おやつの時間!ではありません。実はこの中のひとつは、にせもののドーナッツです。「うそ!」「どれだ?」「これがあやしい!」「あーつついた」「これは本物だった」「あーこれちょっと青すぎる!」スタートからにぎやかです。
にせもののドーナツの正解を伝えると「えっこんなにおいしそうなのに?!」「かたい」「なんだこれ!」今月は、そっくりドーナツを目指していこう。 立体物を複製する技法に挑戦しながら、いろんな素材を体験します。
にせもののドーナツを作った材料はこちら。「小麦粉でしょ」「さとうじゃない?」初めて触れる子も多い石膏について紹介。水と反応して硬まる性質があり、美術の彫刻作品のほかにも建築材料や歯科の型取り、漢方薬などまで、実は幅広く使われています。
まずは石膏の扱い方を体験していきましょう。先に流し込むための型づくりとして、丸めた粘土の真ん中をコップのようにへこませて、溶いた石膏を流し込むための穴を作りました。
石膏の扱いには細心の注意が必要です。水の中に石膏の粉を少しずつ入れながら、徐々に下に沈んでいく様子をみていきます。まだ混ぜずに石膏を追加していき、水面に少し乾いた粉が出るくらいになったらOK。
石膏はカップの下の方から、化学反応が始まっています。「もういい?」「もう混ぜていい?」など細かくチェックしてもらいながら、「OK、混ぜよう!」の合図が出たら、底からしっかりかき混ぜます。
よく攪拌したら、先に作っておいた型に流し込み。こぼさないように...あふれないように...緊張気味のキッズたち。「もっと作りたい!」と残りの粘土でさっとミニサイズの型を作り、余った石膏を流し込む子も。
流し込んだ石膏は10分ほどで固まり始めます。まだ効果の途中ですが...そっと取り出してみると「カチカチだ!」「なんかあったかい!」石膏からがんばって硬化している感じが伝わってきて、なんだかうれしそう。
粘土の型と石膏の使い方を体験したところで、お楽しみのドーナツの制作へ。先ほどよりも大きな粘土のかたまりに、ドーナツを流し込むための形を掘っていきます。
実物大で作りたいのですが、これがなかなかたいへんです。ドーナツの穴と石膏を流し込むための穴、両方とも"穴"だからか「あれれ?」頭がこんがらがる子も。また型が浅すぎるとクッキーのようにぺったんこのドーナツになっちゃう!
プレーンな形からお花みたいな形まで、それぞれの好みの型を作っていました。しっかりした型にするため、用意した粘土はやや硬め...ヘラを使ったり、スプーンを使ったり、いろんな道具で工夫しながら掘り進めていきました。
前回石膏がだんだん固まるおもしろさに触れたこどもたち。作っておいた型に流し込んで、お好みのドーナツをどんどん作っていきます。また石膏を使える!とわくわくのスタートです。
前回よりも石膏をたっぷりと使います。しかも今回はドーナツの生地らしくなるように、色をつけますよ。「いちご!」「抹茶味もいいね」「私はチョコ」お好みに合わせて、石膏の中に絵の具を混ぜて色付きの生地にしていく方法を伝達。
石膏も絵の具も一緒にまぜまぜ。「おいしそう〜」石膏の変化をよく観察して撹拌しました。水分と粉がしっかり混ざり切っていないと、きれいに固まりません。しかも混ぜる回数が少ないと、硬化に時間がかかってしまうので要注意。
「うーん、まだかな?」しばらく混ぜていくうちに、飲むヨーグルトみたいだった液体から、だんだんとソフトクリームのような感触になっていきます。ここは各自の見極めが大事なので、自分の目と手でしっかり状態を見るように伝達。
粉の加減や混ぜ方によっても、反応する時間がそれぞれ違います。何人かの子は「もっちりしてきた!」と混ぜている棒がだんだん重たくなってくる感触がわかった様子。よし今だ、「流し込もう!」
この流し込みのタイミングを逃すと、型の間に空気が入ってしまったり、ヒビ割れの原因になっていきます。ちょうど良いところで手早く一気に流し込み、固まるまで動かさずに硬化を待ちましょう。
10分ほど置いておいたドーナツは...「カチカチだ!」触っても凹みません。どんなドーナッツができるのかな?型から取り出して出してみよう。
「本物みたい!」「いいなー!」キッズたちが大興奮。ちょっと凸凹している表面の感じまで、まるで本物のドーナツさながら。硬化で発熱している感じが、これまたたまらない。「もっと作りたい」「次は違う味で!」
味変はもちろん、自分の型に少しアレンジを加えるのもよし、他の人の型と交換するもよし!作り方も覚えたら、どんどん作ることができます。ただし石膏の扱いはなかなかむずかしいので、ひとつひとつ落ち着いて制作しましょう。
みんな「増やしたい!」という意欲に燃え、「手が疲れた」「しびれた」なんて声もあがるほどいろんな工夫をしながらひたすら手を動かしていました。次回の仕上げも楽しみ。
トルネードの教室に、なんとドーナツ屋さんができていました。でも中はからっぽ、ドーナツもなければ、店員さんもいません。
「さぁ、開店の準備です!」ドーナッツ屋さんの帽子をかぶって、エプロンもつけたら、お客さんに売るためのドーナッツを作りましょう。
はじめにソースやトッピングなどの仕上げに使う素材を紹介。こちらのソースは絵の具とボンドを混ぜてツヤツヤ、とろ〜り。さっそく「楽しみにしてたー!」「早くやりたいー!」使いたくてたまらない。
トッピングは紙紐や粘土を細かく切って、チョコチップやナッツ、フランボワーズなどに。「わーどうしよ」「どれも使いたい!」「迷うねー」気になる素材がいっぱい。想像力がかき立てられて、早くも「いいアイデア思いついた!」の声も。
勢いで飛びつく子もいるかな?と思いきや、それぞれ「こんな仕上がりにしよう」と想像して、何を、どの順番で載せるのかをじっくり考えて、ひとつめの制作がスタート。落ち着いた様子で真剣さが伝わります。
まずはソースをかけてドーナツをコーティング。たっぷり塗るのがおいしく見えるポイントのようですが、ソースが「たれる感じ」までもこだわりがある様子。
ソースの上からアイシングをかけて、爪楊枝で模様にしていた子も。「本物みたい!」「これは騙せそう」など、より本物らしく見える工夫をしていました。
キャラメルチップ?アーモンドスライス?ミックスナッツかも!自分の好きなもの、家族が好きなものを想像しながら、パラパラと振りかけていました。ここもそれぞれに「ちょうどいい感じ」がある様子。
「できた!」かなり本気の仕上げ方をする子が続出。うそっこドーナツとわかっていても、リアルに美味しそう。こんなの売ってたら買っちゃうかも…
自然で素朴な仕上げにこだわる子、とにかく派手派手ドーナツを目指す子、アイシングをランダムに散らして大人っぽいドーナツに仕上げる子、など「いかに他の子とちがうデザインにするか」まわりの作品もよくみながらそれぞれ工夫を凝らしていました。
できたドーナツをお店へ納品して、ショーケースに並べよう。特におすすめドーナツは、お客さんから目が届きやすいところにディスプレイ。お迎えのお母さん、お父さん、テイクアウトしてくれるかな?
運ぶ姿も、まるでドーナッツショップの店員さん。器用に両手持ちをして運んでいました。
さて、お迎えの家族が来ましたよ!「いらっしゃいませ」「こちらにどうぞ!」「どのドーナッツにしますか?」お父さんお母さん、店員の我が子たちに「うわあ!かわいい!」思わず駆け寄る方も。それぞれ記念撮影をパチリ。
お店の横では、売れたドーナツを次々と袋に入れてくれた高学年の子たちの姿が。「はやく次持ってきて!」手際もよく、思わず「おつかれさまです!」