レポート

かぜとかみなり

2018.01

風や雨を巻き起こす風の神さまと、稲妻を落とす雷の神さま。なんだかトルネードっぽいテーマだなと思いますが、古くから多くの画家によって様々な『風神雷神図』が描かれてきました。最近では某美術関連のテレビ番組を通してこどもたちにもおなじみの様子で「知ってるよ!」「風神と雷神がデートするんだよね」なんて声が多数。せっかくの機会なのでさらに作品の見方を深めてみようと思い、この授業では先生たちが実物大の屏風のサンプルを用意して、こどもたちと鑑賞しました。

 

『風神雷神図屏風』 俵屋宗達(1570頃ー1630頃)
江戸時代、京都の寺の再建時に寄贈されたという作品。現在は京都国立博物館に寄贈されています。描かれている風神・雷神の目線は、鑑賞者の視線を風神→雷神→屏風の前にすわる人物、と誘導するよう工夫されているそう。屏風の前に座って見上げると……すごい迫力!

テレビや画集では一枚の平らな絵として認識しがちですが、これは屏風絵なので、正しくは画面を折り曲げて、床に座って見ることを前提に描かれた作品です。実際に屏風の前に座ってみると……金色の大画面に包まれて、目には見えない風が吹いているかのような不思議な体験をすることができます。画面の外側にまで音や空気が流れていきそうな勢いもあり、画面の構成のすごさに圧倒されます。琳派の絵師をはじめ、たくさんの模写作品が存在するというのもうなずけますが、「やっぱり(俵屋)宗達すごいなあ」というのが多くのこどもたちの感想でした。そんなふうに日本画の渋さやおもしろさがわかる小学生たちも、けっこうすごいと思うぞ……。

お楽しみの模写の制作は、ミニサイズの屏風のベースづくりからスタート。4枚の板を2枚ずつセットになるように蝶番でつなぎ合わせました。蝶番は紙製でごくシンプルなものですが、ほぼ360°開閉できる伝統的なしくみを紹介。地味な技術ながらも「おお〜!」と感心の声があがります。

本物の屏風と同様に、屏風の裏面を『唐紙風』に仕上げるため、各自オリジナルのスタンプでもようをつけて、屏風ベースができました。

翌週は金箔風の極薄の紙をひたすら画面に貼りつける作業。はじめはスムーズに思えましたが……やれどやれども果てしない!

こどもたちの工夫の見せ所!「この列を先に貼るとまちがわない」「粘着面を先に準備しておく」「わざと2mmくらい重ねるときれいに見える!」驚くほど作業スピードが早くなり仕上がりも良くなっていくこどもたち。「意外とたのしい」「もっとやったらうまくなりそう」ツボにはまる子も。全員、見事に金箔風の画面が完成しました。

3週目になり、やっと風神・雷神の描写に。絵の具やペンを使って、それぞれ細かな部分までできるだけそっくりに仕上げていきました。

たくさんの工程を積み上げ、かなり作りごたえのある制作でした。あたまから湯気でてた!?