2021.3 えいえんの絵

えいえんの絵①

画家で絵本作家の安野光雅さんを
ジュニアのこどもたちに紹介。
「見たことある」「家に本がある」「知ってる」
などの声がたくさんあがりましたが、
改めてよく見てみると「…ん?」
「この絵なんか変じゃない?!」
安野さんの本には、ページのあちこちに
遊びやトリックがいっぱい。

『あいうえおの本』から
木目模様の文字を選んで描き
そのすごさやおもしろさを体験していきました。

プロセス

  • 安野さんの作品をみる

    昨年末になくなった安野光雅さんの仕事を紹介。デビュー作の『ふしぎな絵』や『旅の絵本』シリーズなど、お父さん・お母さんの世代から読み継がれている作品多数。

  • 木製文字をえらぶ

    『あいうえおの本』から、安野さん風の木製文字の描写に挑戦してみることに。自分の名前や好きなキャラクター、ペットの名前など長すぎない名前を選びました。

  • 文字をトレースする

    木製文字を印刷した紙の裏を鉛筆でゴシゴシ塗り込み、カーボンのように別の画用紙に形を描き写しました。初めて体験する技法だったようで「おお!」「これは便利」

  • 透明水彩で着彩

    形ができたら透明水彩絵の具で着彩がスタート。全体的にやさしい色合いですが、しっかりと陰影もついていることに注目。絵の具は乾くと色が薄くなりがちなので、少し大胆に使ってOKですよ。

  • 木目を描きこむ

    つけペンと茶色インクを使って、木目の細密な描き込みに挑戦。細かい作業が得意な子は「楽しい!」苦手な子は「つ、つらい…」それぞれの進めやすい方法を探り木製文字を仕上げました。

さくひん

えいえんの絵②

実際にはあり得ない不思議な絵を参考に
「不可能図形」に挑戦。
エッシャーや安野光雅さんが描いた
永遠に続いていくように見える作品は
見れば見るほどおもしろく
迷宮の世界に引き込まれていく子どもたち。
その謎を解読しながら
それぞれの作品づくりを体験しました。

プロセス

  • 不可能図形を紹介

    ペンローズの三角形をはじめとした「不可能図形」をこどもたちに紹介。安野さんの『ふしぎなえ』やエッシャーの作品のおかしなところに注目!

  • 図形を構築する

    紙製の立方体風ブロックを並べて、不可能図形を作ってみることに。初めはみんな同じ構成を試してみましたが、コツが分かるとだんだんオリジナルの形の実験がしたくなる。

  • 不可能図形を描く

    「えいえんの絵」の制作へ。図形が正確なほど、現実にはない見え方が強まって面白くなる制作のため、みんな少しずつ丁寧に進めていました。

  • 全体を整えて仕上げる

    仕上げは水平・垂直を意識して構造を整えました。高学年の子たちを中心にかなり頭をひねらせていた様子で「いい形ができたんです先生!」とうれしそう。

  • 世界観をイメージする

    不可能図形を描いたら、具体的なイメージが見えてきた子も。はしごをかけたり、窓やドアがあったら建物にもなる。車や、ブランコなども置いたら道路みたいになりそう…ミニチュアの世界観ができてきた!

  • 小人用の写真をとる

    制作の合間に、自分の絵に登場させる小人用のポーズを撮影。カメラの前でいろんなポーズをとったら、次回の制作で使えるように出力をしておきます。

さくひん

えいえんの絵③

絵の中にだけに存在する
歪んだ世界に入り込み
小人になって遊んでみよう!

登ったり、降りたり
飛んでみたり、ぶら下がったり。
「あれ?」と感じさせる仕掛けができると
思わずニンマリ笑ってしまう
ふしぎな絵の制作でした。

プロセス

  • インクでマスキングする

    絵の具の色ぬりの際、はみ出すことを気にしなくてもいいようにマスケットインクが登場。はじめて使う便利グッズに「おもしろそう」エッジをていねいにカバーしていきました。

  • 絵の具で地塗りをする

    透明水彩絵の具で図形のベースの色を塗りました。木製?それともレンガ?「何の素材にしようかな」としばらく悩んで考える子も。絵の具が乾いたらマスケットインクをはがして気持ちいい!

  • 質感を描き加える

    さらにそれぞれの図形に木目、鉄、土などの素材感を描き加えていきました。「スポンジみたいな素材もいいの?」「ガラスみたいのがかけたらいいな」うーん、チャレンジしてみようか。

  • 小さい自分を置いてみる

    小さくプリントした自分の写真を切り抜いて、不可能な世界で遊んでみよう。「自分がいっぱいいるってありえない」他の人のいいポーズを発見して「この人がほしいです」など盛り上がりました。

  • ふしぎな絵を仕上げる

    延々いろいろなアイテムを描き加えたくなる、この不思議な絵の世界。遊び始めたら楽しくて止まらない。他の子の作品を見るのもまた楽しい時間でした。

さくひん