2025.05 コピペピコ

コピペピコ①

世界各地の暮らしを見てみると、
国や地域の文化や宗教によって、
さまざまな伝統模様が根付いています。
たとえば私たちの日本でも
縄文土器に複雑な装飾があるように
模様は、太古の昔から
生活の中で親しまれています。

現代の私たちの身の回りにも
衣服の生地やインテリア、食器など
意識してみると、模様がいっぱい!
この月は繰り返しのルールに注目しながら
模様のデザインを体験していきます。

プロセス

  • 身近な"もよう"がテーマです

    世界中に様々な「模様」があります。植物柄、幾何学柄など、各地に長く伝わる伝統柄をはじめ、私たちの身近にも、自然界にもたくさんの模様があります。調べてみると約7万5千年前ごろから、人類は模様を作り出す文化を持っているらしい。すごい!今回はそんな模様の世界を体験していくプログラムです。

  • "ルール"に注目!

    それぞれの模様にはある一定の繰り返しのルールがあります。色やパーツの形ではなく、繰り返しの”ルール"をみんなで探してみると、並列並べ、レンガ並べ、鏡のように反転させるなど、多種多様な繰り返しの法則が見つかりました。数学的にも、生物学的にも美しい!そしておもしろい!

  • 回転対称模様って?

    今回ジュニアのみんなが挑戦するのは、回転対称のルールをもつ模様です。鏡のように反転した形が、さらにクルクルと回転してできるパターンを作ってみます。はじめの説明では、「???」「そんなのどうやって作るの?」と少しどよめきが起こりましたが、大丈夫です!これから便利な道具を作って研究を進めていきますよ。

  • 道具をつくろう

    きっとみんな遊んだことがある「万華鏡」、実は回転対称の仕組みです。鏡と鏡が映り合う像を一度に見せてくれる、このまほうのような筒さえあれば、写したものが全て回転模様になって現れます。「そうか!」「なるほど!」こどもたちもさっそくピンと来た様子。「早く作りたい!」

  • 2タイプ制作する

    筒の中に合わせ鏡をつくるという構造自体はとてもシンプルなので、ジュニアのみんなには難なくできる工作です。今回はその角度を、正三角形と、二等辺三角形の2タイプを制作。3面ミラーと2面ミラーの違いを見ていきました。またこの2タイプはそれぞれ回転する形の数にも違いがあります。できた子からさっそく興味津々で、色んなものを覗き始めました。

  • どんな模様が見える?

    自分の指をかざしてみたり、教室にある素材や道具を映して見ても、全て模様になって展開する!シンプルだけど、きれいでおもしろい。あれこれ探索して遊びながら「チラシが意外といいよ」「服の模様を映したらどうなる?」など研究していました。「この何でもないところが何かいいよね」と、まほうのつつがすっかりお気に入りになった様子。

  • この形、作れる?

    それぞれの万華鏡の世界で仕組みを理解したら、どんな模様ができそうかある程度自分で予想が立てられるようになります。そこで「クローバー作作れる?」と聞くと「できるできる!」自分の指先を使って、ハート型の葉っぱの形までちゃんと再現していました。

  • これも作れる?

    たくさんのベーグル、作れる?と聞いてみると「できそう!」「できるできる!」試して見たくてうずうずしますね。自分の指を映して微妙に角度を調整しながら、ベーグルの形を再現していました。ふっくらしてておいしそう!

  • 「こっちでもできるよ」

    2面ミラーの万華鏡でも、指の当て方を変化させることでベーグルの数が増やせることを発見した子も。研究していく中で上手になっていく子がたくさん!映すものは同じでも、映し方のちがいや使い方で全然ちがった模様が展開することがわかってきました。

  • 細かいものを使ってみよう

    さらに色や質感の違う細かなパーツを使って、できるパターン研究を進めていきます。複数のものを組み合わせたりほんの少し角度を変えてみるだけでも、見え方は様々。できる模様のバリエーションが広がりました。

  • いろんな"花"模様

    自然界にも形のルールがあります。試しに”花”に挑戦してみると、シンプルなものから煌びやかなものまで、多種多様な姿が!きれいなものができた瞬間は思わず「わあ!」と声が出てしまいます。いろんな素材を組み合わせて、その効果を楽しみながら探っていました。

  • 小人が出てきた?!

    この小さな空間の中に、これは...小人!? 小人の全身を作らなくても、鏡反転を生かすといろんなポーズができるようです。これは小さな釘やヒートンなどの金具、ビーズ等を使って作られていますが、どう作ったのか仕組みがわかりますか?

  • 半分だけでオッケー!

    「そっか、鏡で反転するから、体の半分だけ作ればできるんだ!」こちらもすごく小さなネジを手足に使って、人の形になっています。「むずかしいと思ってたけど意外とできた」

  • 細かい...

    こちらは、1mm ほどの小さなビーズだけで作ってみた小人。どこまでも増殖する...粒の大きさが同じだと、幾何学模様のよう。隙間の光も模様と一体化して、きれいなデザインですね。

  • 日本の伝統紋様

    日本の家紋の中にも、回転対象で表現されているものがあります。慣れてくると元の形をどう作っておけばいいか想像がつくようになります。これを作るために、どんな形を描いておけばいいかわかりますか?

  • つながる家紋

    「難しいなあ」と言いながらも、紙を切って再現できるようあれこれ形を考えました。試しに万華鏡に映して作ってみると…筒の中で同じ家紋が複数並び、まるで和紙や布のような模様になって広がっていきました。「かっこいい!」

  • オリジナル模様を作る

    最後に黒い紙の切り貼りで、各自オリジナル模様のデザインに挑戦。意図して作ること以外でも、万華鏡を使って偶然美しい模様ができるのもおもしろい。ランダムに切った黒い形を配置して、何度も覗いて調整しながら、気に入った模様ができるまで取り組んでいました。

  • みんなの模様を見る

    小さな万華鏡の中の世界は、自分ひとりしか見ることができません。せっかくなので、終了後にテーブルに並べて、他の子の作品を鑑賞する時間をとりました。みんなの作品をぐるぐるまわりながら「わ!こんな模様作ってたの?」「すご!」「豪華〜」「ドーナツっぽくておいしそう」いろんな声が上がっていました。

さくひん

コピペピコ②

ひとつずつ見るとシンプルな形でも、
それを規則的に繰り返すことで
リズムやバランスが生まれます。
模様の美しさは、
規則性や秩序、調和など
数学的な要素を多く含んでいます。

この回は形や色など、
いろいろな組み合わせを試しながら
オリジナルの模様作りに挑戦しました。

プロセス

  • 世界のいろんな模様紹介

    世界には魅力的な模様がたくさんあります。改めてじっくり見てみると、どれも魔法のように見事にきれいに組み合わされていて、それぞれの地域の伝統文化や技術の奥深さが感じられます。

  • いろんな模様パーツ登場

    様々な地域の模様をパーツに分解して、切り抜いたものを見てみると、中には意外とシンプルなモチーフもあります。好きなものを選ぶように伝えると、こどもたちはそれぞれ気になったものをさっそくゲット。「これかっこいい」「色が好き」「おもしろそう」

  • 新しい模様にしてみよう

    選んだ複数のパーツを組み合わせて、前回作った万華鏡に当てて、どんな模様が展開するか試してみました。似たような系統のものを選ぶ人もいましたが、全然ちがう文化のものを混ぜてみるのも「どうなるんだろう?」何となく予測しつつのぞいてみると...

  • 「…ちょっと見て!」

    予想をはるかに上回るびっくりな模様が展開して、思わず他の人に見せたくなる子が続出でした。「早く!」「これ、これ、これ!」「誰でもいいから見て!」さらに興奮のあまり、あれこれ試したい欲が止まりません。パーツを入れ替え、お気に入り模様を研究していきました。

  • お皿の模様をデザインします

    まだまだ試したいものがたくさんありそうですが、ここでいったん、今回の模様制作をどんな作品に仕上げるか話していきました。真っ白なシンプルなお皿にそれぞれがデザインするオリジナルの模様を絵付けするように描いていき、おうちで使える絵皿に仕上げます。「えー!すごい!」「使えるの?」とうれしそう。

  • 「コピペ」だよ!

    「…ってことは描くの?」「で、できるかな」大丈夫!万華鏡と同じように、デザインするのは最初の1ピースだけ。あとはそのデザインをコピー&ペーストすればいいのです。ひとつひとつていねいに制作を進めていきましょう。

  • デザイン画を描く

    ここからはお皿のサイズに合わせて、各自デザインを仕上げていきます。模様研究をした中から気に入ったものや、いちから自分のオリジナルでもOK!今回使える色は「赤・青・緑」の3色なので、どこにどんな色を使うかも検討していきました。

  • さらなるリサーチ

    研究熱心な子の中には、いろいろな国の模様の本をめくり「もっとお皿に合うモチーフはないか?」とリサーチを重ねる子も。それぞれのこだわりが感じられます。

  • 模様のかけら

    1ピースだけなら、いろんなデザイン案をいくつも描いて試せます。さらにそれを万華鏡で見れば、実際に展開した時のイメージもわかりやすい。みんな、万華鏡をすっかりデザインの道具として使いこなしている様子です。

  • ガイドをつける

    デザインが絞られてきたら、真っ白な状態のお皿に、模様を描き込んでいくためのガイドラインを引いていきましょう。すごく細いテープを使って、分割の目印をつけていきます。こちらはタイリングバージョンのガイド線。多少ずれても貼り直しができるから便利です。

  • 下絵を入れる

    さらに、次回のために下絵制作も進めていきました。カーボンを使って、必要な部分のアタリをつけていきます。デザインをトレースすることで、全面にきれいに同じ模様が展開していくことがわかりました。

  • 来週はお皿ができる予定

    次回、色をつけていくことでどんな仕上がりになるのかわくわくしますね。細かい作業が続き、目も手先も頭の中もたっぷり使ったので、ちょっとお疲れ気味な様子も見られましたが、「できたら持って帰れるんだー」と楽しみな様子でした。

コピペピコ③

お店の食器売り場を見ていると、
伝統的な植物模様や幾何学模様、
東洋と西洋、中国や東南アジア、東欧など、
さまざまな文化の違いが
模様にあらわれていて、
見ているだけでも楽しくなります。

そんな世界各地の模様をヒントに、
子どもたちが工夫を凝らして考えた
オリジナルの模様デザインを
白いお皿にぐるりと描き込んで、
自分好みの食器に仕上げていきました。

プロセス

  • 色合いの参考を見る

    赤・青・緑の3色を使って絵付けされた、実際のお皿をいくつか紹介。「うわあ、きれい」「2色もいいねえ」「1色の食器も、料理と合いそう」自分が作っていくお皿にあしらう、模様の色合いを考えるヒントになった様子です。

  • "コピペ"する時が…

    とうとう実際のお皿に自分の模様を描いていきますが「できるかなあ...」とちょっと不安そうな声も上がりました。全部手で描いていくので、体力・気力的にも、いつ終わりにしてもキリがいい制作をする方法を伝えました。同じモチーフをぐるりと一周させながら描くことを伝えると、少し気持ちが楽になった様子。

  • それぞれのスタート

    前回、絵柄の下描きまで終わった子もいれば、ガイド線を引く続きからスタートする子も。早くもペンを使って描き込みを始める子もいたりして、進み具合はそれぞれです。焦らずに自分のペースで進めていきましょう。

  • 必要な部分の下描きを追加

    とても細かい模様をデザインした場合は、すべてを下描きする必要はありません。ポイントになる箇所がわかれば、フリーハンドでどんどん描いてOKですよ!それぞれの性格が出てくる制作です。

  • お皿に描けるペン?

    今回制作に使うペンは、陶磁器専用の、オーブンなどで定着出来るペンタイプの釉薬です。描いている間は水性で、描き心地は普段使っている水性サインペン等とほとんど変わりません。お皿の表面がツルツルなので何度でも修正することもできるし、描いた後につまようじ等でスクラッチして細い描画もできます。

  • ここから描く!

    それぞれどんな順番で描くのか考えながら進めていました。お皿の真ん中から描き始めるのも良い方法のひとつですね。全面に柄が入ったお皿もあれば、ワンポイントというのもステキです。

  • 使う色は?順番は?

    同じ色をぐるりと一周描き切ってから、別の色を使うという子も。さらに同じ形を繰り返し連続で描いているうちに、だんだん描き慣れてきて「なんか上手くなってない?!」職人系の意識が芽生えてきそうです。

  • 描くもの

    回転対象模様は、鏡像反転があちこちで起こります。頭がこんがらがりそうですが、まず同じ向きの面だけ進めてみると、こんな状態に。これだけでもステキに見えますが「全体を描き切りたい」とがんばり中。

  • ペンが走る

    前回下書きも終わっていた子は、ペン描きの作業にじっくり取り組んでいました。お皿がツルツルしていて「描くのが気持ちいい!」という声も。ペン先を動かすスピードがちょうどいいと、しっかりたっぷりと強い色がつきます。

  • 色をつけてみる

    色もたくさん使い、細かな模様をぎゅうぎゅうに詰め込んで、密度がギュッと詰まったこちらの作品。なんだか売り物のお皿にありそうな雰囲気が出てきています。

  • 時間の限り描く!

    先がどうなっていくのかイメージが想像できるようになると、制作にも熱が入ります。黙々と描き続ける制作なので、適度に休憩を挟みつつ、それぞれのペースでいきましょう。中には細かい作業がそれほど苦にならないという子もいて、すごい集中力!

  • こんがらがる!

    ルールを理解していても、描いているうちに「あれ?どっちだっけ?」「何を描くんだっけ?」など混乱することも。そういう時はちょっと離れたところから全体を見直してみると、自分のデザインがどういうルールか確認しやすいです。

  • 「アレンジしたよ」

    全体を柄で埋め尽くさなくても、この通り!すごく個性的なお皿に仕上がっています。ガイドラインで貼っておいたマスキングテープの白さも、デザインに溶け込んでいます。

  • 「全部描けた…!」

    お皿全体を描き切った子たちの満足感も、格別な様子。すごい!とても大事そうに持って見せてくれました。描き進めていくうちに、模様が展開するルールをより深く理解できたことも、楽しかった様子です。

  • 何をのせようかな?

    「自分のお皿にのせたい食べものは?」「おやつかなあ」「オムライスがいいな」…と想像しているうちに、作りたくなる!こんなふうに使いたい、と食べ物も作って見せてくれました。なんだかお腹も空いてくる〜

  • おうちで使う前に

    もし観賞用ではなく、実際に食事等で使いたい!という方は、ご家庭のオーブンで焼き付けしてからご使用ください。(焼き付け後の完成品は、食品衛生法にも適合しています)230℃のオーブンで20分くらい焼けば、釉薬が定着して、洗っても絵柄が落ちません。ぜひお試しを!

さくひん

アートスクール・トルネード

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