授業前の数分でも、「紙ちょうだい」と描き始めるくらい、絵を描くことが好きな子も多いトルネード。中には画家に詳しい子もいてびっくりすることも!そんなこどもたちに、あるひとりの画家の絵を紹介しました。
部屋の中、イス、女の人やおじいさん、時計台。絵のモチーフはいろいろです。絵が登場するごとに、こどもたちがそれぞれどんなものを見つけたか質問してみました。「服のボタンの色は?」「部屋のドアはいくつだった?」絵を見ること自体が楽しくなってきたこどもたち。
「いろんないろがまざってる」「ざらざらしてそう」絵の色やタッチが気になってきたこどもたち。紹介したのは、オランダの画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの絵。画家として活動した10年間に、2000点もの作品を残したそうです。「ゴッホってみみをケガしたひと?」よくご存知で!
ゴッホは、たくさんの自画像を描いた画家としても有名です。油絵具を使った色彩豊かな作品。「この絵、かおがみどりだよ」「こんな色もつかうの?」それでも、どれもちゃんとゴッホの顔なのです。すごい!
帽子や着ている服もそれぞれ違う。ゴッホはお洒落好き?描かれた背景やアイテムも様々です。おヒゲもあったりなかったり、なんとぼうず頭の自画像まで。描いてみたい一枚を選びました。
色にあふれたゴッホの自画像、「どこから描いたらいいの!?」みんなドキドキのスタートです。おすすめは「鼻」!紙の真ん中からはじめよう。こどもたちそれぞれ見つけた色を使って描き始めました。
鼻から少しずつ色のエリアを広げるように描いていきました。みどりやあかなど、肌に使うには意外な色も、ほんの少しでも見つけたらその通りに載せてみよう。「できてきた」見るコツがつかめてきたこどもたちは、だんだん深い集中へ…
見つけた色を追いかけるように描き進めていくと、だんだんとゴッホの顔が表れてきました。驚くほどの観察力と集中力。こどもたちの発見がつまった1枚は見応え満点!
スイスの画家、ヨハネス・イッテンさんが考えた「色相環(しきそうかん)」。色がぐるりと1周していますね。全部で12色ありますが、この中のたった3色あればすべての色を作ることができます。色の研究のはじまり!
トルネードでは「色のおうさま」と呼ぶ色です。色の環(わ)の中に点在しています。原色がしっかり出るように、水を少なめにした絵の具で塗りました。間に3つずつの丸が空きました。この中に入る色はなんだろう?
きいろ+あお、あか+あお、あか+きいろ……色の足し算で、2色を混ぜた色を作ります。経験のある子はどんな色ができるのか予測がついていたようですが、環の中に塗り足してみると、色と色の繋がりが見えてきました。これをヒントに、のこりの丸の中の色も作ってみました。
パレットにできた色同士を、さらに混ぜていくとまた新しい色ができました。「これは、きいろがつよめのみどりだね」「ほとんどあかだけど、じつはオレンジ」3色だけとは思えない色のバリエーション。こどもたちは、混ぜる量の割合で変化する色の違いに興味しんしん。
じっくり色研究をしたこどもたち。次に自分のお好みの色を3色ほど(できる子はもっとたくさん)作りました。ここからは来週に続く大きな絵の制作です。大きな画面に塗るため、透明なのりを加え、絵の具をたっぷり使えるように準備!大きな筆を用意したら制作スタートです。
大きな画用紙をイーゼルにセットして、画家さながらのペインティング!作った色を敷き詰めたり、重ねたり。白い紙がすべて色になるまで、筆のリズムをつけながら描写を楽しみました。
かなりの大画面でも大きな筆をのびのびと使って描くこどもたち。色のパワーもあるのかも!? 紙からはみ出すまで、端までしっかり塗り込みました。
色の組み合わせと塗るリズムで、たくさんのバリエーションが生まれた!来週の制作では、この色をベースにした絵画制作を行います。
太陽の方をむいて咲くひまわり。花は大きく、ずっしりとした存在感!画家ゴッホの作品の中には、ひまわりを描いたものがたくさん。お気に入りの花だったのかな?
8月最後のキッズコースでは、ひまわりのデッサンに挑戦です。ひまわりの真ん中にはタネがあることはこどもたちもよく知っていました。じゃあ、真ん中のタネはどんな色かな?
タネの部分の色をそっくりに作りました。「くろにちかいちゃいろ」や「あかるくないきみどり」など、色に敏感なキッズのこどもたち。
絵の具の塗った跡がそのまま残せる「盛り上げ材」を、みんなの絵の具に混ぜてみると…いつもとちがった感触です。「クリームみたい」その効果を生かしてみよう。
筆の先を使ったり、太い筆の跡を利用したり、真ん中の種のところから、てんてん、つぶつぶ……
たくさんタネが描けてくると、どんどんまわりが描きたくなる!「タネのまわりはなんかポワポワしてる」「2色がまざってる」「タワシみたい」積極的によく観察していましたね。
たっぷり絵の具を筆につけて、ひとつずつしっかりと。花びらの筋と絵の具のタッチがぴったり!見てる通りの表現ができるから「おもしろい」「きもちいい!」
チューブそのままの色ではなく、混色にこだわった制作をしたキッズのみんな。ゴッホ風に花瓶を描いて仕上げた子も。重厚な、大きな絵画作品が完成!