2021.7 ジャイアント

ジャイアント①

身近にあるものを
何倍にも大きくしてみると、
見え方がいつもと大きく変わります。

7月のジュニアコースでは、実際に自分の手で
10倍サイズのえんぴつ制作に挑戦!
おろしたてのロングなえんぴつ、
使い込んだみじかいえんぴつ、
さて、どんな長さに挑戦する?

プロセス

  • 身近なものを大きくする

    アート作家のロン・ミュエクやジェフ・クーンズの作品をご存知ですか? 誰もが知っているもの、身近なものを巨大化したアート作品が有名です。サイズ感が変わるだけで見方が変わったり、作品を見ている人との大きさの比較もおもしろい。「大きくつくる」、シンプルでインパクトのある手法です。

  • ジャイアント・えんぴつ!

    先生が作った大きなえんぴつが教室に登場すると「なんだこれ!」どっと盛り上がったジュニアコース。 もっている子が小人になったようにも見えますね。トルネードのこどもたちも持っている、ステッドラーのえんぴつがモチーフ。ジャイアントなアート制作のはじまりです。

  • 実際のえんぴつサイズは?

    まずは、本物のえんぴつを定規で測ってみました。全長は、それぞれの使い込んだ量がちがうため「17センチ!」「4.3センチだった」とそれぞれバラバラ。逆に共通のところは「六角形」であること。六角形の1辺はだいたい4ミリでした。さらに、えんぴつの先の削った部分の長さは「2センチ」ほど。

  • 10倍してみると…

    では、本物のえんぴつのサイズを、今回チャレンジする「10倍」にしてみると…? 3センチのえんぴつは30センチ。15センチのえんぴつは……150センチに!「自分よりも大きい」「うわー、作ってみたい!」

  • どんな長さで作る?

    自分で、どんな長さにするか決めてみよう。「自分の身長と同じにする」「かわいいから短いサイズにする」「やっぱり作るならいちばん長いのでしょ」いろんな声がありました。ロングサイズを選んだ人は、短いサイズの人の何倍も作業量が発生することになります。どの子も「はやく作りたい!」と気合い十分。

  • 長い板が登場!

    180cmの長さがある薄い板材。えんぴつ作りに必要なパーツはこの素材から作ります。長い板なので、まっすぐな直線を引くだけでもすごい作業量。二人ずつのチームを組んで、協力しながら作業を進めることに。

  • 長い板に線を引く

    えんぴつの直線部分(軸)のパーツから作りはじめよう。六角形なので、同じ形を6枚切り出す必要があります。のこぎりで切り分けられるよう、板材に線を引きました。「定規おさえて!」「OK?」「いくよー」測る、どうぐを準備する、線を引く…得意なところを分担しながら。

  • 長く、まっすぐ切る

    3年生も、4月に一度のこぎり制作を体験しているので、のこぎりの扱いはみんなしっかり覚えていました。今回はとても薄い板なので、切る力よりも特に押さえる力が大事。切っている時のギコギコ音や感触がちょうどいいかを自分たちでチェック。「あ、ちょっと曲がってきたかも」「いいかんじ!」まっすぐを目指して切り続けるこどもたち。

  • 6枚のパーツを切り出す

    パーツがひとつできるごとに、すごい達成感がありました。長めのえんぴつサイズの子は特に「1回の切る距離が長い…!」目標の6枚まで達しなかった子もたくさんいましたが、来週に制作は続くのでご安心を。次回にはえんぴつ全体の形が見えてくる予定です。早く続きがしたい!

ジャイアント②

ひたすらカット、カット、カット…
身体的にコツをつかんで
みんなののこぎりレベルが大幅にアップ!?
細かな変形パーツづくりもスムーズに。

すべて手作りのパーツ。
えんぴつのかたちに組み立ててみると…感動!
自分の身長より大きな作品になった子も。

プロセス

  • 前回の続きのカット!

    えんぴつのまっすぐ部分のカットが前回完了していなかった子たちは、1週間気になっていた様子。いつもより少し早めに教室でカットをはじめていました。みんな絶対に完成させたい!という意欲満点。

  • 変形パーツを切り出す

    直線カットを何度も行ううちに、最低限の力でカットするコツを掴んだり、カットしやすい姿勢を身体的につかんできたこどもたち。今回はさらにレベルアップした制作にチャレンジ!小さくて、変形したパーツ作りに挑戦です。えんぴつの先になる三角パーツは、かなり細長いため繊細なカットが必要でした。

  • 全パーツを並べてみよう

    ちょうど真夏日が続く時でしたから、みんな汗だく!前半のパーツカットを終え、ちょっと一息。後半はえんぴつの形に組み立てる作業に進みます。自分の作ったパーツの状態を床に並べ、細かな凸凹がないかをチェックしました。

  • パーツ同士を貼り合わせる

    組み立ては、まず箱の展開図のようなイメージで、平面上で接合していきました。丈夫な布テープで、直線のパーツから貼り合わせ、それにぴったり合うように三角パーツも貼りました。途中で合う・合わないなどパーツのサイズに問題が出てきた子は、やすりをかけたりパーツの並びを入れ替えたり、自分たちで工夫しながら進めました。

  • 仕上げに六角形パーツを…

    立体にするための仕上げは、六角形パーツ。布テープで接合したパーツを、のり巻きのように六角形に巻きつけてみると…

  • えんぴつの形に!

    一気にえんぴつらしい形になりました。見本を見たこどもたちも「おお!」と盛り上がり、早く組み立てたくてたまらない様子でした。えんぴつの長さによっては、ひとりだと大変なところもあるので、こどもたち同士で「ここを押さえて!」「一緒につくろう」という協力体制が良かったですね。

  • 先端も仕上げる

    えんぴつの軸の形ができたら、先端の部分も接合します。目立つところなので、きれいに仕上げたい!みんなのこだわりが感じられました。一番先っぽのところが固定されると安定するため、こどもたちはパーツを1枚ずつ合わせ、輪ゴムで仮止めまで行いました。

  • すきま発生!?

    えんぴつの形になり、みんな嬉しそう。でも気になることが…「すきまがあるね」「どうやってきれいにするの?」パーツの間には、少し溝のような隙間があります。来週はその隙間をきれいに処理する制作からスタートしよう。色の仕上げもあるのでやることたくさん。完成に向けてがんばるぞ!

ジャイアント③

そっくりにすればするほど面白い
10倍サイズのジャイアントえんぴつ。
たくさんの工程を経て、とうとう完成!

そこにあるだけで世界がミニチュアに見える!?
不思議なアート作品に。
持って帰るまでのあいだにも、
見かけた人たちを楽しませてくれそうですね。

プロセス

  • 粘土でコーキング

    みんなが前回気になっていた「すきま」。乾燥後もやせない石塑粘土を使って埋めました。えんぴつの先の部分は、木がむきだしになっている部分のため、色やニスも不要な部分。汚さないよう丁寧に制作していました。

  • シールでコーキング

    えんぴつのまっすぐな軸の部分のすきまは、紙シールでカバー。テープやシールは、貼った所に粘着部分が食いつくように、しっかり手で押さえたりこするのがきれいにしあげるコツ。時間が限られているためてきぱきと作業進行!

  • えんぴつカラーをペイント

    すきま埋めが完了した子から、ステッドラーえんぴつのシンボルカラーである青・黒を塗る制作へ。幅の広い筆が大活躍!塗っている間にすぐ乾くくらい、絵の具の量を最低限で仕上げるのがコツです。みんな手際がいい!教室はさながらえんぴつ工場のよう!?

  • ロゴ・文字の下描き

    青・黒カラーで、雰囲気がぐぐっと高まりました。さらにそっくりに仕上げるため、本物の鉛筆と同じくロゴや文字まで描き込みます。文字の太さなども合わせるため、じっくりと下描き。

  • 白で仕上げ

    下描きできたら、白いペンや絵の具で色をのせました。ここでハマる子が続出!びっくりするくらいの細かな手捌きを見せる子も。文字のフォントまでわかりそう!

  • ニスを塗る

    ロゴ・文字制作が完了し、しっかり乾かせる時間を確保できた子は、ニス塗りまで進みました。本物のえんぴつには、軸の部分に防水ニスがかかっています。塗るとまったく同じ風合いに!

  • 完成

    たくさんの工程を経て完成したジャイアントえんぴつ。それぞれ自分で作り上げることができて、みんなびっくり、そして嬉しくてたまらない様子でした。お迎えのお母さん・お父さんも「これはすごい!」「よくがんばった」と太鼓判!