一押しのアーティストはいるかな?とラボのみんなに聞いてみました。即「お気に入りはあの作家!」と答える子もいれば「なんだっけなあ」と悩み始める子も。資料を手がかりにしながら作家をひとりセレクトしました。
まずは作家のアートをじっくり観察するため、模写をしました。今回は1/10スケールでのミニチュア制作をするので作品もリアルサイズの1/10。実寸の感覚がなかった作品は「こんなにでかいんだ」「小さい!」とそれぞれ発見が。
小さい紙に描くことは、新たな制作チャレンジでもありました。細部の色や質感も再現するため、ちょうどいい特性をもつ画材を選んだり、先にどこの色から塗っていくかなどを考えながら制作。工夫そのものを楽しんでいる様子でした。
模写ができた子から、セレクトした作家についてのイメージ等をメモしていきます。できるだけリアルに基づく造形ができるよう、作家、時代背景に関する情報もネット検索や文献から集めました。
作家のアート作品からイメージするものや、検索していく中で見つけたエピソードや資料から、どんなところに住んでいて、どんなものを使っていたかのイメージを膨らませていきます。いわゆる妄想力も大事!?
今回は内装をメインに作るので、壁や床には作家らしい色合いを…と考えるのも楽しい制作。作家が生きていた国の風土や時代の流行・様式もリアルさをもたせる大事なヒント。
情報と想像を織り交ぜながら人物像を作り上げていき、いろんなアイデアが出てきたところで制作終了。次回から造形制作が始まりますが、作りたいものがなんだかたくさんありそうなラボのみんな。楽しみです。
制作サイズはみんな30×30×30cm。その空間の中に作家のアトリエを構築していきます。壁や床の質感は、それぞれ自分が想像する雰囲気やテイストに合わせて作る必要があります。
使う素材・技法はどんなものがいいだろう?アクリル絵の具で色、塗り方に変化をつけたり、さらに粉素材を混ぜてザラザラ感を出したり、木や布など素材を並べて表現したりと、さっそくいろんな工夫が。
部屋の形に組み立ててみると、すでにアトリエごとの雰囲気の違いが出てきました。作り込むほどリアルになっていくのがミニチュア制作の面白さ。みんなの制作に勢いがありました。
アトリエの中にありそうな、イーゼル、机や椅子などの什器も一から手作りしました。素材選びからカットの方法、接着する方法なども含めて、ある程度自分で選択・実践できるラボならではの制作です。作りたいものがいっぱいあるので、みんなとにかく手が早い!
雰囲気が高まってきて、もうすでに面白い作品に!でも、ここからがラボの真骨頂!? 記録や写真などには残っていないような作家性をイメージしてみよう。
アトリエは作家のアート作りのメインの場所。時代によっても、制作方法によっても環境は様々。兼居住空間にする作家も、室内でなく屋外で制作するストリートアーティストも。それぞれ自分の想像する環境を作り込みました。
作家の使用していたであろう制作道具を作りました。細かく作り込むのが面白いミニチュア制作。サイズ感ぴったりな素材を選んで、できる限りリアルに。
アート作品の色や表現技法などから、人はそれぞれいろんな印象を受けます。そんなアートからどんな人となり、性格を想像する?ふんわりした印象から具体的なものを表現していく複合的な制作です。
古くて使い込まれた感じなのか、新しいピカピカな状態なのか。道具や部屋の雰囲気を絵の具や、粘土の凸凹などを使ってリアルな質感を表現。大胆な作業と繊細な作り込み、制作時間のバランスをとりながら。
作家が描く動物の躍動感に感心していた子は「実際に動物を飼っていたのでは?」と想像。うさぎ登場!
例えばピエト・モンドリアンを選んだ子は、余計なものをアトリエに一切置かないキレイ好き、現代でいうミニマリストのような人物を想像したようです。うんうん、とても共感。
ワシリー・カンディンスキーを選んだ子は、壁にも床にも様々な色の絵の具が勢いよく飛んでる!音楽を絵画にした作家らしく、まるで踊りながら制作していたよう。
作ったアイテムを空間構成し、レイアウトを決めました。みんなのアトリエ作品を接写で撮影して見ると、そこに訪れてみたような視点になりました。誰かがそこにいたような存在感というのか…不思議な感覚になる作品がたくさん。