「あか」「あお」「きいろ」は、みんなの絵の具の箱の中に必ずある色。この3つは、混ぜても作ることができない色です。でも、この3つを混ぜ合わせることによって…
たくさんの色を作ることができます。「あか」「あお」「きいろ」、隣り合う色同士を混色すると、中間色が展開します。
さらに間の色を作っていくと…となり同士の色差は少しずつになり、色がぐるりと輪になった!これはスイスの芸術家ヨハネス・イッテンさんが作った「色相環」。異なる色同士にも、連続した関係性があるのがわかります。
「あか、あお、きいろ」よりもさらに純度が高い色は「シアン」「マゼンタ」「イエロー」。「色の三原色(さんげんしょく)」と呼ばれています。プリンターインクでもおなじみの色。
三原色を掛け合わせていくと、なんと1600万以上もの色を作ることができるそうです。それほどの数になると、人の目には差が見えづらくなる色も多くあるとのことで、今回はその中でも厳選した331色の表づくりに挑戦!
色見本はありません。色の成分を数値のみで表した「くじ」を用意。引き当てた色はどんな色だろう?イメージしながら、正確に調合して作ってみました。
計量カップで3色の割合を測ってブレンドします。ほんの少しでも入れすぎ、少なすぎは厳禁!細かく調整する作業は、徐々にコツを掴むと「よっしゃ!」「ぴったりだと気持ちいい」と面白くなってきた。数値だけで「たぶんこんな色」という予測がついてきた子も。
色が増えて表が埋まってくると「きれい」「全部埋めたい」後半の制作も勢いがすごかった。最後のくじは争奪戦になるほど!? カップを揃えて置いたり、色の微調整までこだわったり、こどもたちの連携で美しい色の表が完成しました。
絵を描くことは、自分がどんな風にものを見ているか、客観的に見ることができる方法でもあります。とはいえ「こんなかんじだよね」と記号的に描くこともできる自由さがある。今回は描く紙を一切見ないで、モチーフだけを見ながら描くという体験をしてみました。
自分の手を見てスケッチしました。紙を見ないで描いていくので、自分の絵がどんな風になっているかは最後までわかりません。指の少しの凸凹、爪の形やしわひとつまで見つけて描いた子も。全体感はおかしくなっても、見たものを素直に描くと「らしさ」は不思議とにじみ出てくる。
この回で描くのは、ガラスのコップです。とうめいって何もの?すけて向こう側が見えていたり、それもなんだがぐんにゃり曲がっているような…目に入ってくる情報がとても多いモチーフです。こどもたちも「これを描けるの…?」と少しドキドキ。
今回はコップの形を生かして、中に色水を作って一時的に「ふとうめい」にしました。一見手間な作業ですが、どんな複雑な形でも、描く手順や、描く要素を整理していくと見え方がぐっと変わります。
鉛筆で、コップの形をドローイングしました。本物よりも3倍ほど大きく描きます。こどもたちは、少しすぼんだ形、かくかくした面の部分など、細かな特徴もみつけて描いていました。
形が描けたら、準備は万端。中のふとうめいの液体を抜いて、今度は「とうめい」を観察してみました。「とおくの人が映った!」「あの色がここに見えてる」「もようになってる」描きどころがたくさん!
何かはわからないけど、とにかくコップの中にになにか見えている。ぐんにゃり、ふわふわしたちょっと曖昧なものでも、鉛筆の濃淡を逆に生かして、うすく、時には濃くしっかりと描き込みました。
来週には、この上にさらに透明水彩絵の具をつかい、絵を仕上げていきます。この時点でも、ガラスのコップのずっしり感が出ていたり、透明な水が入っている様子が伝わったり、雰囲気満点の作品に。すごいぞジュニア!
透明水彩絵の具は、名前のとおりに色セロハンのようなすける性質を持っています。扱いのコツがわかるととっても面白い!ついいろんな研究がしたくなる絵の具です。
1色から、いろんな色を作ろう。水の量だけで色の差を作り、どのくらいのバリエーションができるか試してみました。より色に敏感になるこどもたち。ほとんど水となっても色を感じるように。
一度塗った色の上に、さらに違う色を重ねると、まさに色セロハンのような使い方ができます。ついつい、濡れているうちに重ねたくなる…「あーにじんじゃった!」最初の色が乾くまで待てるかどうかがポイントですね。
前回の描いたコップの絵に、この透明水彩絵の具で色を重ねていきました。教室で見えるいろんなものが、コップの中に映り込んでいます。こどもたちには何色に見えるかな?
つかう色を三原色にしぼっても、こどもたちはたくさんの色を作ることができます。カラフルな色から、3色混ぜた無彩色(黒に近い、色味のない色)まで。
にじみは失敗ではなく、絵の具でできる技法の一つ。グラデーションづくりでもかかせない!「きれい…」「うまくできた」じわ〜っと少しずつ変わっていく色合いは、こどもたちの憧れのようです。
淡い色のところ、濃いはっきりとした色のところ…色の区分けをしていくと、コップの中に映る光、ガラスの硬さなど、特徴がにじみ出てくる!はじめは色をまったく感じなかったところにも色を見つけられるようになっていました。