ドイツの芸術家、ヨーゼフ・ボイス(1921~1986)を紹介。フェルトや脂肪を使った作品を作ったり、コヨーテと3日間同じ部屋にいるなど、不思議な体験型の作品を発表していました。さらに、ボイスは芸術が社会を変える力になると考え、「社会彫刻」という言葉を使い、社会そのものをアートのように作り変えることを目指しました。
ふつうの彫刻は粘土や石で作りますが、ボイスは「人々の考えや行動も、社会を形作る材料になる」と考えました。そのため、地球のために木を植えたり、政治を話し合ったり新しいルールを作ることも、彼にとっては「社会彫刻」でした。そしてこどもたちにボイスの代表作のひとつ「7000本の樫の木を植える」という壮大なプロジェクトをご紹介。
この月のジュニアコースは、ボイスの「社会彫刻」を模型制作の中で体験してみよう!何もない無人島から始まり、約300年に渡る社会の変化をクラスごとに擬似体験。みんなで相談しながら島の暮らしについて考え、必要なものを作りながら、未来を担う次のクラスへバトンを渡していきます。1クラス進むごとに20年の年月が経過する設定です。
スタートとなる水曜クラスの設定は1820年。木と岩だけがあるこじんまりした無人島に流れ着いたこどもたちが、自分たちが生きるために必要なものを考えていきます。こどもたちの会議では「まず住む場所が欲しい」「食べ物を作らないと」「火を起こそう」などサバイブするためのアイデアが出ていました。
作りたいものがあるけど、材料はどうする...?なんとこの島にはお金が存在しません。その代わりに、島にはたくさんの樫の木が生えていて、これらを伐採しながら欲しい材料と交換するというルールです。「1本=1オーク」という単位で、必要な材料と交換して、島の開発を進めていきます。
さらに切らずに次の世代まで育てておいた木は、1日ごとに価値が上がっていきます。2日目には2オーク、3日目には3オーク...時間をかけて育てるとどんどん価値があがるので、あれこれ欲しいものがあっても、無駄に木を切るわけにはいきません。使いすぎると、未来は枯渇してしまう!?
「あれを作るのに必要なものは?」「木とどれだけ交換する?」クラスごとにみんなでしっかり話し合いながら進めていきました。余った資材は他チームと共有できますし、終了時に残ったものは翌日のクラスに渡すこともできます。制作もお互い「これお願い!」「こうしたら便利になると思うんだけど」など、声を掛け合いながら制作していました。
1クラスごとに20年の月日が流れる設定のこのプログラム、水曜日〜日曜日の5クラスで、ちょうど100年分の時間が流れる予定です。ここからは各クラスの様子をダイジェストでご紹介していきます。
白熱した水曜クラスの話し合いで決まったテーマは「衣食住」。切った木は31本(62オーク)。それぞれチームに分かれて制作を開始しました。会議がエキサイトしたため制作時間は短かめでしたが、各自のチームで連携して制作を進めていました。食のチームは野菜を育てる畑を作り、トマトやにんじんが育っている様子。くだものも実っています。
「全員分のテントを作ろう」と集結したチーム。数本のオークと引き換えに、テント作りに必要な木材や布をゲットしました。細かなミニチュア制作は、みんなすごく楽しそう。残った木材で暖を取るための焚き火も登場していました。
「生活には水も大事だよね」ということで、水チームはスライムを作って川づくりにチャレンジ。この川を通すために、なんと30オークも必要でした。
そして終了時には、クラスごとに「もっと家を増やしたかった」「ここに農場が欲しかったなあ」など、自分たちが考えていたけどやり残したことを手紙に書いて、次の日のクラスに伝えます。それを実現するかどうかは、次のクラスの人たちの判断。現実のまちづくりと同じで、この制作には”完成”はありません!
さらに、次の日以降のクラスの人たちや、次回の自分たちのためにも、制作後に一人10本ずつ樫の木を植えて帰るのがルール。自分たちが使った分より多く植えられるクラスもあれば、少ないクラスも。また植樹後の期間で価値が変動するため、いつ植えた木かそれぞれの根本には小さな印もつけています。大きく育ってほしい!
翌日の木曜クラスは、20年後の1840年という設定。前の水曜クラスの人たちから託された手紙を読んで、島の暮らしを整備していきます。「この島にはどのくらいの文明があるんだろう?」「火があるってことは鋳造くらいはできるのかなあ?」いろいろな話が出る中、前のクラスが作ってくれた川から水を引いて田んぼができ、稲作が始まりました。
高低差も考えらていて、さすが高学年の制作。「大きな川には橋が必要だ」ということで立派な橋がかかりました。人が実際にそこで暮らすことを考えると、いろんな場所を移動するための道路や橋が必要になりますね。
立派な牧場もできてきました。家畜や酪農が始められたら、食生活も一気に変わりそう。ただし...動物がいない!「どうしよう。」次のクラスの人たちが作ってくれることを願い、手紙に託します。終了時には、一人10本ずつ樫の木を植えて次のクラスへとバトンタッチ。
その20年後となる金曜クラスでは「島を大きくしたい」という意見がまとまり、土を購入。なんと埋め立てされて、島の面積が拡張されました。「土地が広くなったから、池を作ろう」「土を掘って、水を貯めるよ」
そして早くも「暮らしのためには電気が必要!」とのことで、発電所が建設されました。これは水車での水力発電、試運転中...でも伐採した木が足りず、まだ電気は開通されていない状態。電気を引くにはたくさんのオークが必要でした。
前のクラスが成し遂げられなかった牧場の動物を制作中。ミニチュアの豚、牛、馬などが登場しました。「作らなきゃいけない動物が沢山あるな〜」
だんだんと人口が増えてきた1880年、土曜クラスでは「家が足りない!」「施設を建てる土地が少ない!」ということで、さらなる島の土地の拡張工事が進みました。島のサイズがどんどん大きくなっています。
「発展のためには何かと鉄が必要じゃないか?」ということで、洞窟のように島の土を掘り進めて作られた採鉄所。確かに金属があれば、いろいろなものに使えそう。しかしこの時代も財政面から、電気は未だ開通されず...
食料が少ないと感じたようで「もっとしっかりと漁ができる環境を整えたい」という意見が出ました。立派な船、港が完成!人口増に伴い、暮らしに必要なものがどんどん増えていきますね。
やっと訪れた20世紀!日曜クラスの話合いで一番はじめに一致団結した意見は「通電させたい」。絶対必要!とのことで、たくさんの木を伐採し、必要なオークを集めて、とうとう島全体で電気が使えるようになりました。日曜クラスのみんな、ありがとう!
本島から少し離れた場所にポツンとできた小さな島。離島で本格的な浄水場の建設が開始されました。人の暮らしのためにも、海のためにもきれいな水が必要とのこと。
水曜から始まり、この1週間で約80年の歳月が流れています。これだけ人口が増えてきているということは、こどもがたくさん生まれていると想定されます。そこで「学校がないと!」と、大きな黒板に、のびのび学べる空間の学校が作られました。なぜか屋根のない青空学校というのがおもしろい。
こちらでは、防衛のため、緊急時のためにも...と、島全体や周辺を見渡すことができる展望台が建設されていました。やっぱり頼りになる高学年!
制作を始めてから、ちょうど100年が経過しました。無人島だった島の様子はかなり変化して、安全な生活をする環境が整いつつあります。次回それぞれが来る時には、舞台はちょうど100年後。「どうなっているだろう?」「木を残してくれるかな?」みんなの社会彫刻がどう変わっていくのか、子どもたちもスタッフもワクワクです!
2回目となる「社会彫刻」では、各曜日のクラスとも、前回から約100年が経過したという設定になっています。トルネードに着くなり、100年後の島がどんな状態になっているのかを確認する子がほとんどでした。どの子も「自分の島」としての愛着がたっぷりある様子。
100年の間に、この島ではいろんなことが起こりました。模型の真上に設置した監視カメラのムービーから変化の経過を振り返ると、自分たちが手がけた島がどんどん変わる様子を食い入るように見ていました。「テントがなくなっている!」と悲しんだり、「ここで電気が通りました!」の一言に拍手喝采。
1週間ぶりに見た島にはいろんなものが建設され、以前あったものがなくなったりもしています。模型の上では100年もの時間が流れていますから、スクラップ&ビルドが行われていきます。でも壊すのだってタダではありません。解体費用としてオークが必要になるので、どのクラスも熟考した結果です。
島に作られたひとつひとつに、いろんな人たちの考えや工夫が感じられます。前のクラスからの手紙を読みつつ、どんどん発展している島に「今日自分たちは何をしよう?」とワクワクしながら話し合いを進めていきました。
この模型の中で重要な存在である樫の木。植樹してから時間が経つとその価値はどんどん高くなります。「先週植樹した木がこんなに高価になってる!」「貴重な1本だ…」どの木を残し、どの木を育てるかの判断も必要になります。島の開発を計算しながら、必要な分だけ伐採してまちづくりの材料に変えていきました。
時代の変化とともに、使いたい素材も変わっていくでしょう。コンクリートの代用品として、みんなが使い慣れている石膏を用意したり、アスファルトには薄いゴムのシートを準備しました。先週は高くて希少な素材だったものも、流通の変化に合わせて価格が落ち着いたり、資産であるオークが潤沢になったことで入手しやすくなったものも。
ここからはまた、各クラスのトピックをダイジェストで。 20世紀に入り、鉄筋コンクリートが登場!普段の制作でこどもたちが使い慣れている石膏を固めて、一気に丈夫な高い建物が作れる技術が発展していきました。少しコスト高だけど、制作効率が良い!とのこと。
こちらは...なんと温泉が湧き出てきた様子。島での生活がはじまってから100年が経過し「老若男女さまざまな年代の人がいるはず」とのことで発案。できたとたん、こどもたちも集まる人気スポットに。これはうれしいですね!
翌日の木曜クラスでは、アスファルトの道路も登場!コンクリート製の建物に加えて舗装された道路が敷かれると、島が一気に近代化された印象になってきました。
道路の側に、線路も作られ始めたぞ...と思ったら、あっという間に電車も走り始めた!グループで協力しながら、次々に制作を進めていきました。こどもたちの制作にもエンジンがかかります。
そろそろ人口が200名以上になっている?!ということで「医療も発展させないと!」という声が。でも狭い島なので、人も動物も受診できるという大きな総合病院が完成。
「道路もできてきたし、車を走らせたいな」という金曜クラスの意見。でもまずそのためには「鉄工場がいるよ!」仕上げに煙までセットして、現在もくもくと稼働中。次の年代の人たちに車を作って欲しいとのことでした。
こどもも増えてきていることから「もっと学校が必要」との意見も。でも島が小さいため、小中高大一環の学校に。中身は鉄筋コンクリートですが、「外観は人工的にしたくない」ということで木造の外装に仕上げるというこだわりよう。災害時の避難場所にも指定されました。
「これだけ人が増えたら、娯楽施設もいるんじゃないか?」という意見から、水族館が登場。生きるために必死だった頃には思いつかなかったようなものもだんだんと増えてきています。
水族館チームが、さらに「海でも遊びたい!」とのことで、きれいなビーチを制作。ドロドロのスライムで作られていますが、水の質感までなんだかリアル。
前日のクラスの手紙をもとに、車の製造がはじまりました。男子がひとりで引き受けて制作していましたが、うまい!トラックなども次々にできて、島のあちこちを走りはじめました。
車の次は「飛行機もほしい」とのことで、滑走路が敷かれました。確かに、離島なので他の場所との行き来には飛行機が使えると便利です。一気に街並みが近代化していきました。
学校や病院の近くに、商店街もできはじめました。この辺りが島の中心部といえるでしょうか。こどもが多く通る道でもあるので、いろんなお店のおとながいて安心できそうな街並みになってきました。
商店街の近くに、コンビニエンスストア「toson」も登場(トルネード版○ーソン?!)島での暮らしが利便化しそうですが…ライバル店の登場で、街の活性化が望まれます。
レンガの家、木造の家、鉄筋コンクリートの家...さまざまな家が並んでいきました。島の初めはテント暮らしだったのに!でも人口に対して土地が足りないらしく、だんだんと大型化・高層化してきています。リアルな発想だなあ。
学校に通う前の小さなこどもも増えているということで「幼稚園や公園などの施設を作ろう」という声も。どんどん施設が増えて島の暮らしが充実していきます。
空港もできたことで「島にいろんな人がたくさん出入りするだろう」「悪い人がいたらどうする?」という声から、警察署ができました。また各種災害にも備えて消防署も。安心感が違います。
なんと、島にスタジアムが建設されました。その名も『トルネードーム』。さっそく人々が集まってきています。スポーツの試合?それとも有名アーティストのライブかな?そのほか映画館の建設もはじまっていました。
家電、パソコン、ゲーム機などの機器類を販売するための家電量販店ができました。この島でも、人気商品には開店前に行列ができるのでしょうか。
気づけば早くも21世紀。すっかり現代化した島には、みんなが普段利用しているような、さまざまな種類のお店が一気に作られていきました。あれもこれも、作りたい!
改めて撮影してみると、どこかの街のようなにぎやかな風景になってきています。すごい!いろんなところから人の声、乗り物の音が聞こえてきそう。
「そろそろ必要じゃないか」との話し合いから作られていたこちらの墓地。100年という時間を、こどもたちがいろいろ想像しているんだなあと感じさせられました。
反対に、日曜クラスの子の中には、発展した街を見て「もう作らなくてもいいんじゃないかなあ?」という声も。たしかに便利にはなったけど...生活するにはもう十分、という感じも見受けられます。
どのクラスの子どもたちも、トルネードに来たらまずは作品チェックをしていました。「わあ、変わったねえ!」「うそ!ない」「まだ残ってた…」定点カメラからの映像を見て、自分のクラス以外のこの100年間で何が起きていたのかを聞きました。
この回からは、未来の社会彫刻へと進んでいきます。「住処が海の上になる」「建物の地下が発展する」「屋上に牧場ができる」など映画やアニメで見たようなわくわくするような未来像もあれば、ニュースや学校等でも見聞きする社会の課題を知っている人も。
ジュニアのほとんどの子どもたちが耳にしたことのあるSDGsの話題も。貧困や食、労働や教育についてのほか、自然環境問題などさまざまな分野にまたがった課題と目標が掲げられています。「これってボイスがしてた活動と同じ?」「ずいぶん前から取り組んでいたんだ!」「ボイスさんすごい!」と拍手もあがりました。
すっかりにぎやかになった島の様子を見ながら、各クラスで今回もみんなで話し合いから始まります。議論が白熱するクラスもあれば、作るだけではなく「壊す」「移動する」などの選択も増えてきました。
地上の土地が足りなくなってきたようです。でも海を埋め立てて土地を広げるのではなく、なんと空中に拡張!クリア素材の近未来的な陸橋ができました。
未来感のある都市インフラがでてきたと思ったら、今度はロボットが登場。しかしまさかの「破壊のロボット」と「街を守る警察ロボット」で、ロボット同士の戦いが繰り広げられていました。
翌日のクラスでは、島の様子を見て「街が結構古びてきてるような…」「整備したい」「それから未来をきれいに作りたい」との意見でクラスが一致団結。大規模な島の改修工事がはじまりました。ガガガ…
古びてきてしまったもの、耐久性が不安だったもの、島を危険にするもの?を、こどもたちで議論したうえで取り去りました。大事な資源が、また新たな制作物に生まれ変わることを願って...
木をどんどん抜いていく!でも伐採ではなく、乾いたり、汚れてしまった土地を、新しい粘土で覆ってから再度植林するという計画を実行に移していました。豊かな暮らしは豊かな土壌から。
面積が大きい施設のひとつだった空港もリノベーションされ、最新型に。滑走路の分離帯にも緑化を取り入れてたいという発想からあれこれ手が加えられました。
島のてっぺんに、スカイツリーならぬ「トルネードツリー」が誕生!いつの間にかこんなに高い建物が建てられるようになったんだなと感慨深い。
クラスの終了時間近くになって、植樹グループが道路の端に木を植えていくと...あれ?この感じどこかで見たことがあるような?「ボイスの7000本の木みたい!」写真で見たドイツ・カッセルの景色のような美しい並木道ができました。
教室に来た金曜クラスのジュニアたちがざわざわ…「大変!」「頑張って作った学校が壊されている…」「東京タワー!?」木曜日クラスの大胆な改変ぶりに、驚きが隠せない様子。でも「あれから100年後の未来だから」と話し合いがスタート。
既に作られていた公園を「未来版にリノベしたい!」との声が。みるみる間に未来っぽい透明な素材を使って、一気に遊園地化していました。コースターのクオリティがすごい。
前回がんばって学校を作ったチームは、建物の老朽化のため前クラスで取り壊しになってしまったので、「どうしたら次の時代の人に残したいと思わせられるか?」を考えていました。そしてガラス張りで明るそうな島の役所が完成。丈夫に美しく仕上げたそうです。
そして20年前(木曜クラス)で建てられた最も高い建造物のとなりに、さらに高いタワーが登場!「Go⚪︎gle」って書いてある…現実世界でも高さを競う風潮がありますが、こどもたちもやっぱり何かそそられるらしい。
さらにビックリ、みらいの家に突然 "パイナップル建築" が登場!この見た目はインパクトがありすぎ。それに自然感が満点で、なんだかハッピー!島の名所になること間違いなしでしょう。
いよいよ世紀末も近づいてきた土曜クラス。このあたりから ”浮く⚪︎⚪︎の” アイデアがたくさん出てきました。「飛ぶ車!道路がいらなくなる」「建物も浮かせたい」。そして、空に向かって高く高く、建造物が伸びていきました。
21世紀も終盤になり、空飛ぶ車が大ブーム。あっという間に量産されていきました。好きな外装にできるのもポイントで、カラフルカーやお寿司カーのデザインも!
とうとう宇宙へGO!なんとその手段は、エレベーター。近くに鳥居があり、神社本体がないということは…はるか天空にいくと、あるのかも?いつかエレベーターに乗ってお参りできる日がくるのでしょうか。
エレベーターや空飛ぶ車があれば、行動範囲は上下に広がる!見上げてみると、空中に浮く島ができていました。家やお店があるようなので、これもまた小さな村でしょうか?この住環境は謎の宇宙エネルギーにより維持されているとのこと。
数々の未来的な発想が生まれていく中で、「未来には古代の生物が復活すると思う」という意見が。これまた斬新な発想ですね!制作を担当した子の熱意が感じられました。
作品に植えられている木の1本1本には、いつ植えられたものかわかるように小さな印がついています。はじめの頃のものはすっかりなくなっているだろうと思っていたら...「見て見て!」島に元々あった木が、1本だけ残っていたことが判明。樹齢300年近くということです。「これは使えない!」「大事にしよう」
おめでとう、とうとう22世紀がやってきましたね!ファイナルとなるこのクラスは特別なワクワク感がありました。前日までのみんなの作品を引き継いで「来てるね!未来が」「事故が起きてる!」各地で起こっているさまざまな"未来"をひとつずつ眺めてからスタートしました。
最後の話し合いでは、思い残しのないよう、未来にあってほしいものや、より良くできる何かはあるかを考えていました。「恐竜動物園を発展させたい」という子たちが最後に作った、恐竜の姿。まるっこくてかわいい恐竜が、自由に島の中を歩き始めました。人と共存している!
「いろんなロボットがいるでしょう!」という子も数名。道路を見守る?車型のロボット、観光案内をする猫型ロボット、役割をもった、様々なタイプのロボットが出現しました。
空中に標識ができて、本格的に飛ぶ車社会の到来!空中だから道路もいらないそう。動きを想像しては「これで成り立つのかなあ!?」などと話し合い、新しいモビリティの形を考えていました。現実社会でも、そろそろ飛びはじめそうですしね!
「土地を整えたい」「信号がなかったから作ろう」と、最後の最後まで島の景観や安全を守ろうとする動きもありました。他の国から島全体を守るための壁も建てられていて、こどもたちの思い入れが伝わってきます。
前のクラスで見つかった「1800年の木」は、いつの間にか専用の保護エリアが作られて、大切そうに収められていました。こどもたちの気持ちが、こうして形になって表れています。
このプログラムの最終回では「その頃の人たちは、どうしているんだろう?」と想像して、ひとりずつ手紙を書いて残してもらいました。イメージやメッセージなど、自由な形で書いていました。
さらに実際に22世紀を担当した日曜クラスでは、終了時の植樹の代わりに実際の生活の様子を絵や言葉で表現してみてもらいました。それぞれが想像する未来の日常風景、家の間取りや仕組み、お出かけ先など、いろんな場面が描かれました。