この月のテーマは「バランス」。ゆらゆらと揺れ続けるおもちゃ、やじろべえ。やじろべえは、点を軸に左右の重さが同じになると、ふらふらとしながらもずっと揺れ続けます。みんな不思議そうな顔でやじろべえの動きを見守っていました。
重さの違うバケツを持って片足立ちになってみると「おっとっと!」倒れないように、体全体のバランスを意識しながら均衡さを図ります。同じ重さのバケツだとバランスとるのは簡単だけど、重さが偏ると…? 「バランスをとること」を体験していきました。
バランスをとるためには、支点に対して左右の「重さ」を調整することが大切なようです。 バランスが整うと調和が生まれて、不思議と感覚的にも心地よい印象を感じます。心のバランスまで整えられそうな制作に挑戦していきます。
太いストローの中にコロコロ転がるビーズを入れて、水平器を作ってみました。ビーズが真ん中にくれば、バランスが取れている証拠。簡単なレベラーのセットですが、これを使うと見た目にもわかりやすくなります。
まずはじめに、紙で作った大きな形をひとつ選び、片方につけてみると…モビールが大きく傾き「はやくバランスをとらないと!」続きを作りたくてうずうずしてしまいます。
さっそく追加のパーツを手に、もう片方に2つ、3つと吊り下げて試していきます。「ううん…?」「まだ足りない」「重すぎる!」ランダムな形の中から、自分に必要そうなものを探していきました。
パーツを足すたびにビーズが転がりあっちにいったり、こっちにいったり。重い方を知らせてくれます。公園のシーソー遊びのようになっておもしろい。それぞれ自分の制作に夢中です。
ダンボール板に切り込みを入れてかんたんに糸をひっかけられる仕組みなので、感覚的に次々に足していくことができました。とにかくパーツを吊り下げていくのが楽しい!モビールがどんどん長くなって、おもしろい形になっていきました。
もう少しでバランスがとれそうです。ビーズの動きと格闘しながら小さな段ボールの破片を付け足しつつ、微調整。「あれ、重すぎた!」「あと少しなんだけど!」完璧にバランスをとるために、最後はシールを貼り付けて微妙な重さを調整。こどもたちの感覚がどんどん研ぎ澄まされていきました。
器用にダンボール板をカットして、オリジナルの形を作り始める子も。好きなキャラクターを描き込んでみたら、揺れるモビールと一緒に気持ちもルンルン!ごきげんに。ますます楽しく付け足したくなりますね。
ビーズが真ん中でピタッと止まり、ストローの傾きももちろん水平です!左右のパーツはこんなに数や形がちがうのに、お互いに影響し合いながらも釣り合いがとれています。バランスがとれると、スッキリした顔になっていました。気持ちいいね!
終了後は、次回のためにほんの少しだけ準備制作を。春の青々した葉っぱを摘み取り、押し葉にしておきました。同じ種類の葉っぱの中から2枚、同じくらいの大きさのものを探してセットにしておきます。これもバランスが必要なんだって。次回もお楽しみに!
前回とちがって、この回はとても細かな制作に挑戦していきます。熱くなる道具もいろいろ使うので、直接触れないようにピンセットの使い方をしっかりマスターしてから取り組んでいきます。安全第一!
「あれは何だ?」なんだか茶色い生き物のようなものたちが...近づいてよく見てみると、虫のような、どうぶつのような、小さな生き物がたくさんいました。不思議でへんてこりんで「かわいい!」一目でこどもたちの興味を引きました。
それぞれの生き物は、トゲトゲちくちく、線や丸など、いろんな自然の木の実が使われています。ひとつひとつのカーブやとんがり、穴など有機的な形がおもしろく、木の実って魅力的な素材ですね。「なにかいいものができそう!」作りたい意欲満点。
さらに目や手足などは、小さな天然素材やウッドビーズでできていました。カラフルに塗られているものもあってなんだか楽しそう。これらの接着には、グルーガンを使用します。ひとつひとつが小さい上に、ツルツルしてたり転がりやすいものも多いので、やけどしないよう気をつけて使いましょう。
制作に入る前、ピンセットで「つまんではこぶ」を練習するためのゲームをしてみました。しっかりと挟んだら、器から器へと移動する。ピンセットの力加減が分からないうちはビーズがピョーンと飛んでいってしまったり、最初はイライラする様子も少しみられましたが、次第に「できた!」「よし、楽勝!」
次はつかんだビーズを、グルーガンで接着するというチャレンジです。「あっパーツが動いた!」と咄嗟に手で押さえてしまいそうになりますが...「いや、ピンセット、ピンセット!」と言いながらビーズを挟んでいました。この練習もみんな真剣。各自のペースで繰り返しコツをつかんでいきました。
「よし、いけるぞ」とそれぞれ手応えがあったところで、自然素材を使った生き物づくりがスタート!「からだはこれ」「足はどれにしよう?」いろんな色や形の素材を見比べながら、さっそくイメージがどんどん膨らんでいく様子。
前回作った押し葉も、ラミネーターやアイロンできれいにラミネートして、今回の材料になっていきました。できるだけ似たような形のペアになるように摘んでおいたので、生き物の羽根などに使いやすそうです。
丸い形、尖った形、星みたいな形。それぞれお好みの葉っぱをていねいに切り抜いて、個性的な羽根に仕上げていました。生き物の体の中で、羽根の存在は大きい!あちこちで「こんなのできたよ」「見て見て!」と声があがり、楽しそう。
ひとつひとつとても小さなパーツですが、とても大事そうな手つきで接着していきました。まるで木の実に命が吹き込まれていくようで、それぞれの素材がいきいきしはじめる!大人の道具だと思っていたピンセットが使えるようになったのも嬉しい様子で、ていねいに制作していたのが印象的です。
こちらも、とっても細かいパーツの目をつけていました。グルーガンは普段から使っていますが、今回は危なっかしい場面もなく、どの子もしっかり安全に気をつけながら使うことができている様子。触覚をつけたり、手足をつけたり、大人もびっくりするほどの細かな制作を楽しんでいました。
こちらは表情がユーモラス!アメリカのアニメにでも出てきそうなキャラクターの強さです。羽根をブルブル震わせて今にも飛び立ちそう。
わあ、まるで春の妖精?!5歳の子がすごく美しい生き物を作っていました。こんなにたくさんのパーツを、ひとつひとつていねいにつけていることにとても感心します。
4本足で立ってる!こどもたちの間でも「かわいい!」「かわいい!」という声がたくさん。ぐるりと首の周りを囲んでるマフラーみたいなのがチャームポイントになっています。
それぞれ個別のばらつきや壊れやすさもある自然素材を使ったこともあり、手先に神経を集中させる、かなり集中力のいる制作でした。そのぶん、できあがったときのうれしさは格別!
次回の制作では、この不思議な生き物たちも、作品の大事な要素になっていきます。それぞれの重さや大きさ、質感や色合いもちがう生き物たち。どんな制作になるか、お楽しみに。
小さな枝と、カラフルなボールがたくさん!「いったい何をつくるの?」とこどもたちが興味津々。これで、動く彫刻・モビールを作ってみよう!と伝えると、「おお!バランスだ!」という声が上がりました。
モビールのはじめの1本には、少し太めの枝を使います。枝の両端に、小さなヒートン(ねじがついたフック)をねじ込んで取り付けます。ぐぐっと押し付けながら、ねじねじ...「ん?どっち回り?」「かたいけどできる」「ついた!」これで準備はばっちりです。
次につけていく枝選び。長めか短めか、真っ直ぐか曲がった形か、節があったり、二股に分かれているのもおもしろい。いろんな形を組み合わせることで、表情が生まれます。「どの枝にしようかな♪」
カラーボールに、枝を差し込むための穴をあけていきます。ここは、先の尖った目打ちを使います。使い方によって危険な道具なので、持ち方や角度の動かし方を確認してからスタート。安全のため小さなカップで押さえながら進めよう。
目打ちであけた穴に、自分の枝が入るかな?枝をグリグリ回して…「刺さった刺さった!」コツを掴むまで時間がかかる子もいましたが、これで枝とボールをセットにする方法がわかりました。力がいる箇所ですが、気をつけながら進めよう。
それぞれ好みの形に、どんどん連結していきました。まっすぐ繋げて長ーくなる子、くねくねの形になる子、三角や四角形を作る子。枝の形がそれぞれ少しずつ違うので、ひとつずつ進めながら調整してる様子でした。
吊るしてみると「...おお!」なんとも可愛らしい存在感。空気の揺らぎで軽やかに、枝の線と、色の点がやさしく動き、視覚を刺激します。ゆらゆらくるくる、まるで楽しい音楽のよう。
前々回で体験したバランス制作を思い出しながら、左右に枝とカラーボールをどんどん付け足していきました。でもこの作品、常に動いてて止まらない!この時点で、まるで生き物のような作品ですが、さらにみんなには大事なパーツがあります。
前回、松ぼっくりや木のビーズなどの自然素材で作った、ふしぎな生き物たち。これを枝にぶら下げてみると...「こっちが重たい!」「次はこっちにつける?」なんだか、作品がさらににぎやかになってきたぞ!
こっちに傾いたから、反対側に虫をぶら下げて…今度はこっちに傾きすぎて「おっとっと!」たくさん作った生き物たちが、次々にモビールに登場していきました。
バランスをとるために「こっちにもつけてあげよう」「生き物をもう一匹作る!」という子も。手を離すと、いつまでもひとりでに動き続ける枝と生き物たち。枝や葉っぱ、空気や風など、たっぷりと自然を感じられる、動くモビール作品になりました。