ヒヒーン!」支点になる後ろ足を、杉の板にねじで固定していました。躍動感が!

飛んだり走ったり、後ろを振り返ったり。3枚の板から作った、いろんなポーズの馬たちが完成しました。午(うま)年は、前進・発展・成功など縁起が良い年。幸運の馬をおうちに飾ろう!