2021.10 オトンヌ

オトンヌ①

ぎゅっとぬりつぶせ!
えんぴつだけを使って
大きな紙をすみからすみまで
しっかり塗りつぶし。
シンプルな行為が、じわじわと面白い。

真っ黒でピカピカ光る鉛筆の質感で、
お迎えのお母さんやお父さんも「すごい!」
びっくりの出来栄えになりました。

プロセス

  • えんぴつが主役

    画材の使い方の幅を広げてみよう。文字を書いたり、線で描くドローイングにとても便利なえんぴつ。実は塗りつぶした時の色味もとても綺麗なのです。今回描くモチーフは、黒ければ黒いほど新鮮な「あきの果実」。黒いほど新鮮ならば……みんなで紙を真っ黒にしてみよう!

  • 鉛筆で塗り込む

    すごい勢いではじまった制作でした。最初にがんばりすぎて途中で「もうだめだ…」という子も「一緒に塗ろうか?」という子とペアになったり、だんだんとちょうどいい力加減のコツを掴んだり、教室はしばらく、えんぴつを塗るゴリゴリ、サラサラ、という音だけの状態に。

  • 紙をしっかり黒くする

    「いやいやまだまだ!」「もっと黒くできる」疲れるどころか、どんどん燃えていく子も!? 塗った画面に迫力が出てきました。シンプルな「塗りつぶし」にはこどもたちが没頭してしまう何かがあるみたい!?

  • なすびの絵にする

    秋の果実はなすびでした。「だいすき!」「やったー!」の声が多かったですが中には「味がにがてー!」な子もいましたね。つやつやピカピカなすびと、みんなの塗った紙のテカテカ具合がそっくり!

  • なすびの形を切り出す

    大きな紙をたっぷり使い、大きななすびの絵になるように切り抜きました。実と同じく、黒っぽいヘタの部分は、切り抜いた画用紙のあまりを大事に使って別パーツで制作。

  • 反射光や色を調整してみる

    ジュニアやラボでも使っている「練りゴム」でちょっぴりオトナ仕上げ。ピカっとした部分や、ヘタに隠れたちょっと色がうすい部分などにチョンチョンと練りゴムを当ててえんぴつの粉を取ると…雰囲気満点!

  • 紙に貼って完成

    白い画用紙になすびの形を貼ってみると、なすびの黒が引き立ってかっこいい。お迎えに来た親御さんからも「うわあ、すごい!」「いいねえ」と声をかけられていました。ちょっぴり苦手だった子も「今日だけはなすびが食べたい!」その日の食卓に登場したかも?

オトンヌ②

日本の油彩画の第一人者である
高橋由一さんが描いた「鮭」の絵。
どうして体が縦になってるの?
そしてちょっと食べられてる!?
よくみると不思議がたくさんある…

ひとつずつのパーツに分けて
じっくり模写していくと、
じわりじわりとうまみを感じるような
味わい深い作品ができました。

プロセス

  • 「鮭」の絵を見てみよう

    この絵を見たのはみんなはじめてだったようですが、この絵がテーマになった某テレビ番組の「鮭ミラーボール」という映像作品は多くの子が知っていました。「おいしそうだね」「鮭だいすき!」という子も。くいしんぼうにはたまらない絵!?

  • 模写しよう

    由一の絵は油絵で描かれています。成分が似ているクレヨンで模写にチャレンジ!どこを切り取ったとしてもちゃんと「鮭」だとわかるくらい、どの部分も徹底して細かいところまで描き込まれたすごい作品。パーツに分けて見るとさらによくわかります。

  • 紙の端からスタート

    絵をよくみると、鮭は縄でぶら下がっています。これは昔ながらの魚の保存方法。まずはその縄から描きはじめました。ぼさぼさ・がさがさした感じも描くと雰囲気が出ますね。ちょっとだけ入っている色もよく見つけて描いていました。

  • しっぽはどんな色?

    「なんだこのかたち!」と各クラスでちょっと盛り上がったのはしっぽのパーツ。ここだけみると他の生物みたい?形を描く時のヒントになっていたようです。

  • 顔を描く

    大きい口は鳥のくちばしのよう!鮭独特の顔。力強く色を重ねるとクレヨン成分がねっちりと載って、ちがう色同士が混ざり合う効果も体験。みんな時間をかけてじっくり描き込んでいました。

  • お腹の部分も描く

    一番大きな部分、お腹を最後に描きました。この鮭は少し食べられた後だったのか中身まで見えています。こどもたちから「おいしそうだな」という声が聞こえてきたのはここの制作中。しっかり描写にも表れているなあと感じました。

  • 後ろの色に注目する

    由一の絵の鮭は背景に「壁」があることを感じさせます。そのポイントは「影」。鮭のまわりに見えた暗い色をパステルで載せてみると…「鮭がとびでてるみたい!」雰囲気抜群の作品に。

オトンヌ③

おおきなものから
ちいさなものまで
まる、まる、まる、まる
まるだらけ。

アーティストの草間彌生さんは
水玉の女王と言われるほど
たくさんのまるを描き続けています。
たくさん集まることで生まれる迫力。
描くことで体験してみよう!

プロセス

  • 水玉だらけのアーティスト

    草間彌生さんの作品は、絵画や立体、空間までもが水玉だらけ!草間さんは、小さな頃から見える景色に水玉が見えていたという逸話があります。かなり大きな作品をこつこつと手で描き、作り上げる執念がすごい!ポップさの中にある迫力はそこから生まれているのかも。

  • 丸を描いてみよう

    制作のスタートアップに、いろんなサイズのまるに挑戦。筆で描く丸は、ゆがまないよう注意してみよう。筆づかいのコツを掴むために、いろんなサイズの丸にチャレンジしました。

  • かぼちゃに描こう

    草間さんの作品にもたくさん登場する「かぼちゃ」の形。キッズのみんなは本物のかぼちゃに描いてみよう!小ぶりのミニかぼちゃが登場。

  • 全体の色をぬる

    かぼちゃ全体の色を塗り、ベースを作ります。凸凹のところもしっかりと塗りつぶし。みんな言わなくてもとても丁寧に制作していました。

  • 水玉を描く

    新種のかぼちゃがたくさん誕生!? ひとつずつの丸の形を整えながら描くとさらに迫力が出ていましたね。小さいけれどすごくインパクトのある作品。おうちの涼しいところで飾ろう!