アメリカの彫刻家アレクサンダー・カルダーをみんなに紹介しました。動く彫刻「モビール」を発明したカルダーが有名になったきっかけの作品は「サーカス」。サーカスキャラクターがいろんな曲芸を繰り広げる、カルダー手作りのミニチュア・ショーがアート界でも大評判に。マルセル・デュシャンをはじめとする当時大活躍していた美術家たちも訪れていたとか!行ってみたい…
1月ジュニアコースでは、カルダーのアートをヒントにして「動き」を生かした作品づくりに取り組みます。今回は「やじろべえ」のしくみを使って、自分なりのサーカスキャラクターをデザインし、実際に作り上げていきます。まずはシンプルなやじろべえをそれぞれ作ってみることに。左右の重さを変えたり針金を変形させ、動きや見え方の変化をテスト。
「もう(アイデアが)浮かんだ!」という子もいれば、「どういうこと?」「どうしよう!」とちょっぴり困った様子の子も。やじろべえのゆらゆらとうごく様子を観察しながら、ぽつりぽつりと浮かんだイメージをスケッチしていくと、少しづつそれぞれのキャラクター像が浮かんできました。ポーズの工夫やキャラクターの風貌のこだわりもあり。
スケッチを元に、芯となる部分を組み立てました。針金の凸凹をきれいに整えながら進めたり、作品の中心を確認して丁寧に針金を接着したり。見えない部分の「土台づくり」が立体制作のコツ。作りながら&実験しながらの制作に耐えられるように!
ゆらゆらとよく動き、なおかつ安定させるためには、芯は固くカッチリしていたほうが良いのです。中心キャラクターの芯を付け足すと重くなり、バランスがくずれてキャラクターがぐらりと傾きます。でも芯がしっかりしていると「指から落ちそうだけど落ちない」という状態に。キャラクターがどうにか耐えているようで「これも面白いかも!」作品のヒントになっていました。
次回は、粘土を付け足してキャラクターの形の作り込み。それに向けて、アルミホイルなどを使って肉付けしました。関節・くぼみは素材がつけにくい所ですが、そこにしっかり手を入れることでしっかり硬い芯になります。肉付けの時点で形づくりが面白く、ついつい中心キャラクターの形がかなり大きくなってきた子も…果たして立ち上がるのか!? 上手にバランスをとっていこう。
それぞれのサーカスキャラクターのイメージが固まって来たところで、それぞれのスタンドを制作しました。自分の作品とぴったり合うよう角材を好みの長さにカット。のこぎり・くぎうち作業も、こどもたち同士で協力してとてもスムーズ。
前回制作したキャラクターの芯に石粉粘土をつけ、イメージするキャラクターの形を仕上げていきます。粘土工作は水分調整がポイント。濡れタオルや濡らした指で水分を補給しながら、まずは芯全体をおお って…
水分を含んだ粘土をつければつけるほど当然重くなります。作りたい形だけを追って進めると、キャラクターがぐらりとかたむく!
粘土を付け足したり、逆に取ってみたり。理想の形と立ち姿を整えていく作業です。粘土をやじろべえのどこにつけるのか、場所の少しの違いでもかたむき具合が変わります。手も頭も使う複合的な制作に。
粘土の量が釣り合ったら、形を理想に近づけていきました。作るアイテム数をふやしたり、最初の計画から変更して仕上げる子も。賑やかさが出たり、キャラクターをよりアクロバットなポーズにしたり…雰囲気が高まってきた!
来週は絵の具を使っての彩色がメインになります。色でなく形で表現したい帽子や服の細部のアイテムを作り込んでいきました。
粘土は乾くと水分が抜けて、重さが少し変わります。前回作ったキャラクターのバランスを最終確認。形も調整して形はしっかり完成させておこう。
今回のメイン制作は「ペイント」。乾いた粘土部分にやすりがけしたり。凸凹部分には少しの粘土で穴うめしたり、各自で工夫して表面を整えておくのがポイント。
何年か前にはこの言葉がまったく伝わらなかったのですが、今なら知っている子も多い「レイヤー」。大きなところから細部へと、階層に分けるようなイメージで絵の具を使ってみよう。
肌の色や服全体の色など、大きく色を使っている部分を探して塗りました。乾かすためのタイムラグを減らすため、薄く最低限の量で塗りました。
しっかり乾かして下地を作ったら、服の模様や目・鼻・口は最後の最後の仕上げに描き込んで。にじみもなくくっきり鮮やかな仕上がりに!
キャラクターと同じくらい目立つ「舞台」。こちらもベースの色から模様まで、しっかりばっちり仕上げました。
動きが面白い作品なので、映像でも紹介しています。「おもしろい!」「どうやって作ったの?」と他コースのこどもたちや親御さんにも好評な作品でした。 ▶︎movie(instagram) ▶︎movie(Facebook)