2025.11 どうけづくし

どうけづくし①

我が国が誇る浮世絵作品には、

実は「笑い」の要素がたくさんあるのを
ご存知ですか?
歌川広景をはじめ、
葛飾北斎や歌川広重の作品にも
おかしな場面や表情が山ほどあります。

日本人は昔からオモシロおかしい

「笑い」が大好きだったんですね。

このプログラムでは、
そんなおかしな浮世絵を徹底研究!

プロセス

  • "浮世絵"

    テレビや雑誌もない江戸時代の人たちにとって、オモシロおかしい、笑える浮世絵はエンタメのひとつ。「浮世絵は100円くらいで売ってたから大人気だったんだって!」と物知りな子からの発言も。マンガやお笑いのルーツともいえるでしょう。この月は、そんなおかしな浮世絵を徹底研究!

  • なんか起きてるよ!

    例えば歌川広景。師匠である歌川広重風の画面の中に、人々が滑稽な姿で飛んだり、転んだり、大騒ぎしたり。ドタバタ笑える浮世絵を数多く残しています。「あ!あそこで何か変な顔してる人がいるよ!」こどもたちも思わずおかしなところを探しはじめました。

  • 大丈夫?

    「なんかこの人、痛そうな顔してない?」「手をかまれたのかな?」よくみると頭の上から1本の線が出ています。「あ!釣られたんだ!」そうそう、釣竿の針が髪の毛に引っかかり、「いてててて!」状態。今見てもオモシロおかしい場面設定に、教室内にクスクスと笑いが。

  • いろいろあるよ

    虫メガネをこちらに向けて、目元が拡大された女性。床屋で髪を切られすぎた人と、その横で指を指しながら笑い転げる人。坂でころがる柿を我先にと駆け寄って頬張る人。「そのまま食べるの!?」「そりゃひどいよ!」一枚一枚、思わずツッコミを入れたくなるような場面だらけです。

  • こんな顔ね

    場面設定はもちろん、ひとりひとりの表情が豊かに感情を伝え、おかしみを誘います。現代のマンガ表現につながるような、実にさまざまな表情が見事に描かれていて「こーんな感じ?」「ムンクみたい!」こどもたちもカメラに向かってヘン顔を披露!

  • "表情"を生むのはどんな線?

    そこで浮世絵の顔部分を拝借してみることに。多くが平坦で、シンプルに描かれた顔ばかりですが...ちょっといたずらしたくなりませんか...?どれだけ笑える顔にできるか、いたずら描きしてみよう!「えっ!いいの?」「おもしろそう!」

  • 「チェッ」

    眉毛のあたりに少ししわを加えてみたら...「なんか嫌そう」不機嫌ぶりが強くなりました。さらに口の中の歯をはっきりとした線で強調すると「なんかさらにおもしろくなさそうな顔」に。まさに「チェッ」というセリフがぴったり。

  • 面白いねえ

    ほんの少しの線を加えたり、汗や血管を描くだけでも、不思議と感情が強調されてくる。特に怒りの表情はこどもたちにも扱いやすいようで、いろんなバリエーションが出ていました。1枚じゃ足りず「じゃあ、これはどうだ?」と同じ絵でも違う感情に挑戦する子も。

  • 浮世絵のブロマイド版登場

    浮世絵に描かれている人々がぐっと身近に感じられるようになったところで、他の浮世絵師もご紹介。広景の師匠である歌川広重や、葛飾北斎、明治の浮世絵師・小林知親の百面相シリーズなど、浮世絵の中でも表情が秀逸な作品はほんとにたくさん!

  • 変顔だらけだ

    「なんだか普通の顔がないね」その通り。今日はいろんなおかしな顔の研究のため、ヘン顔を集めたわけです。こどもたちも思わずヘン顔しながら、いろんな顔を鑑賞。その中からひとつ、好きな絵を選んで模写することに。

  • 描いて研究する

    線でくっきりと描かれた浮世絵は、こどもたちも描きやすい様子。まずひとつの線の形を追い、できたら次々とその周辺にある線を付け足していくように描いていました。都度、元絵を確認しては、描き足す。

  • おおお、そっくり!

    このドローイングは、こどもたちをいつの間にか夢中にさせる楽しさがあった様子です。シンプルだけれど、全然飽きない。多くの子たちが没頭して、深い集中タイム!

  • おっかしい

    ...と思ったら、しばらくすると静まりかえった教室の中で「ぷっ!」「くすくす…」と小さな笑い声が。どうやらちょっとした線のずれや揺れで、描いていた表情ががらりと変わる。見ていると、どうしても笑ってしまう。教室のあちこちから笑いが漏れて、止まらない。

  • すごい迫力が…

    おおお、今まで描いたことのないような、すごい表情がたくさん!今回取り上げた浮世絵には、こどもたちが普段あまり描かないような"表情線"があちこちに描かれていて、たくさんの発見がありました。

  • 現代バージョン登場

    描いているうちに「男の人だけど、この人すごく爪がきれい」と発見し、「この爪はギャルでしょう」と現代風にアレンジしはじめた子が。素晴らしいオマージュ作品に!

  • 透明水彩絵の具で仕上げます

    線がしっかり描けたら、軽く彩色をして仕上げました。透明水彩は、ドローイングの線も隠れず、さらっと塗りやすい。微妙な混色やにじみが出たのも、なんだか味わい深くて良いですね。

  • いろんな表情が描ける!

    1枚描いてみると「いける!」「描けた!」そして、そこからさらに「ちがう顔も描きたい!」「次はもっとすごい顔に挑戦しよう」とさらに意欲を燃やす子も。描きはじめると、もう止まらない!

  • 「過去最高の出来かも!?」

    2枚目は、より表情がユニークで、描くシワも多い作品に挑戦した子も。「とても上手く描けた」と満足の出来。うんうん、良い感じ!だけどね、顔がオモシロすぎて、見てるとやっぱり笑ってしまう!

  • セリフもつけたい!

    絵の中の人物にしっかり感情移入した子は「自分でセリフをつけてもいいかな?こう言ってると思うんだよね」と、オリジナルのふきだしを挿入。なるほど、このお方は腹ペコだったのですね!

  • シュールな作品たち

    ちょっとシュールな作品コレクションの完成です。保護者のみなさんも「わ!これはおもしろい」「いいね〜」と楽しんでくれました。こどもたちの身近なマンガやアニメを想起させるようで「あのマンガに出てくる人は表情がたくさんある」「うまいんだな」など意外な発見もありました。

さくひん

どうけづくし②

カメラを向けられると、
思わず舌を出したり、
鼻の穴を膨らませたり。

わざと泣き笑いのような顔をしたり、

おどけてしまう人、いますよね?

なぜかいつも“変顔”ばかりで、

パパ・ママのカメラ画像の多くが
“変顔”ばかり!なんてことにも…

この回からは、「ヘン顔自画像」で
浮世絵風の版画作品に挑戦!

変顔が苦手という子も大丈夫。

浮世絵はもちろん、

マンガやアニメの表現を取り入れれば、
あら不思議…すました顔が
おもしろおかしい表情に大変身。

プロセス

  • "現代版"浮世絵づくりに挑戦!

    前回たくさんの浮世絵を紹介してきましたが、実際にはどのように描いているのでしょう?浮世絵は木版画でたくさんの枚数を刷ることで、大衆に広まりました。木版画は、浮世絵師ひとりで作るわけではありません。まず版元が絵師に制作を依頼し、さらに彫師と摺師が絵師の絵を1版ずつ彫ったり刷ったりして重ねながら1枚の絵を完成させていきました。こどもたちから「これは大変では!?」という声が。

  • 作る絵柄は

    そこで今回は、スチロールボードに絵を彫って、多色刷りに挑戦してみることに。浮世絵と同じように「版」が必要になりますが、1版で複数の色を塗り分けることができるので、版画の入門として良い体験になるはずです。でも、ただの無表情じゃあつまらない。前回研究した「ヘン顔」をテーマに、制作してみよう!

  • あんな顔、こんな表情

    どんな顔をすると、おもしろい作品になるかな?表情筋を利用した顔もいいし、マンガやアニメに出てくる漫符(感情や状態を視覚的に表すための記号)を使うのも面白そう。こんな風に、虫眼鏡で顔の一部をアップしていた浮世絵作品もありましたね!表情を変えるためにグッズを使って工夫するのもアリかもしれません。

  • 表情を撮影する

    いろんなアイデアを出して、あれこれ迷うところですが、それぞれ納得のいく表情が決まったら、最終的に写真撮影。はずかしかったり、ちょっと緊張していた子もいましたが、全員何かしらの工夫をしてパチリ。みんな普段とはちょっと違う顔でしたが、やっぱりここでもその子らしさが出ていました。

  • 版画の技法体験

    スチロール版画をしたことがある子もちらほらと。今回は多色刷りのため、彫り方のコツや、どんなものが刷り上がるのかを少しだけお試し体験していきました。各工程に、ちょっとしたコツがあります。

  • 下絵のトレースは?

    今回は、2種類のトレース方法をこどもたちに紹介。まずは下絵を版に直接貼付けて、凹ませる制作方法。めうちなどの尖った道具で下絵の上から直接凹ませるようになぞっていきます。紙の上から凹ませるのはちょっとコツがいりますが、トレース回数は1回で済みます。浮世絵の木版制作でも、このように下絵をそのまま板木に貼り付けて掘り出していたため、元絵が残らなかったそうです。

  • カーボン紙

    もうひとつは、カーボン紙を使う方法。下絵と版の間に挟み、なぞって絵を写せばOKというお手軽さ。版を彫る前に、描いた線を確認できるのも便利ですが、実際に掘る時にもう1度トレースする必要があります。「ほうほう」「なるほど」

  • どちらも心地を試してみる

    両方とも試してみて、自分の制作に合う方法を選ぶことにしました。実際にやってみると「この方法はこういういい面もある」「意外とむずかしい」などの発見も。どちらの方法でも、最終的に描いた線が凹で表現できていたら、版の完成です。

  • 凸凹版ができたら

    彫り師体験の次は、刷り師体験です。版にていねいに版画インクを塗っていきます。インクの量や塗り方も、実際に試しながらちょうどいい加減をつかんでいきました。さらに版画の大事なポイントは、絵柄が反転すること。文字で試せばそれがよくわかりますね。

  • インクを塗ったら

    インクをしっかりのせられたら、紙をそーっと被せて、バレンでこすります。バレンの使い方にもまたコツがあり、できるだけ均一に、円を描くように。スチロール版画の場合はあまり力一杯こすりすぎると版がつぶれてしまいますので、ちょうど良い加減を探ります。

  • インクののりを調整する

    一枚刷り上げてみると「インクがここだけ少なかったみたい」「もっとのせていいんだな」ということがわかってきた様子。2枚目、3枚目と刷るたびに版の状態も変わりますから、一定の刷りにするのは本当に神業!刷りも奥が深い。何度か試しながらコツを掴んでいきましょう。

  • くっきりプリント!

    お、こちらは線もはっきりでていて、色の塗り分けもきれいに仕上がりましたね。彫り方や、インクののせ方も一通り感じがつかめてきた様子。直に筆で描くのとはちがう、版画特有の風合いも良い感じ!

  • 自分の顔の版を作る

    次はいよいよ、自分の顔の版づくり。先ほど撮影した写真が下絵代わりになりますが、写真には浮世絵のような"線"はありません。目鼻口はもちろん、顔の輪郭や、髪の束などをどう表現するか、自分で線を描いていく必要があります。「そっかー!」まつげやまぶたはどうする?シワはどうする?たくさん見えるなかから取捨選択したり、位置を捉え直したり。

  • さらに…

    より表情が伝わる線を選んで描き入れますが、さらに"汗"を描き足したり、頬に少し斜線を入れてみたり、閉じていた口にペロッと舌を描き足す子も!より表情豊かにするため、こどもたちの頭の中の引き出しに「おもしろい顔」のアイデアがかなり増えている様子。

  • こんな感じになっていくんだ!

    出来上がった版がずらりと並ぶと...すごくおもしろい!「マンガみたい!」「すごく焦ってる」「たしかに浮世絵っぽい!」などいろんな声があがりました。線だけで表現すると、写真よりもさらに特徴が強調されて、浮かび上がってきた感じがしますね。

  • 肌の色を刷ってみよう

    進行が早かった子は、肌の色の刷りまで体験してこの回は終了。ドローイングが色面になると「え、なんかすごいかも!」と自分の作品への期待感が高まった様子。次回の制作が楽しみですね!

どうけづくし③

江戸時代の浮世絵は、
元絵を描く絵師のほか、
「彫師」や「摺師」など、
多くの職人の手で作られました。
今では信じられないほどの
高度な技術が集結した芸術作品です。

ジュニアはスチロールボードを彫った
一版で作る、多色刷り版画に挑戦。
それでも驚くほど工程が多く、
ひと作品を作るのは大忙し!

それぞれの個性が滲み出る表情に、
版画ならではの風合いが重なり、
現代の浮世絵風自画像が完成しました。

プロセス

  • 版画の「本刷り」

    ここからが、版画の「本刷り」です。前回のテスト制作で、インクののせ方や、ばれんの力加減などを少し体験しているので、それぞれ感覚を掴んでいる様子。版画制作では、予期せず偶然出てくる表情やニュアンスが多々あります。良い感じが表れたら、しっかり作品に生かしていこう!

  • アクリル絵の具

    この回では、色のバリエーションが豊富で、アクリル絵の具の中でも被覆力の強いアクリルガッシュを使います。そのままでは乾燥が早いので、刷る前に色が乾いてしまわないように、グリセリンを混ぜて乾燥時間を遅らせます。

  • 一版多色刷り

    ひとつの版で、色変えも自由自在。配色展開は様々です。皮膚だけではなく、服装や背景などに使う色によっても、作品の印象が大いに変わります。10色以上も、ツートーンも、モノクロ風だって、自分好みのカラーリングが可能です。

  • 1色ずつのせてみる

    広い面は、スポンジなどでトントン軽く叩くように、まんべんなく絵の具をのせていきます。1色刷って確かめて、次の色をのせるとどうなるのかな?と想像しながらの制作をすすめました。

  • 元写真でマスキング

    多少インクがはみ出しても、基本的に次の色が覆い隠してくれるのでそれほど問題ありません。が、気になる箇所は元の写真画像を切り取ってカバーしておくと安心。

  • 細部は綿棒で

    さらに目鼻口や毛先、服の模様など、細かい部分にインクをのせる時は、綿棒も使っていました。はっきりとした線が描かれているのではなく、スチロールを彫った凹みに合わせて塗るのは、ちょっとコツがいる様子です。

  • 版と作品を固定

    本来の多色刷りでは、紙を版に対して正確な位置に重ねて刷るために「見当」という印にぴったり合わせる職人技があります。でも今回は版と作品を固定して、ぺろっとめくれば次の刷りができる形にしました。インクをのせたらすぐに紙を戻して、ばれんでゴシゴシ。

  • あら、ムラが出ちゃった

    しっかりこすったら、ゆっくりはがして確認です。ドキドキ…はじめは「色が全然のってなかった」「なんか薄い!」ということもちらほらと。面積が広いと、刷る前に色が乾くこともある様子。「もう一回重ねよう」「グリセリンを増やすか…」それぞれで工夫していました。

  • 均一だと「すっきり!」

    コツが掴めると、ご覧の通り。でも思った通りの色面を刷るのは、なかなか難易度が高い様子。刷り師のすごさをひしひしと感じますね。でも版画用紙を固定しているので、インクがうまくのらなかったところはそこだけ追加で刷り直すなど、みんな粘り強く取り組んでいました。

  • 全体に色が入ると

    直接の描画とは違う、版画独特の風合いが画面に増えてくると、作品としての魅力がぐんぐん増していきました。黒のインクが入ると、絵全体が締まりますね。「最後の最後に失敗しないように、ていねいに制作したい…」細かい作業も増えていく後半は、体力・集中力との勝負です。

  • グラデーションもできる?

    「そういえば浮世絵ってグラデーションもあったよなあ」と思い出した子もいました。「できるかな?」と実験的に挑戦していましたが、おお、一気に和風の雰囲気が高まって、浮世絵の雰囲気に!

  • 自分の顔の線を描く

    仕上げは作品と写真の間にカーボン紙をはさんで、輪郭線をトレース。普段は先に線を描き、その中に色を塗ることが多いと思いますが、今回は最後の行程に"線"を入れるのがポイント。ここで表情におかしみをプラスすることもできるので、こどもたちのやんちゃ心が沸き立ちました。

  • しっかり、ゆっくり

    くっきりとした線が入ることで、ぼんやりとしていた表情が一気にクリアになり、力強さが生まれました。細いラインを用いた描写には、どこかアンディ・ウォーホルの作品のような雰囲気もあります。

  • 版ズレもいい味に

    版画独特の「ズレ」もまたいい雰囲気に。色がずれて刷られてしまうことを版ズレといって、好んで使う作家も少なくありません。「あら?そうなの?」とこどもたちも目からウロコ。「そういわれると、確かになんかカッコいいかも」

  • "浮世絵"風のもうひと工夫

    みんなのおもしろい顔は、「びっくり」や「怒り」、「暑い」「眠い」などいろんなテーマがありました。タイトル風に筆文字で描きこんでみたり、作家のサインとして落款(ハンコ)風に仕上げたり、細かな工夫をしていました。みんなこういうの得意ですね。

  • 一風変わった自画像に!

    みんなの生き生きとした表情が、配色や版画の風合いとマッチして、浮世絵風自画像に仕上がりました。ずらりと並べて遠目で見ると、どれが誰の作品なのかが一目瞭然でオモシロい!

さくひん

アートスクール・トルネード

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