2025.2 おかおかお

おかおかお①

絵肌の質感や凹凸、光沢などの
“マチエール”には
描き手の個性が強く表現されています。

ツルツル、ガリガリ、
ザクザク、キラキラ。
その作品ならではの雰囲気を醸し出し、
唯一無二の輝きを感じさせる質感は
どんなふうに作られるのか。

様々な画材をはじめ、
意外な素材や技法も絡み合わせながら
研究をすすめました。

プロセス

  • マチエールをみよう

    これはモネの「睡蓮」の花の部分。拡大してみると、「ボコボコ!」「えっ何これ?」「適当に描いてるように見える」と様々な声。絵が醸し出すオーラには、色や形だけではなくこの質感、マチエールも大きく関係しています。いろいろな画家のマチエールを紹介しました。

  • まちえーる?

    今回は絵を描くというよりも、マチエールを研究します。...と伝えると、みんなポカン?とした様子。でも実際に、液体の絵の具や粉、粒状の素材などを紹介すると「おお〜!」「楽しそう」「やってみたくなった!」

  • 支持体は床のタイル!?

    この制作は、ガリガリ、ゴリゴリしても平気な丈夫な支持体が必要です。紙や板は使わずに、床のタイルに描く!「床に描いていいの?」「踏めないじゃん」と言いつつも、何かがはじまりそうでワクワクするこどもたち。こんなの初体験!

  • 春夏秋冬

    はじめに床を「春」「夏」「秋」「冬」の4つのエリアに分けて分散し、それぞれの季節を感じさせるマチエール作りに挑戦していきます。すごく感覚的な制作だけど、季節であれば何となくイメージがある様子。

  • 材料や道具は選び放題!

    素材と画材と道具がずらり。「使い放題だ!」「どれでもいいの?」とワクワクしながら自分の季節感に合いそうな組み合わせを選んでいました。

  • ペインティングナイフ

    使い始めてすぐ「これは便利だ!」とみんなの必須アイテムになっていたのは、油彩用のペインティングナイフ。絵の具を混ぜるのも、平らなタイルに塗り広げるのも自由自在。

  • いろいろ試したい

    ローラーやヘラなど、画材との相性は使ってみないとわかりません。「とりあえず試そう」「使ったことないけどやってみる」興味の赴くままにあれこれ試していきました。

  • これは"秋"

    「これは秋だね」と、近くにいた他の子が思わず呟いたこちらの作品。一部が重なって混ざり合う偶然性のある色合いや、ナイフで擦りつけたマチエールなど、見る人の感覚を呼び起こす表現に成功。

  • これもマチエール?

    「これも画面に貼っちゃっていいの?」と指さすのは、木材の切れ端やスポンジ、粘土など。貼ってしまえばマチエール!ということでOKすると、そこからまた新しい表現が生まれていました。

  • 感覚のタイル

    ひとしきり画材や素材を試したところで、改めて「感覚のタイルを作ろう」と声掛け。甘い、辛い、こわい、涼しいなど、様々な感覚を1枚のタイルに表現することにチャレンジ。

  • キーワードは秘密でOK

    どんな感覚を表現するのかは、制作中は自分ひとりの中にしまっておきます。迷いながら始めてもいいし、途中で変わってもいい。自分の内面の感覚を表現するために集中していきましょう。

  • 「よし、あれにしよう」

    一度自分が表現したい感覚が決まったら「どんどんやるぞ」と意欲が高い。ふと見ると、タイルの上に何かがムクムクと盛り上がってきている!どうなっていくのか見ている方もワクワクです。

  • いろんなマチエール

    にんまりしながら制作する子、何を表現しようか迷っている様子の子、そのプロセスは様々でした。なかなか決められない子は色や素材を使った表現を先にスタートして、テーマを後から考えるという方法もありました。

  • 深みのある表現に

    いろいろな画材を使うことに慣れてくると、短時間でいろんな展開を起こすことができるように。色やマチエールの重なりから、だんだんと深みのある表現ができていたのには驚きました。かっこいい。

  • 楽しすぎる〜

    「おもしろい」「ずーっとこの制作でいいくらい」とつぶやく子も。絵の具や素材をどんなに盛っても、削っても、重ねてもへこたれない支持体だからこそ、みんなそれぞれ思う存分チャレンジができた様子です。

  • 何かが起こりそうなタイル

    触れると「熱っ」となりそうなタイル、見るなり「こわい!」と感じるタイル、中には「めんどくさい」タイルも登場!この色とこのマチエールで「なるほど〜」とみんなの感覚が呼び起こされていました。いろんなマチエールの発明ができましたね!

さくひん

おかおかお②

身近な画材を握り
ぐるぐると線描きを始める赤ちゃん。
3〜4歳くらいになると
人の顔のようなものを描き始めます。

そこから多くのこどもたちは
自分なりの”顔の描き方”を
見つけていきます。
でも本当はもっともっと自由に、
さまざまな形の表現方法があります。

このプログラムでは”顔”の表現の
まほうのようなおもしろさを
体験していきました。

プロセス

  • なんでも顔になる?

    木などの自然物の肌が、たまたま顔に見える現象、シミュラクラ効果をご紹介。「めっちゃおじさん」「二人いる!」

  • 何でも顔にしてみせます

    身近なものを何でも顔にしてしまいます。試しに、1本のひもを「ここに落としてみて」とクラスの一人にお願いしてみると、例えばこんな形に。ただのぐにゃぐにゃした線に見えますが...

  • 顔になった

    丸をふたつ置くだけで「うん、顔だ」「かわいい」もうひとつ置いてみると「あ、口だね」ものを置く位置によっても表情が変わるので、作るたびにいろんな顔に変化していきます。「やってみたい!」

  • ランダムな顔づくり

    まずは自分でひもを落として、できた形をクレヨンで別の紙に描きます。「これでも顔できるのかな」「へんな形になったけど」はじめは半信半疑な子もいましたが、丸いシールを貼ってみたら「...なった!顔だ!」

  • いろんな顔が増えていく

    これもあれも、そん形でも、みんな顔になっていく!他の人の作品をまじまじと見ては「これはこんな感じに見える」「見て見て、こんなのできた!」わざと変なところに目をおいててできる、意外な顔を楽しんでいる子も。

  • ぜんぶちがう!

    ずらっと並べて貼ってみると、見事に全てちがう顔。斜め、横顔、ちょっとかしげた顔など、自然といろんな角度の顔になり、表現の幅が広がっていきました。ひとつのひもの中に2つの顔を見つけた子も!

  • かおのかたちは?

    次は木の板の上に何枚かの紙を落として、たまたまできあがる形を試しました。紙と紙が重なって、ずれて、中にはスルッと滑って板からはみ出してしまう紙も。これまたみんな違う落ち方をしていきます。

  • できた形をなぞると…

    そのたまたまできた形をえんぴつでなぞったら、ノコギリで切ってみよう。「ん?こんな形でもいいの?」どんな形でももちろんオッケー!できた形は次回の顔の制作に使います。

  • 複雑な形を切る

    角が欠けている、くぼんでいる、曲線になっているなど、それぞれ凸凹のある不定形。のこぎりだけではカットできない部分は糸鋸も使って、どうにか形をカットしていきました。

  • 次回に使います

    久しぶりののこぎりの制作で、得意な子は大張り切り。細かい形に苦戦する子がいたりしながらも、やすりかけまでできました。次回の制作もお楽しみに!

おかおかお③

紐や紙を使って
摩訶不思議な”顔”ができることを
体験してきたジュニアのみんな。
この回はそこにマチエールを加え、
さらに表現を深化させていきます。

「だれか」のような、「なにか」のような
人のような、動物のような…?

線や形に、色や質感が加わることで
実にユニークで、味わい深い
豊かな表情の顔が生まれていきました。

プロセス

  • 肖像画のマチエール

    いろんな画家の魅力的なマチエールを鑑賞。ルオーの絵には「もこもこだね」「猫の手で押したみたい」、デュビュッフェの描いた肖像画には「笑ってるけど腹黒い感じがする」などいろんな声があがりました。

  • 不定形の支持体

    前回、紙をパラパラと落として偶然できた形に切り出した木の板。今回はこれを支持体にして描いていきます。どうなるんだろう?

  • 下地づくり

    何も描かれてい画面には、みんな「どうしようかな」と一瞬戸惑うもの。でも描き始めてしまえば、ぐんぐん動き出していきました。ナイフ、ハケ、スポンジ、筆など自分が使いたい道具を選んだら、大きめの画面に迷いなく描いていきます。

  • 重ねる、盛りあげる

    タルクや砂、ボンドなどを使って、凸凹のある表現が人気。いろいろな素材を使った体験をしていくこうちに、描くだけではなく削る、重ねるなどの表現のおもしろさを知り、「楽しい」「見て見て!」などの声が上がっていました。

  • いつもの画材も

    色鉛筆やペン、チョークなど普段からよく使う画材も、ここに混ざるとそれぞれ特徴のあるマチエールを生んでくれます。

  • 目、鼻、口?

    ここでもまた「ひも落とし」が登場。既成概念にとらわれず、今まで描いたことのないような表現にも挑戦していくきっかけになりました。

  • 絵が変わり続ける

    乾いた下地に描く?濡れてる下地に描く?下の状態によって、次に生まれるマチエールは大きく変化します。こちらの子は乾かないうちに指で跡をつけたり、何かを押し付けたりしながらどんな表情が生まれるか研究中。

  • これはなんだ?

    今まで使ったことがない、メタリック素材やツヤのある素材も登場。麻の繊維や砂利などを使ったりしてボリュームもアップ!さらに今回は顔の制作ということで、化粧品も用意してみました。

  • 素材に興味津々

    沢山の素材の中から見つけ出した松ぼっくり。素材としてそのまま付けるのも良いと思いますが、絵の具をつけて転がしたらどうなるかな?「あれっおもしろい跡がついた!」みなさんこの1ヶ月で表現の幅が広がっていました。

  • 道具か素材か?

    「これも画面に貼っちゃっていいの?」と質問が出るものも。「スプーンが使いたいんだけど、これもマチエール?」と画面に貼り出した子まで!いや、それは一応道具のつもりでしたが…おもしろいのでオッケー!

  • 教室中で素材探し

    あれれ?これはもしやキッズが作ったドーナッツでは?! 教室を見渡して、素材に使えそうなものを探し歩いた様子。なんでも素材になるし、道具になるのだ。

  • 家から持参しました!

    あれ?こんな素材あったっけ?と思ったら、なんとマチエールに使いたくておうちからセメントを持参したとのこと。凸凹が楽しそう!それにしても家にセメントがある子って珍しいですね。

  • 「いい!この感じ!」

    どんな素材や手法でブレイクスルーが起きるか、それぞれで楽しみながらの制作でした。ぼさぼさ感、もこもこ感、こどもなりにしっくり感じられるものを探し出そうと、プログラムの終了時まで手が動き続けていました。

さくひん

アートスクール・トルネード

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