天然の木をうすく加工した"経木(きょうぎ)"。実はこれはおにぎりやお肉をつつんだりする昔ながらのラップとして活躍している素材です。うすいために曲げやすく、その曲線を生かした工作にぴったり。曲げ過ぎたら「パキッ」とおれたり、繊維が裂けてしまったり…という特徴がジュニアの工作レベルアップにはもってこい!?
ネーベルスロイドは、"星"の形をイメージしたクラフトだそうです。星の中で一番明るく輝いている、中心部分から組み立てていくのがベーシックなルール。しくみはシンプルなので、みんな「オッケー!」とすんなり組み立てできました。
経木のはじっこ同士を接合する時に、少し素材をひねることで立体感が出てきます。そのひねり方によってできる形が変わるため、意識していないと予想とちがう形に仕上がって、「なんでこうなるの??」と頭をひねる子も。何度か試してみて、わかってくるとスッキリ!
形をふたつくっつけ合わせることで、星の形がさらに立体的になります。ひとつの星を作り上げたら、ほとんどのこどもたちは仕組みが理解できていました。すごい!
うすい木が折れたり裂けたりしないように…素材の扱いのコツを理解しながら、自分なりにアレンジしたり、お気に入りの形を選んで制作を続けました。接着のボンドがほんの少しの量で、すぐくっつきやすい素材であることも、次々色んな形に挑戦したいこどもたちの制作には合っていました。
面白くて夢中で作っている間に「この部分はさっきの形とおなじ仕組みだ」と効率化を進めてたくさん作る工夫をしたり、どうしたらきれいな形になるかな?とひねり方を研究してみたり、熱のある制作でした。お母さん・お父さんも「きれい!」と、仕上がりにびっくり。ツリーのてっぺんやオーナメントにしても素敵です。
"トムテ"は、北欧の神話から生まれた妖精。とても小さく、でも長生きなのでしっかりおひげが生えていて、三角帽子を自慢げにかぶっているとか?どのお家にもトムテが住んでいて、夜になったらひっそり仕事をするんだって。
みんなはトムテにどんな仕事をしてもらいたい?イメージしながら制作をはじめました。トルネードのトムテは、みんなの服からとれて落ちてるボタンを、そっと縫い付けてくれるお裁縫仕事をしてもらおうかな。
作りたいトムテのサイズの芯を作りました。針金の端をくるくる丸めたり折り返したりしながら、理想のプロポーションにします。みんなしっかり理想のイメージがあるようで、こだわりを感じました。トムテの三角帽子の高さも一緒に含めました。帽子が折れたら困るもんね!
芯ができたら、次は肉付け。紙をしわしわにして、ぐるぐると巻きつけて太さを作ります。どこにどのくらい巻きつけてどんな形にしたいのか。塑像的制作に集中するため、両面テープをはるだけのシンプルで強い接着方法をとりました。
紙でいいボリュームを作ることができたら、表面は肌触りのいい毛糸でコーティングしました。顔や手など肌が見える部分を集中して巻き巻き。糸の最初と最後の始末がきちんとできることと、巻く時の力加減を身につけるべし。大事なのは素材の声をよく聞くこと!?
長袖・半袖、長ズボン・短パン?色を選びながら、引き続き毛糸素材で、必要なところに巻き巻き制作。色の組み合わせを楽しみながら、みんなの手もどんどん進む。糸作業も慣れてきたかな?
時には、巻いていた毛糸がゆるんだり抜けたりしてほどけることも。制作過程で起こる予期せぬトラブルは、素材の特徴をつかんでレベルアップする機会。布ボンドで固定する?切って結んでしまう?いくつかある方法から選んで実施してみたり、お助けしてもらってその様子をしっかり見ておくなど…今回一番の頑張りどころだった!?
小さいけど、すごく手数も思い入れも込められたトムテ。たたずまいがすでにかわいい…自分でもまんざらでない様子のみんな。「もっと工夫したい」「早く仕上げたいな」「次が楽しみ」という声がたくさんありました。
目・鼻・口など、毛糸を巻く制作では作りにくい部分は、羊毛を使った造形方法で仕上げていきました。ニードル針を刺して羊毛同士を固めて形を作ります。コツがわかると形を自在に調整できるため、粘土のように使えます。
顔の中心を決める"鼻"を最初に作ることをみんなにすすめました。なんだかデッサンと似ていますね。鼻ができるととたんにキャラクター性が出てくるように感じました。
おヒゲはみんなそれぞれお好みの色と量で。たっぷりタイプもすっきりタイプもいいね。ボリュームを出したい部分は、針を刺さずに羊毛そのままで仕上げると、ふんわり!
目や眉毛などのとても小さく細かいパーツも黙々と作るこどもたち。いろんなパーツを作っていくうちに、フェルティングの感覚がわかってくる面白さもあったようでひたすら集中……
羊毛の他に布も使うことができました。いちおう縫い針と糸を出しておいたところ「いいね」と使い出す子が多数。ボタンをつけたり、ベルトを巻いたり、マントをつけたり…それはそれは楽しそう。
それぞれ考えた、トムテの仕事に必要なアイテムも作りました。なんと背負って歩くための小さなバッグも!中には「裁縫は苦手だけど…」と言いながらトムテサイズのぞうきんをしっかり縫っていた子も。トムテへの愛がすごい!