トルネードで度々実施するトレーニングメニュー。制作で使うグレーの幅を広げるため、鉛筆を使ってグラデーションを作りました。ぎゅっと短時間で完成させるには工程の工夫が必要です。
上田薫さんは2019年に99歳で亡くなる間際まで画家として制作を続けていた作家です。スプーン上のゼリー、割れたガラス、水面など、私たちも日常「きれいだな」と感じたことのあるような身近なものをモチーフに描きました。緻密で写真のような作品が、実際はとても大きなキャンバスに油絵で描かれていることを知ると、みんなさらに驚いていました。
上田さんの"たまご"を描いたシリーズがあります。その中でも特に白身の透明感の表現が特徴的な3点をピックアップ。こどもたちは好きな1点を選んで模写に挑戦。
平らな図版を見ながら描く、いわゆる平面デッサンの制作。立体物を観察するのとは見方が少し変わってきます。余白と絵の部分を両方比較しながら輪郭線で形をとらえていきました。
たまごの殻は、絵の中では唯一立体感を出しやすい部分。ここがかっちり殻らしく描かれていると、白身のとろとろな部分の性質が際立ちます。鉛筆のトーンを生かして丸み、表面の質感を高めました。
そして問題の?白身の描き込みも進めていきました。上田さんの緻密な表現は「どうなってるの?」「わけがわからない…」目をこらしてみてもわからない!?見えたものをとにかく描いていく愚直な作業。少しずつ画面に「地図」ができてくると手を進めやすくなってきたようです。
全体像を捉えたところで黒い背景の色をペイント。みんな絵の内側に絵の具をはみ出させないようできる限り慎重に、丁寧に塗っていました。背景の黒を入れたことで一番強い色が画面に入りました。それに負けないよう、次回は中の描き込みを進めます。